人にできてAIにできないこと


はじめに

近頃、テレビやSNS、映画などでも“AI”や“人工知能”という言葉を頻繁に聞くようになりました。

「AIが発展すると仕事がなくなる」「多くの人がAIによって仕事が奪われる時代が来る」など、機械学習や人工知能に関する技術の発展とともに、雇用に関する影響への不安や心配もよく耳にするようになりました。

AIが社会に浸透することで、これまでの仕事はなくなるのか、なくならないのかその議論は尽きることはありません。

自分の働いてる仕事がなくなるのかなくならないのか、AIの発展によって、なくなる可能性がある仕事とは、実際どういった職業が該当するのか調べてみました。


AIが仕事を奪う?
AIに奪われると予想される仕事
AIに奪われないと予想される仕事
AIとの仕事の関わり方
最後に



AIが仕事を奪う?

「AIが仕事を奪う」「AIで仕事がなくなる」という意見を近年耳にすることが増えました。私たちが目にする職業や行なっている仕事を、人間ではなくAIがこなす社会というのはなんとも想像がつきにくいものです。

しかし近年、第三次人工知能ブームにより、AIは加速度的な発展をとげています。機械学習やディープラーニングを通じて、AIが徐々に人間が行うような複雑な問題に対応できるようになってきているという現実があります。

そのことが、この先の未来において、AIが人間の仕事を奪ってしまうという予測につながっています。

主張の根拠として、国内外の研究施設から発表された論文があります。イギリスのオックスフォード大学は、近い将来に現在ある仕事の90%はAIに置き換えられると公表しました。また、野村総合研究所は、この先15年で今ある仕事の49%がなくなるというレポートを発表しています。 

参考:株式会社野村総合研究所:『日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~』

特に、単純作業に関しては、人間が行う場合よりもAIが実施したほうが生産性が高い分野でもあります。AIの得意分野に該当する仕事は、それぞれの論文でも共通してAIに取って代わられる仕事だと言われています。

例えば、「資料整理」「文字入力」「機械類操作」といった仕事を行なっている人は、この先要注意です。近い将来、それらの仕事は人間の仕事ではなくなっていく可能性があります。


AIに奪われると予想される仕事


野村総合研究所とオックスフォード大学の協同研究レポートによると、将来AIやロボットによって代替される可能性が高い職業として、あげられているのは、以下100種の職種になります。


IC生産オペレーター、 一般事務員、 鋳物工、 医療事務員、 受付係、 AV・通信機器組立・修理工、 駅務員、 NC研削盤工、 NC旋盤工、 会計監査係員、 加工紙製造工、 貸付係事務員、 学校事務員、 カメラ組立工、 機械木工、 寄宿舎・寮・マンション管理人、 CADオペレーター 、 給食調理人、 教育・研修事務員、 行政事務員(国)、 行政事務員(県市町村)、 銀行窓口係、 金属加工・金属製品検査工、 金属研磨工、 金属材料製造検査工、 金属熱処理工、 金属プレス工、 クリーニング取次店員、 計器組立工、 警備員、 経理事務員、 検収・検品係員、 検針員、 建設作業員、 ゴム製品成形工(タイヤ成形を除く)、 こん包工、 サッシ工、 産業廃棄物収集運搬作業員、 紙器製造工、 自動車組立工、 自動車塗装工、 出荷・発送係員、 じんかい収集作業員、 人事係事務員、 新聞配達員、 診療情報管理士、 水産ねり製品製造工、 スーパー店員、 生産現場事務員、 製パン工、 製粉工、 製本作業員、 清涼飲料ルートセールス員、 石油精製オペレーター、 セメント生産オペレーター、 繊維製品検査工、 倉庫作業員、 惣菜製造工、 測量士、 宝くじ販売人、 タクシー運転者、 宅配便配達員、 鍛造工、 駐車場管理人、 通関士、 通信販売受付事務員、 積卸作業員、 データ入力係、 電気通信技術者、 電算写植オペレーター、 電子計算機保守員(IT保守員)、 電子部品製造工、 電車運転士、 道路パトロール隊員、 日用品修理ショップ店員、 バイク便配達員、 発電員、 非破壊検査員、 ビル施設管理技術者、 ビル清掃員、 物品購買事務員、 プラスチック製品成形工、 プロセス製版オペレーター、 ボイラーオペレーター、 貿易事務員、 包装作業員、 保管・管理係員、 保険事務員、 ホテル客室係、 マシニングセンター・オペレーター、 ミシン縫製工、 めっき工、 めん類製造工、 郵便外務員、 郵便事務員、 有料道路料金収受員、 レジ係、 列車清掃員、 レンタカー営業所員、 路線バス運転者
引用元:『日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~』 
2015年12月2日/株式会社野村総合研究所/(https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf)より抜粋




AIに奪われないと予想される仕事

人よりもAIの方が正確にできる、作業効率が上がる、AIが人の代わりに全てをこなせる、この2点に当てはまらないものであると言えます。

アートディレクター、 アウトドアインストラクター、 アナウンサー、 アロマセラピスト、 犬訓練士、 医療ソーシャルワーカー、 インテリアコーディネーター、 インテリアデザイナー、 映画カメラマン、 映画監督、 エコノミスト、 音楽教室講師、 学芸員、 学校カウンセラー、 観光バスガイド、 教育カウンセラー、 クラシック演奏家、 グラフィックデザイナー、 ケアマネージャー、 経営コンサルタント、 芸能マネージャー、 ゲームクリエーター、 外科医、 言語聴覚士、 工業デザイナー、 広告ディレクター、 国際協力専門家、 コピーライター、 作業療法士、 作詞家、 作曲家、 雑誌編集者、 産業カウンセラー、 産婦人科医、 歯科医師、 児童厚生員、 シナリオライター、 社会学研究者、 社会教育主事、 社会福祉施設介護職員、 社会福祉施設指導員、 獣医師、 柔道整復師、 ジュエリーデザイナー、 小学校教員、 商業カメラマン、 小児科医、 商品開発部員、 助産師、 心理学研究者 、 人類学者、 スタイリスト、 スポーツインストラクター、 スポーツライター、 声楽家、 精神科医、 ソムリエ、 大学・短期大学教員、 中学校教員、 中小企業診断士、 ツアーコンダクター、 ディスクジョッキー、 ディスプレイデザイナー、 デスク、 テレビカメラマン、 テレビタレント、 図書編集者、 内科医、 日本語教師、 ネイル・アーティスト、 バーテンダー、 俳優、 はり師・きゅう師、 美容師、 評論家、 ファッションデザイナー、 フードコーディネーター、 舞台演出家、 舞台美術家、 フラワーデザイナー、 フリーライター、 プロデューサー、 ペンション経営者、 保育士、 放送記者、 放送ディレクター、 報道カメラマン、 法務教官、 マーケティング・リサーチャー、 マンガ家、 ミュージシャン、 メイクアップアーティスト、 盲・ろう・養護学校教員、 幼稚園教員、 理学療法士、 料理研究家、 旅行会社カウンター係、 レコードプロデューサー、 レストラン支配人、 録音エンジニア
引用元:『日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~』/2015年12月2日/株式会社野村総合研究所/(https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf)より抜粋

複合的な知性や複雑な判断が要求される仕事、あるいは型にとらわれないような仕事はAIに代替されにくいと考えられます。芸術、考古学、哲学など抽象的な概念の理解が求められる仕事が含まれるのは、AIが概念を理解することが非常に困難という予測が関係しているのでしょう。専門的なコミュニケーションや交渉が求められる仕事も同様です。AIが人間の感情や発言の裏側まで想定することができないから、そのような仕事を代替困難なのだろうと推測できます。


AIとの仕事の関わり方

今後、私たちは発展する人工知能やテクノロジーとどのように関わっていけばよいのか。

もしかしたら、AIが浸透した社会に適応する未来を考える方がいいのかも知れません。

もうすでに、業務にAI技術を取り入れて仕事のスタイルを変えている会社もあります。例えば、2017年に日本経済新聞社が発表した『決算サマリー』はAI技術を利用し作成されました。3,600社という膨大な数の日本国内の上場企業の決算情報を、人が全く関与することなく完全自動で文章化したのです。これによって、記者は丁寧な取材が必要な人間にしか書けない記事に集中できたのです。

また、Googleは成人の失明の主要原因である糖尿病性網膜症を眼科医とほとんど同じ精度で特定できる医療用AIを開発したことで、医師は人間にしかできない治療に集中できるようになりました。

これらの例のように、「AIが人間の仕事を奪う」と考えるのではなく、「AIを利用することによって、人間は人間にしかできない仕事に集中できる」と考えて働き方を積極的に変えていくことが求められているように感じます。


最後に

今回改めて思ったことは、AIに対して乗っ取られてしまうというマイナスなイメージを持つのではなく、AIにはAIの人には人のいいところを出し合って補填しあっていくのがあるべき姿ではないかと感じました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?