中小企業診断士2次試験~書き方スキルアップ③~目的と手段にわける

こんにちは。

今回は答案をわかりやすく書くために、「目的」と「手段」に意識して分けて書くとわかりやすくなる、ということついて説明します。

クライアントへの経営コンサルティングの内容を一番シンプルに表現すれば、「ある目的を達成するための手段をお伝えしましょう」、とそれだけになります(もちろん、実務ではその助言内容をどうやって実現させるか、とその後の話も重要になります)。大事なのは、目的と手段です。手段という原因があって、目的という結果が達成されます。

中小企業診断士の2次試験への回答は、診断士が実際にクライアントに提出する診断報告書作成スキルを見る、という側面があります。そのため、すべての設問で求められるわけではないですが、目的と手段という因果関係を回答にあたって常に意識しましょう。そのことで、答案の完成度が高まり、ひいては得点がアップします。

具体例を見ていきます。昨年、平成25年度の事例III(通信用部材会社のケース)の第2問(設問1)は下記のとおりです。

第2問
C社では、顧客からの問い合わせに迅速に対応するため、また、短納期化に対応するため、技術部内の情報の共有化や業務の効率化を図る計画がある。この計画について、以下の設問に答えよ。

(設問1)
技術部内で共有化が必要と考える具体的情報名を80字以内であげよ。

回答で求められているのは、「具体的情報名」です。これ見てすぐに、「共有化が必要なのは~情報である。」以上、終わり!としてしまう方も多いのではないでしょうか。一昨年度の自分であれば、確実にそのように回答していました。それでもある程度の点数は取れるかもしれませんが、それでは片手落ちです。

そもそも何のために「情報の共有化」が必要だったのでしょう?そこで第2問の設問に戻ってみると、「顧客からの問い合わせに迅速に対応」と、「短納期化に対応」と2つの目的が書かれています。つまり、回答はこの2つの目的達成に必要な手段としての具体的情報を書けばよいわけですね。

以下に回答の要素を目的と手段にわけてまとめました。目的が「直接の目的」と「最終目的」の2つがあってやや込み入ってますが、このように見ます。「通信移設での調整情報」の共有化で、「設計変更への対応力強化」がなされ、その結果として「顧客対応力」が強化される。

最終目的   直接の目的   必要情報(手段)
顧客対応力強化  ← 設計変更への対応力強化  ← 通信施設での調整情報
短納期化対応   業務効率化   標準化したCADの使用法

以下は、本試験での僕の再現回答です。

C社は、①設計変更への対応力強化のため、通信施設での調整情報、②設計業務効率化のため、標準化したCADの使用法等の共有化により、顧客対応力強化と短納期化を図る。(78字)

文体に注目してください。「●●(目的)のため、●●情報(手段)を共有化する」、という書き方をしています。この「(目的)のため、(手段)を行う」、という文章のひな形を覚えておくと、のちのち様々な設問で使うことが出来るので便利です。同じひな形で文章が繰り返されるため、採点者も目的と手段の因果関係が明確にわかり、かつ読みやすいというメリットがあります。「①~のため、~を行い、②~のため、~を行う。」、という感じです。

今回のまとめとして、目的と手段を意識した回答を心がけましょう!


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