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乳がんかも?これからどうなるの?  ⑦手術当日

こんな話
手術室に行く。
手術前のどきどき
手術後、そして長い夜

R4年 4月のある日

いよいよ手術当日となりました。
前夜21時から絶食、朝までにアクアソリタ500mlを2本飲みました。

紙パンツ弾性ストッキングをはいて点滴をして、移動スタッフと手術室に行きます。
SNSでは、弾性ストッキングをはいた足の写真に「ワープ」とコメントしてアップするのがお約束のようですが、まだこの時は、SNSの世界を知りませんでした。

移動スタッフさんに連れられて到着したのは、
最近建ったばかりという、新しい手術棟です。
手術室の前で、名前・生年月日を伝え、ネームリングを見せます。
手の甲には術側という意味の丸印がついているので、それを見せます。
手術を担当する看護師さんが自己紹介をしてくれます。
そして、どんな手術を受けるのかと質問されます。
「右乳房の部分切除」と答えます。
手術室内に案内され、主治医の先生が来てくれて、ベッドに横たわり、数を数えているうちに記憶が無くなり……

ここからは、先生やスタッフの皆さんががんばってくれました。
わたしは、何も知りません。

気が付くと、先生が「うまくいった」というような話をしてくれました。
「センチネルリンパに転移はありましたか?」
「ありませんでしたよ。断端も陰性でしたよ」
ストレッチャーに乗せられ、安心して自室に帰りました。

しかし、移動中に胸が手術をしたばかりの胸が痛くてたまらず、スタッフに「痛いんですけど!」とブチ切れた態度をとってしまいました。
病室につくと、点滴から痛み止めを入れてもらいました。
「痛いんですけど!」
「切ったから当たり前ですよ~」
のやりとりに、それはそうだと思いました。

マジックテープで胸をがっちり固定するブレスバンドという補助具があり、
切った右胸は特に圧力をかけられています。
きつくて痛いのですが、しっかり押さえることで早く良くなるような気もするし、ああ、もう、どうにかして!という気持ちでした。
乳腺科の医師が二人、時間差で見に来てくれました。
ブレスバンドを外して傷を診てくれました。
「良い調子です」のようなことを言われるとほっとします。

点滴から痛み止めを入れてもらうと、痛みを忘れられました。
スマホ触ってテレビ見て、
普通通りにリラックスできた時間もありました。
しかし、痛みが波のようにやってきます。
ナースコールをしました。
「痛いです。もう一回、点滴に痛み止めを!」
「何度も使える薬じゃないんですよ~」
ロキソニンかカロナールだったか、飲み薬でやりすごしました。
辛く長い夜を過ごしたのでした。

私の好きな時代劇のドラマ。
あんなに斬られて血が噴き出て、どんなに痛かっただろう。
昔の武士に生まれなくて、ほんとに良かった。
令和の時代の女性だからこの程度の傷で済んだ。
いや待てよ。戦国時代だとか江戸時代の女性は乳がんになったらどうなっていたのだろう。
そんなことを考えて夜を過ごしました。

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