スクスト2 EPアルコア 最終話感想

スマホゲー『スクールガールストライカーズ2』、Episodeアルコア最終話の感想です。

……これは……いや、どうだろう…………ウーン……。
これ……これでいいんだろうか……?
ちょっと考えてしまうぞ……。
や、ウン……嫌いではないんだけど……でもこれって……ウン……。

もったぶっているのではなくて一言で言いにくいのだ。
以下、順を追って。

◆13.5話〜アルコアの導きとの決着

最終話の前半は、13話ラストからつながる「アルコアの導き」との戦い。
……正確には、13話の後に公開されたイベント「混沌プラトーン」プロローグの続きですね。先にそっちの話を少し。

◇13.5話

その13.5話とも言うべき混沌プロローグでは、ストライカーズとひびき(=アルコアの導き)がついに戦闘を開始する様子が描かれたわけですけど。
「冥導変身の力の源であるひびきアルコアの導きに冥導変身で挑む」とか「制御リンクを逆手に取って弱体化プログラムを流す」とか、熱い要素も入ってはいたんだけど……ウーン……。
なんだか上記の熱いポイントをバーッと駆け足で語って、そこから「体制を立て直すひびきが塔の中へ逃げ込んだ!追うぞ!」の流れに持ち込んだのが「オブリをひたすら倒して進むイベントの前振り」感が出過ぎちゃって、ここまで保ってきたアルコアの緊張感を削いでしまった印象がある。

……余談だけど、この時もるがなが弱体化プログラムを指して
「時空管理局謹製のワームウイルス……危ない虫ちゃんといったところでしょうか」
と、シリアスな場面でイカすジョークかましてやったぜみたいなツラして言ってたけど、別にそんなイケてないと思う。(こういうのが余計に緊張感を削いでる気がする。)

もとい。
このプロローグは「逃げたぞ追え!」に着地させなきゃいけないから、出てくる子達のセリフもなんだか妙に強気な……。いや、ちゃんと説得したりしてるけどさ……。
戦う覚悟を決めてきたと思えなくもないけど、妙に好戦的になっちゃったなぁと思ったよ。

そんな感じで、シリアスな空気を高めていたアルコアがここで急に失速したように感じてしまい、最終話大丈夫かなーと思っていたんだけど……。

◇決着

その最終話。
ひびきを追って塔を目指すストライカーズ。
色々設定を補強するセリフはあったけどバトルのイベント臭さは抜けなかったね。
いや、これはもう俺がそう思い込んでるから見えてしまうだけかもしれない。
ちゃんと話聞いてると「オブリを倒すごとに位置情報の精度が増す」「ひびきが制御するオブリを倒せば、ひびきの生んだ境界にも制御システムにも影響する」とかナントカ言ってるんだけど。
まぁ……混沌プラトーンにセリフがついてた感じで……。

そして混プラを挟みたいがために後に伸ばされていた「アルコアの導き」との直接対決。
……俺も「アルコアの導き」と「ひびき」は表裏はあれど同一の存在だと思ってたけど、ここで改めて「アルコアの導き=芙治川ひびき人格」は、鎮目ひびきを守るために生まれた存在であることが強調されましたね。
最終話冒頭で語られた鎮目ひびきの「解放されたい」願いと合わせて、
「システムに従って世界を維持し、敵を排除しなければならない自分アルコアの導き
「しかし本体鎮目ひびきの願いである“解放”を望んでもいる」
「それを果たすため、自分達を倒してくれる存在ストライカーズをこの世界に呼んだ」
っていうモノローグはすごく良かった。
それでも絶対に声に出して言わない。倒されることを望みながらあくまで敵として戦うっていう。
やっぱりこの……芙治川ひびきめちゃくちゃ好きだな……
序盤の怪しげなムーヴから始まってこれですよ……。
「人類の勝利と世界の平和に尽くし、最後は少女の救済を願いながら敵として死んでいったオブリ」って……めちゃくちゃイイな……。
結局倒されてしまったけど、その様子は全く語られないっていう扱いもいい……。
でも、物語の中で立派に散っていったんだから絶対に復活させたりストライカーに入れたりするなよ。マジで。

◆鎮目ひびきとの決着

その一方で……これさぁ。
達観した風で死を望んでいたはずのひびき(本体)が「システムを破壊したからもう無限ループは起きない」って言われて、「やっぱり死ぬのが怖い……!」ってなるのはいいんすよ。そりゃ怖いだろうよ。
それ聞いた二穂がたった2行のセリフでぶった斬るの、ちょっと……あのさぁ……。
いやまぁ……ストライカーズの本分としては、世界を歪めるオブリを倒さなければならないから……心を鬼にしてひびきを斬るしかないんだけどさ……。
それにしたって覚悟決まりすぎじゃないすか……?
「あたしは恐怖を乗り越える!お前の分まで背負って生きる!」って、なんかいいこと言ってるようで何も解決してないじゃないすか。
そりゃオメーは生きてんだからいいだろ。こっちは死にたくねぇって言ってんの。
さすがにもうちょっとひびきに寄り添った感じで送ってやってほしかったな……。
その態度でぶった斬っていいのは芙治川ひびき外はカリカリの方でさ……こっちのひびき中はしっとりは心を救ってやんないと解決にならないのでは……?
いやまぁ……もうやっちゃったからしょうがないけど……。

◆その後の話

ひびきを倒したら冥導世界は消えてしまった。
歪みを正す戦いとしては間違っていないが、ひびきの消滅はさすがに堪える様子……。
イベントで「オブリを倒せ!」っていう流れを入れちゃったせいなのかわからないけど、アルコア本編に戻ってもひびきを倒すまであの変なテンションがずっと抜けなかった。
輸送機に戻ってからやっとみんな正気に戻ったように見えるよ。
二穂も泣いてたし。
……いや。
椿芽が「冥導世界が消えた……」「ひびきのことを思うとやるせない気持ちになります……」って言った直後に「あ、あの強ぇーメモカはどうなんの?」とか聞いてたな。
まだちょっとおかしいぞこいつら。
今メモカの話しなくたっていいだろ!
その後に二穂が「人類が前に進もうとした結果の一つだ」「このメモカが、ひびきがいたことの証明」とかいい感じのこと言うからまだよかったけど。
椿芽の発言だけだったら壮大なメモカ登場イベント扱いで終わるとこだったぞ。危ない危ない。

そして現今世界。
隊長は持っていたハンカチを届けに、こっち現今世界の鎮目ひびきの元へ。
9話でいきなり隊長が持っていたハンカチ、ひびきのものだとしても「紗々が拾ってひびきに返した」だけで、隊長の手に渡る場面はなかったけどな……?と謎だったんだけど。
第1話で泣いていたひびきは、冥導世界ではなく現今世界のひびきだった。
ハンカチはその時に隊長が拾っていたもの。
やっと答えが出ましたね。
……ネタバレになるからわざとやってたんだろうけど、名前表記のカッコが{冥導ひびき}現今ひびきで使い分けてあるので、第1話での名前表記は嘘ってことに………
あ!
1話で猫と喋る時点ではまだ名前書いてない!
最初からどこの世界の出来事かボカしてあったのか!!
手が込んでるなァ〜〜〜〜!!
これはちょっとやられたわ。

現今世界のひびきは五稜館への転入が決まり、両親も……少なくとも父親は健在。
母が刺繍をしてくれたハンカチは、こっちでは「思い出の品」だろうか。形見じゃないといいですね。
「迎えに来たの実父じゃなくて芙治川のおっさんじゃね?」とか言うな。

……現今ひびきが五稜館へ来るの、散々酷い目に遭ったひびきのラストとしてはハッピーエンドなんだけど……。
冥導世界のひびきは救われないままだったからな……。
ゆうて同一人物のようで別人なので……。
素直に喜んでいいものかどうか……。
……しかし、冥導世界そのものが「単なる別のチャンネル」とも言えないみたいなので、これ次第では見方が変わってくると思う。(後述)

あと1話冒頭が現今世界の話というなら、周りがフォローできないぐらい歌がヘタで部活やめちゃったのは揺るぎない事実になる。
まぁなんでもかんでもはうまくいかないな!

◆冥導世界とは何だったのか

さて。
消えてしまった冥導世界、ティエラともるがなの会話によれば、
・「元から何もなかったかのように消えてしまった」
・「特殊な観測線による再構築を繰り返した世界」
・「唯一世界のルールから外れるほどの強い歪みを持つ世界」
・「歪みの原因であるひびきによって維持されていたが、彼女の消滅により存在を確認できなくなった」
……とのこと。
なんのこっちゃ。

また、冥導世界近くの境界にあった塔……もっと言えば塔の内側にあった「空が見える檻」。
ここも大事な場所のようで、ひびきによれば
・ひびきが夢で見ていた場所。
・隊長がいるのはひびきが望んだから?
・ここに隠れていればいつか世界の終わりが来る。
・そうすれば私は、私を縛るものから自由になれる。
……だそうで。
スクストの世界では、夢というのは「眠っている時に無意識に別のチャンネルを覗いてしまう現象」とされている。(2014年7月協力戦プロローグでティエラが説明。)

……っていうところで、超ザックリ解釈すると
「冥導世界はひびきの心の世界」ぐらいの話になると思うんだけど、どうでしょ。

・現今ひびきの抱える孤独。
・本人の持つ五次元感知能力の素養。
・世界に存在する歪み。
・夢で観測してしまった「とある境界」。
……あとはなんですか。ひびきの空想力とか?
そういうのが混ざり合うことで、奇跡的に「冥導世界」と呼ばれる世界が誕生してしまったと。
その入り口である鎮目ひびき本人に隊長が触れてしまったことで、EPアルコアが始まっていると。
全ては一人の少女の心を救うための戦いだったんだと。
そんな感じかなぁとボンヤリ思いました。
……いやまぁ、「そんなんで世界一個生まれるか?」とかは自分でも思うけど。辻褄の合わない部分もあると思うし。
でもそんぐらいの扱いにして「二穂が斬ったのはひびきの孤独な心」みたいな解釈にしないと、あの二つ返事でぶった斬られたひびきが救われないじゃないか。

それに、そう考えれば混沌プラトーンまわりの「中心を目指してオブリを倒すぜ!」な流れも。心の浄化と思えば……まぁ……急に安い芝居が挟まったのもあんまり気にならないかなと……。

◆EPアルコアは面白かった

最後に。
最終話付近でン……?と思うことはあったけど、それにしてもアルコアは全編通して面白かった!
14話ほぼずっとシリアスな空気で運んでいったのも良かったですね。
新キャラのひびきも、前半で謎を抱えながらエテルノに(そしてプレイヤーに)馴染ませていって、後半で衝撃の展開を迎える動かし方がとてもよかった。
久々のカメラ演出も効いてました。

……ここんとこのメインストーリーは前後編になることが多いけど、アルコアはどうかな?
冥導世界誕生の経緯とかを掘り下げる話とかやってくれると嬉しいんだけど。
……それでも、ひびきの再登場はあんまり望まないかな……俺は……。
あの制服で出てきたのは、あくまでこれからの希望を匂わせる程度でよくって。
五稜館学園に来てエテルノメンバーと仲良くなりました!とか言って出てきちゃったら相当ヤボだと思う。
あの子は「幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」でいいんだよ……。
……でもまぁ、アルコア後編あったら絶対出てくるだろうなぁ。

しかしここまで毎回感想書いてきたけど、今になって最初の方の感想とか読み返したくないですね。
「これはもしかしてこうでは!?」とか言って全然違う予想書いてる自覚が割とある。
でもまぁ、あれですよ。
予想を裏切られることが多いほど面白いんで、それはもう「アルコアが面白かった」ということにしておこうや。

以上です。お疲れ様でした。