ハーゲンダッツ

中学生のとき、大阪から川崎に引っ越した。

衝撃の連続だったが、青山に住んでいたカッチョいい親戚の叔母さんが東京案内に連れて行ってくれた。

新宿の紀伊國屋で待ち合わせ、原宿竹下通り

など色々回って、

最後に表参道にできたハーゲンダッツに連れて行ってもらった。

叔母は何度もきているらしく、「2番目のあの娘が盛りがいいのよ」と言って 2番目に並んだ。

コーンか、カップか、アイスはどれか、そしてトッピングを聞かれるのだが、カップにするべきと言われ、そうした。トッピングのところで、叔母は嬉しそうに、

「 Everything 」と答え、

チョコレートソースや、ココナッツや、カラフルな棒型チョコレートをかけてもらい、満足げな顔をしていた。

あの 『 Everything  』は都会で暮らす叔母のパワーの源であったように思う。

あの頃の私には、あれが東京の味だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?