ペダルを漕いで

3

三年生の先輩がアタック練習の時「あーシャワー浴びたい」って言葉に衝撃を受けた。シャワー浴びたいシャワー浴びたいシャワー浴びたい。凄い、シャワーを昼に浴びたいんだ。そんなにシャワーが珍しいのかと言われそうだったので順番に並んでた前の美雪ちゃんと後ろの真美ちゃんには言えなかった。うちにはシャワーというものが無い。小学校上がるまでシャワーが無いのを何とも思ってなかったし、薪で焚かれて隣の部屋のというか浴槽が熱いお湯に変わっていくのも何とも思ってなかった。寧ろ0点のテストがメラメラと焼かれて行くのが嬉しかったしそれを後ろから母親に見つけられた時には滅茶苦茶叩かれた。あんなに綺麗な母親が鬼の形相で叩いて叩いて仕舞いには薪で殴ろうとしたからここで私の反射神経が生かされ、いや今はんなことはどうでも良い。シャワーかあ。小学校のプール入ったあとのシャワーか海行ったときの簡易シャワーぐらいしか浴びた記憶が無い。ていうかシャワーという言葉がなんか大人だわ先輩。距離が遠い。っていうか痛い。ぼんやりしてたらコーチにボールぶつけられた。集中しろ目を離すなジャンプしろもう一回ジャンプしろちゃんとジャンプしろよ!ってボーイズジャンプザミッドナイトオーイエー♪良いな森ケン春休みに蘭丸がつけてる耳飾のインドショップ行くんだって良いなあ東京に親戚が居るって埼玉と神奈川と静岡はなんか違うっていうか痛い痛い痛い殴るなよ痛いなあもう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?