スクスト2 EPアルコア 第13話感想

スクールガールストライカーズ2、Episodeアルコア第13話の感想です。
最終回直前!(のはず。)
ひびき視点で冥導世界を見ることで、積み残されていた謎が一気に説明されましたね。全部じゃないけど。
以下、前半はキャラクター関係の感想、後半は設定方面の話です。

◆感想(主にひびきについて)

おおよその流れにそって……。

13話開幕早々、ひびきが冥導二穂の剣に思いっきり貫かれた…………。
ダメージがこんなにハッキリ描写されること、スクストでは滅多にないんじゃない……?
人間はもちろん、オブリ相手でも「叩く」ような描き方なのに……あんなに思いっきり突き刺すとは……。
僕はEPVでは「キャラに遠慮しすぎ」という文句を言ってたんですが、すごいなEPアルコア。新キャラに全く容赦しないぞ。
というか「こういう役」のために投入された新キャラひびきなんだろうけど、いよいよ作中的にもメタ的にも救いがなさすぎるな……。

さて、刺されたひびきは冥導世界に強制送還。
冥導兵器の管理者でありながら、システムに囚われた存在だったのだ。
この状況においてもなお「被験者のふりをして脱走の機会をうかがう……おかげで演技が上手くなりましたよ」とか言ってのけるひびきが超好きです。
やっぱりオブリ人格のひびきの方が好きだなぁ。
(オブリ人格というのも正確ではないんだろうけど……後述。)

ここで話のたとえにわざわざ真乃の名前を出すのがいいですね。
関わりの深い二穂とか紗々とか、劇団やってたほたる達でもない、真乃ってのがポイント。
プレイヤーに見えるところではほとんどしゃべってなかったと思うんだけど(天体観測なんかには一緒にいたか)、ちゃんと「みんなと」交流してた証が見える感じでとてもよい。

そしてオブリとして実験に利用される日々。
自らを化け物扱いする人間に囲まれ、仲間は生きた操り人形とロボット。
人類のためにと思って地獄の日々に耐えていたら、同じく人類のために戦っているのに超楽しそうな場所エテルノを見つけてしまうという。
いや本当にひびきに容赦ないなEPアルコア……。
……これを踏まえて夏のリゾートイベントのことを振り返るとしんどいなぁ。
あの時は単に「友達いなかったけどここでは楽しく過ごせてよかったね」程度の感想だったけど、それ以前の問題だったね……。
「操り人形たちが人間らしく生きて、自分もその中で楽しく過ごせる」という、夢のような世界だったのだ。

あと……いや話の流れ的には凄惨な場面なんだけど、このくだり見ながら「やっぱりこの拘束衣かっこいいな……」とか思ってました。
実験後に血がついてるのもいい感じ。

さて、ひびきと一緒にいたら研究員にみつかってしまう隊長猫。
コイツも実験に使うか……と捕まりかけたところでひびきが表の人格に戻って、なんと研究員を殺してしまった。
いや、殺したとは書いてないんだけど。
でも「ぐぼっ!」という断末魔は絶対死んでると思う。
ひびきが……ひびきが人殺しの罪まで背負ってしまったやんか……。
どこまで行くんだアルコア……。
オブリという時点でもう仲間になれなさそうなひびきを、人としても絶対に帰ってこられないところまで持っていく気か……?

そしてラストでは、隊長を探しにきたストライカーズと対峙。
……ひびきと一緒に消えた隊長をトルテが探す時、EP1のことをスッと挟んでくるのよかったですね。
つくづくEP1にこだわるなぁ、アルコア。
見逃してもらえないと知ったひびきは、変身態を披露してついにストライカーズとの戦闘へ。
どうなる次回。多分最終回。
(アルコア後編ってあるのかな。)

◆ここまでの答え合わせ

11話と12話の感想を書いた時に、その時点でよくわかってない謎をザッと羅列したんすけど。
「こんなに並べたって全部回収されるかわかんないな」と思ってたら、13話でほとんどの謎に答えが出たので超スッキリしました。
以下、11話・12話感想で書いた謎と、今回出た答えを並べていきます。

●ひびきについて

・人間と妖魔で人格が違う?なぜ今妖魔に?(第11話)
11話時点では突然様子が変わったように見えたひびき。
本人の口から、人格が2つあることがハッキリ語られましたね。
目に光がある方(何も知らない方)が主人格の「鎮目ひびき」、目に光がない方(全部知ってる方)が、精神を守るために害を引き受ける「芙治川ひびき」を名乗っている様子。
「人間ひびき」「オブリひびき」という分け方は正確ではなかったね。

ただ事故をきっかけにオブリ化したのは間違いないけど、これが突然変異なのか、オブリに乗っ取られているのか……という本当の原因はわからずじまい。
……ちょっと説明が足りない感じはあるけど、これはもう「そういうこと」で済ませちゃってこれ以上の深掘りはされないのかな。
「なんにせよ、この死なない体が証明している」で話を終わらせてるし。
ここ最近の流れで言えばEPアルコアも前後編になると思うんだけど、少なくとも今やってる前編ではこれ以上触れられることはなさそう?

ところで、11話のあの時点でオブリの正体をわざわざ隊長にバラしたのはなんでだろう。
冥導世界の調査が進んで、どのみちバレてしまうタイミングではあったけど。

●《Alcor》と《Mizar》

・《Alcor》に関する資料。遺伝子組み換え生物の兵器利用。被験者名簿。(第9話)
・《Mizar》に関する資料。オブリ細胞の利用。(第10話)
・《Alcor》が《Mizar》とどう違うのかわからない。(第11話・もるがな)
・冥導変身は何のための装備?(第10話・アコ)

この辺も今回バッチリ説明されました。
★《Mizar》この世界のストライカーズ。フィフス粒子とひびきの実験結果を使って戦闘能力を大幅に上げた兵器。
★《Merak》妖魔化したペンタヴァーン社のロボットを、ひびきの制御化に置いたもの。
★《Alcor》以上の二つの兵器がひびきによって制御される。ひびきが反逆した場合は兵器によって指定の座標に転生が行われ、リセットされる。13話ラストでひびきが見せた変身態には「対妖魔兵器 統括制御システム《アルコアの導き》」の名がついている。

……ほぉーん。
「オブリ細胞による強化」と「ひびきを中心にした兵器リンク(かつ、反逆をさせない仕組み)」でそれぞれ別の名前がついていると。

●襲われるひびき

そしてこの「2つの人格」と「ひびきを連れ戻す仕組み」の設定を踏まえると、何度もひびきが襲われてきたことへの説明がつきますね。

・星空の境界で襲われるひびき。襲撃者は幸子?(第2話ラスト、第3話)
・再び星空の境界で襲われるひびき。襲撃者は誰か。(第5話ラスト)
・襲われたはずのひびきが、その後何事もなく部屋で目覚めたのはなぜか。(第6話)
・ひびきだけが狙われている。(第12話・イミナ)

冥導ストライカーズは、脱走したひびきに接触(というか攻撃)して冥導世界に戻そうとしていたわけで。
2話ラストは失敗、5話では成功したんでしょう。
……その後の動きが「鎮目ひびき」視点でしか語られなかったからわからなかったけど、おそらくは今回と同じように
冥導世界へリスポーン→芙治川ひびきの人格で再度脱走→エテルノに戻り、自室で眠ったところで鎮目ひびきに交代
という流れだったんだろうね。

……再収容から再脱走まではそれなりに時間がかかってると思うんだけど、エテルノへは出た時間と同じ時間に戻れる……と思えばひびきの不在はエテルノ側からはわからない(ハズ。俺が設定間違えてなければ)。

●Q&P合同研究所

さて、研究所の様子が全て公開されました。

・研究員の伏せ字ばかりの会話(第8話)
・「死の記憶を継承する虫」の話から、研究所の記憶がフラッシュバックするひびき。目から光が消える。(第8話・ひびき)
・謎の研究所。眠っている?二穂と紗々。バトルスーツの数名。何者かの「彼女たちが分かち合ってくれる」「君もまた希望の星なんだ」の声。(第8話)

これらは全て「Q&P合同研究所」での出来事で確定。
研究員、芙治川、叶一の会話も伏せ字なしで公開。
思ったよりひどい会話してたな……。
モブはやっぱりシルエットだけだったね。
……研究員は「ぐぼっ!」とか言って死ぬからシルエットでいいか……そうだよな……。

●崩壊した世界に立つひびき(予告)

EPアルコアの予告から映っていた、崩壊した世界とそこに立つひびき。
冥導世界そのものではなくて、「冥導世界の近くにある境界」でしたね。
そして、ひびきがストライカーズとの決戦の舞台に選んだ場所。
モシュネによると、冥導世界とほぼ同じ座標ながら、時系列だけは第一次調査の少し前らしい。
……ということは、ひびきの証言と合わせると……ひびきがオブリとして実験に参加する前ということ……?
わざわざこの時間を選んだ理由が気になりますね。

◆それでも未解決の謎

……とまぁかなりの謎は解決したけど、それでも未解決の謎もいくつか残っているわけで。

●エテルノの警報のエラーはなんだったのか(第2話)

これはもう触れられないまま終わる気がする……。
オブリであるひびきに反応してたと見ていいんじゃないかなぁ。
警報が鳴ったのが「2月某日」、ひびきが来たのが「調査チーム帰還当日」で、表記がずらしてあるけど同じ日の出来事でしたっていうことで。

●かわいらしいハンカチを持っている隊長(第9話・サトカ)

おそらく、ひびきの持っていたハンカチ。なぜ隊長が持っているのか?
ここまででハンカチを受け取るシーンはなかったと思うんだけど……。

●隠されていた冥導世界

・冥導世界は現今世界からそう遠くないにも関わらず、これまで発見されなかった。隠されていた可能性がある。冥導世界付近で通信障害も。(第4話・モシュネ)
※ちなみにエテルノも座標にノイズを混ぜて感知しにくくしてある。
13話でも言及されたけど、まだ「今は解消されている」「人為的なものを感じた」としか言われてない。
やっぱり、冥導世界の「外」から何らかの力が働いてたんじゃないかと思っちゃう。
いくらひびきがオブリでも、自分のいる世界そのものを隠すようなパワーまでは持ってないでしょ……?いや俺オブリのことわかんないけど……。
最終話で回収されるか……それともアルコア後編に持ち越し?

●冥導世界の正体

・「冥導世界は既知の世界と同じ分岐元を持つと考えていい」「あなたの目から違う角度で観測すれば解明していくだろう」「冥導世界とはどのような世界か。答え合わせが楽しみ」(第11話・もるがな)
「トルテの世界」からの分岐だと思ってたんだけど、ちょっと離れすぎてしまった。
ストライカーズが人格を捨ててまで戦いに身を投じて、ひびきが苦痛を背負っていることを考えると……同じことをやっているはずなのに、関わる人々に全く希望がない……。
トルテの世界も一度は椿芽を残して全滅してしまうけど、究極変身を揃えて閲覧できる真エンドでは5人が揃う希望に満ちた終わりを迎えるからさ……。
もはや分岐というよりは「裏返し」とか「影」とか、そういうニュアンスの方が近いだろうか。

◆どうなる最終回

ひびきとの対決で次回に続いた13話。
予定では3月で最終回らしいので、次で決着だとは思うけど。
この戦いが「冥導世界とほぼ同じ座標で、ひびきの実験が始まる前」の時間軸にあるのが超気になる……。
実験が始まる前の時点でひびきが倒されれば、少なくともひびき自身は解放される……というのを狙ってるのかな。
いやでも「冥導世界そのもの」ではなくて「そこに接する境界」ってだけだからな……いま戦ってるひびきがどうなろうと何も変わらないか。
ましてやスクストは平行世界の話であって、タイムトラベル物ではないからな……そうはならんか……。
わざわざ時系列に言及したこの仕掛け、どう効いてくるんだろう。

……そして、その先の話。
もしアルコアも前後編になるんだったら、前編はひびきとの決着という「中」の話で終わって、後編は冥導世界そのものが隠されていたという「外側」の話をするんじゃないかなーと思う。
……ひびきがここまでひどい目に遭うのって、もはや何かの操作があったんじゃないかと思っちゃうのよね。
オブリ化の原因も解決したようでいて、なんだかふわっとしてるし。
冥導世界が隠されていた理由も謎のままだし。
冥導世界自体がひとつの実験場で、オブリの新しい形を作るために事故死した少女が選ばれた……というか、なんならそのために事故を起こされたぐらいあるかもしれない。

前編では悲しい結末を(いやハッピーエンドでもいいんだけど)迎えるひびきが、後編でやっと救われる……というのを期待しているけど、さてどうなるか。
前後編じゃないとしても、一つの区切りであるアルコア最終回が楽しみです。