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銀ちゃんといっしょ 37

名曲喫茶 らんぶる

渋谷の駅前にあった〝名曲喫茶 らんぶる〟
クラシック音楽には全く興味がなかったけど
〝昭和〟な空間がたまらなく好きで
紅茶と煙草と本で何時間も過ごしていました

喫茶店と言えば
向かい合わせの2人席や4人席
カウンター席があったり

でもここには それに加えてベンチ席がありました
お一人様用でもあるけど
並んで座ると話しやすかったりします
もちろん音楽を聴くための席だったんでしょう

トイレのタンクが危うい感じに
上の方で固定されていて
そこから下がっている鎖を引くのが
物凄く怖かった

学生運動が盛んな頃のものか
壁に書かれた落書きの数々

〝天は人の上に人を乗せて人を作る〟
〝宙ぶらりん おまけに どんづまり〟
(〝おまけに〟の部分は違う言葉だったかも)
等々
妙に考えさせられる落書きばかりがあちこちに…

店員さんも怪しげな人が多かったと思う
とても気がきくのに邪魔にならない人ばかり
そう記憶に残っています
常連になって席についたら
黙ってても紅茶が出て来るお店の1つでした

総じて
珈琲の美味しいお店は紅茶も美味しかった
先日 珈琲の美味しい店へ付き合いで行ったら
紅茶そのものがありませんでした
時代のせいでしょうか?
経営者の意気込みの問題でしょうか?

メニューのジュース類が書かれている最後に
〝ホットできます〟とあるので
ある日一緒に行った友人が
バナナジュースのホットをたのみました
面白がって注文したんです

ずいぶんと時間が過ぎて
店員さんが申し訳なさそうにやってきて
〝すみません…かき玉状になってしまうんです〟と

ホットバナナジュースなんて
誰も注文した事がなかったんでしょう

好きでもないクラシック音楽を聴きながら
何時間も紅茶と煙草と本

あんな時間の使い方
もうできないかな~

逆に
これからかな…

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