秘密の海の底で、トラウマは呼吸する

トラウマは、人様に見せるもんじゃないよ。

それは、生き物かもしれないね。

心の海の底で

しずかに、ひとり、飼っておくものなんだよ。

トラウマも生きてるから、

呼吸をするたびに、泡を吐く。

わたしの意識という水面で泡は、パチンと弾ける。

もう、繊細には思い出せないのに、

苦が気化する。

どうしようもなく、苦くてしょっぱい香り。

血と涙の味まじり。

日々、

トラウマも心の海を生きてくれている。

わたしといっしょに。

ソレは、どうしようもないこと。

治るとか治らないとか、そういう問題でもない。

トラウマをブラックボックスに捨てることを、あきらめること!

トラウマは、自分だけの生きた証の水鏡といえよう。

そう思うと、トラウマって、かわいいものだよ。

トラウマは治らない。

耳をかたむけてくれる相手に相談すればするほど、

苦い記憶を刻みつけて、

また、トラウマをいたぶるだけ。

なんの解決にもならない。

トラウマは、あなたの中の必要生物。

責任をもって飼いならしなさい。

だれにもあげられないもの。

見せなくていいもの。

教える必要ないもの。

人っていうものは、

多かれ少なかれ、

トラウマを秘密の海で飼っているものだ

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