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お題2つでショートショート

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お題を2つランダムに設定して、ショートショートを書きました。
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#小説

喫茶店の定期券 ~お題2つでショートショート その10~『定期券』『日曜日』

 カーテンの隙間からこぼれるやわらかい光に誘われ、僕は目を覚ます。布団に吸い付いていうこ…

消滅の消しゴム ~お題2つでショートショート その9~ 『消しゴム』『船』

 ――あれ?  学校に到着し、鞄から教科書、ノート等を取り出そうとした時、俺はあるものが…

五年前のあの日から ~お題2つでショートショート その8~ 『夢』『車』

 ――ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……。  病室に入ると、心電図の音が小刻みに鳴っているのが聞…

暗闇の光 ~お題2つでショートショート その7~ 『サウナ』『レンジ』

 ――ここはどこだ?  暗くて何も見えないし、寒くて体が震える。  そもそも、僕はなんで…

孤独のランチ ~お題2つでショートショート その5~ 『学校』『蛇』

   ――やることのない昼休みほど辛い時間はない。    僕は自席で昼食を食べ終えると、一…

君を見ていた…… ~お題2つでショートショート その4~ 『廊下』『天井』

 ホームルームが終わったようだ。  この学校の生徒が皆、廊下に出てくる。  すぐに帰宅する…

永遠のサイコロ ~お題2つでショートショート その3~ 『図書館』『サイコロ』

 俺は家の近くにある図書館に向かっていた。  図書館といっても都市部にあるような大きいものではなく、昔からある小さな図書館である。  俺は学校のない毎週末そこで本を読むことにしているのだ。  図書館に着くと、俺はあたりを見渡したが、人は一人もいない。  以前はここも、俺みたいに本好きな人がよく集まっていた。  しかし最近、大きくてきれいな図書館が新しくできたのでみんなそっちに行ってしまったようだ。そのせいでこの図書館の客は大幅に減ってしまっている。  俺も最初はその新しく

チョコのお賽銭 ~お題2つでショートショート その2~ 『神社』『チョコレート』

 「はぁ……やっと学校が終わった」  家に帰るときはいつもある場所に寄ることにしている。 …

猫と出会った昼下がり ~お題2つでショートショート その1~ 『猫』『コンビニ』

 初夏の日差しが眩しい六月最初の月曜日の朝、俺はコンビニにいた。 祝日だから中学校は休み…