スクスト2 Epアルコア 第1話感想

スクールガールストライカーズ2 Episode Alcorアルコア、第1話が公開されましたね。

新たな世界に新たな変身、新たなキャラ、新たな謎……と、新エピソードの新要素への期待はもちろんあるんだけど。
それよりも今回は、スクスト1の頃のシリアスで殺伐とした雰囲気が戻ってきたのがすごく嬉しい。
あとキャラの扱いが丁寧で、セリフ回しがイケてる。
全体的にかなり好きです。

以下感想。
(要点はここまでで全部書いてるんで、読むのめんどくさい人はここで解散で大丈夫。)

◆今回の任務

EpAlcorでのストライカーズの任務は「冥導世界の調査」。強力な冥導メモカの参照元だけど、ストライカーズの現今世界に酷似している。その力の源と使われ方を調べろと……。
こういう普通の任務が描かれるの、ずいぶん久しぶりな気がする。

いや、毎月コスイベやら協力戦やらでオブリ退治はしてるんだけど、あれは言うなれば「コメディ番外編」と「新しい変身アイテムの販促回」だからさ。戦う女の子達の物語としてはサイドストーリーなわけじゃないですか。
キラル以降のメインストーリーはだいたい別の世界での出来事を描いた話だし、EPVはいきなり現れたテミスを追うのが目的だったからどう考えても通常の任務じゃないし。

やっぱり世界の歪みを修正するために集められた戦う女の子達ストライカーズとしては、今回が久々の「本来の姿」だと思うんですよね。
あの子達は無限に遊んで暮らすためにエテルノにいるわけではないのだ。

◆原点回帰ストライカーズ

さて、久々の「本来の姿」。
ティエラ先生もメンバーも、ギャグ寄りのイベントを繰り返すうちについてしまった「キャラのイジリ癖」が抜けて、カッコよく描かれてていいですね。

ゆか子先生はドジっ子でも酒クズ無能でもなく、他世界の情報収集を命じつつも
「現地で混乱を起こすな」
「無理して戦うな」
「歪みを直すより、身の安全と情報収集を最優先にしろ」
と注意を添える大人っぷり。
EPVで3つの世界にストライカーを送ったら向こうで渋滞と混乱を起こしまくった反省が生きているんだな!
(でも予告の通りなら、この先で取り乱してロッティに怒られるっぽいけど……。)

ところで冥導世界に渡ることを「転移」って言ってたけど、こういうステラプリズム用語もEP3以来久々に聞いた気がする。
俺がボンヤリ読んでて気づいてないだけかな?
同じく別の世界に向かう案件だったEPVの第1話を見ると「別のチャンネルに向かう」「飛んでいく」って表現しか使ってなかったし。
あとはEPV+の「猫のピート」の一件で少し触れられたぐらいかな。
俺が「スクスト1の雰囲気が戻った!」と思っているからなんでもそう見えてしまうだけかもしれないけど……こういうスクスト世界の基本になってる設定をもう一度掘り起こしてくるあたり、単に雰囲気を戻したいだけじゃなく、本腰を入れて原点回帰を狙ってるような気もしてくる。

◆任務にあたるベガとトルテ

ココナッツ・ベガの報告書も、プレイヤーに「ちゃんと読んで覚えろ」とでも言うかのように黒背景で文字だけ固めて出してきましたね。
これ、キラルやEPVだったらキャラのモノローグで済ませてたとこじゃないかな。
こういうとこでキャラの喋りを挟まず、緊張感を保ってくれるのはすごくいい。

指令を受けたトルテも、新たな世界へ抱くイメージは期待ではなく警戒。
「現今世界と酷似した世界に、なぜ冥導のような力が?」
「強力なメモカの参照元にも関わらず、オブリの侵攻が進んでいるとしたら。それ以上の戦力を持たない我々では厳しい」
「時空管理局は冥導の実用化を急いでいないか?」
お揃いの衣装でボンボヤージュ!してたEPVとは全く違う旅立ちですね。
他の世界に渡ることは遠足や旅行とはワケが違う、危険を伴う“任務”だっていう認識でやってるのが良い。
このSFとシリアスと不穏な気配が混ざった雰囲気がとても好きです。
「スクストのこういうところが好きだったんだな」というのを久しぶりに思い出した。

◆冥導世界に入った二穂と紗々

……どうしてもやっていること(2人組で他世界へ調査に入る)が似てるから、EPVと比べてしまうんだけど。
この2人のやってること、思いっきりEPVの裏返しじゃない?
・酷似した世界なので、もう一人の自分に会わないように変装。
・嫌そうに「こちらの世界のあたしの協力が必要か?」
なるべく接触しないようにしている……。
EPVでは世界を渡ったやつがほぼ全員自分に会って「アイエエエ!!もう一人の自分!?もう一人の自分ナンデ!?」とエテルノ・リアリティショックを起こしてしめやかに失禁した後に「にわかには信じられないけど見てしまった以上は信じるしかないようね」の決まり文句で締めてたので、接触を避ける判断は正しいと思う。
もうウンザリなんすよ、同じ会話ばっかり聞かされるの……。(そんな会話させなきゃいいんだけど。)
っていうかセリフ見返したら「スムーズな調査のために過干渉は避けたい」って言ってた。
自覚あるんだなやっぱり。いや、二穂じゃなくて。書き手が。

それと、二穂も紗々も「キャラの悪い癖」が出ないように気をつけて描かれてたと思う。
二穂は大物ぶらないし、紗々もただの不思議ちゃんにならない。
「冷静なお嬢様」と「上品だが大胆な一面もあるお嬢様」コンビでテンポよく話を進めてくれたので、冥導世界の状況を調べるパートはスムーズでしたね。
EPVだったら冥導二穂と冥導紗々に会って「アイエエエ!!」「にわかには信じられないけど」をやってからどっかの喫茶店に入ってしばらく身の上話してからじゃないと情報が手に入らないからな……。

この2人は、新キャラ・鎮目ひびきと話すところでも気が利いてたと思う。
ひびきの他界した両親に触れたことを詫びる紗々の良識とか。
二穂が依咲里を「身内」と呼ぶところとか。(まぁ広い意味で言えばエテルノにいる連中は全員身内なんだけど。この場合は「家族」に近いニュアンスで使っていたと思う。その方がなんかいいだろ。)
大袈裟に言わせるわけでもないけど、サラッと挟む一言にキャラが出てて良かった。

そういえば原点回帰の話がここでも出てくるんだけど。
わざわざ「バトルスーツに入洲商事が関わってるのかも?」「入洲がクアルタに出資していた例もある」って言わせたの、それこそEP1の振り返りの意味を込めてたりする?
プレイヤーに向けた「今回はお前らの大好きな初期スクストを意識してるぞ!」っていうアピールなのかな、とも思ったり。

◆戦闘まわりの描写が好き

お嬢様2人が喫茶店で新キャラの面談をしてたら、電話で呼び出されてオブリと交戦。
こればっかり言うと嫌がられそうだけど……あれだよ。「特撮感」。
怪人出現の知らせを聞いてヒーローが現場に急行するやつ。
好きなんすよこういうの。

しかしこの戦闘も良かったな。(今回こればっかり。)
強そうな敵を前にして新作の冥導変身でバトル!……っていうのはどうでもよくて。
境界に一般人が現れてしまうイレギュラーと、それを見たサトカと二穂のセリフがカッコいい。

サトカ「なぜ一般の方がここに……いえ……」
   「ここに来られるとゆことは あの方《五次元感知能力》が?」
二穂「お前 どうやってここに来た!」

サトカの表情がキュッと引き締まるところが最高ですね。
女の子トークよりもバトル要素。そしてバトル要素よりも物語の謎。
俺のスクストの好きな部分に次々引き込んでくる流れがとても好きです。

◆冥導世界と鎮目ひびき

最後に触れるけど、新世界と新キャラをざっくり。

現今世界と酷似した「冥導世界」。
→文明レベルも同じなのに、なぜ冥導変身のような力があるのか?
→OPで崩壊している世界。冥導世界と関係ある?

周囲に馴染めない新キャラ「鎮目ひびき」。
→両親は他界。母の形見のハンカチを持つ。
 →予告ではサトカがハンカチを拾っていた。
→「五次元感知能力」を持ち、境界に入り込む。
→叫びとともに二穂の冥導がバージョンアップ。
→彼女は何者なのか?
→どうでもいいけど、正面で目を開くとなんか怖い。

謎がいっぱいあるけど、これから少しずつ明かされていくんでしょうね。
前回の予告の時点で「冥導世界はあの世なのでは?」とかナントカ言ったけど、ある程度のところで答え合わせしたいすね。
……まぁ全部ハズレだろうけど、先を期待しながら予想して待つのが楽しいからいいのだ。


◆その他

そういえば、次回の公開予定は出なかったね。
今回は月イチ更新じゃないのかな。


今回はこんなとこでおしまい。
EPVでは基本的に文句をタラタラ書いてたけど、今回は好きなところを整理して書くために頭を使ったのでよかったと思います。