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社会人は『魔女の宅急便』を観ると泣く。

昨年の12月。28歳の誕生日を迎える数日前、久しぶりに『魔女の宅急便』を観ました。
社会人になってからゆっくり観たのは、多分はじめてだと思います。

私は泣いてしまいました。

それは、クライマックスにあたる以下2つのシーンです。

有名な「ニシンのパイ」のおばあさんから、キキに宅急便の依頼がある。箒で飛べなくなり、落ち込んでいたキキがおばあさんの家に向かう。
おばあさんはケーキを取り出し、キキに仕事をお願いする。

「それをキキという人に届けてほしいの。この前、とってもお世話になったから。そのお礼なのよ」

ここで、涙。

キキは、このおばあちゃんのためにススだらけになってカマドでパイを焼き、嵐の中を飛んでずぶ濡れになり、それなのに届け先の孫娘には「わたしこのパイ嫌いなのよねー」などと吐き捨てられ、トンボが誘ってくれたパーティに遅れ、熱を出し、挙げ句の果てに魔法が使えなくなったのです。

さらにおばあさんはこう続けました。

「その子のお誕生日を聞いてくれる? またケーキを焼けるでしょう」

キキは、13歳の誕生日に独り見知らぬ街に出てきました。そして、自分にできることをひとつずつやってきたのです。

キキも涙ぐんでこう返します。

「きっと、その子も、おばさまの誕生日を知りたがるわ。プレゼントを考える楽しみができるから」

さらにこの後、飛行船にぶら下がるトンボを助けるためにキキは走り出します。
駆けつけた先の中心街。
清掃員のおじさんにデッキブラシを借り、いままで見せたことのない真剣な表情で集中。
そして、

「飛べ」

その一言で、キキはふたたび空に舞い上がります。

ここでも私は泣きました。

キキがなぜ飛べたのかには、諸説あります。
「落ち込んでいたキキが、自信を取り戻していたから」
「トンボを助けるために無我夢中だったから」
などなど。

そんな中、ジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さんは、こう語っています。

「あの場面でキキが飛べたのは、みんな(観客)が飛んで欲しいと思うから」

頑張れば、叶う。それは、周りの人の望みになるから。

私がなぜ泣いてしまったのか。
それは、キキの頑張りに感動したからです。

その後、私は自問自答してしまいました。

ニシンのパイが焼けていなかったら「焼けたらまた呼んでください」と言って帰る人間になっていないか。
そこにカマドがあっても見て見ぬ振りをしてはいないか。
嵐が止むまで雨宿りしてはいないか。
「このパイ嫌いなのよね」に対し「たしかに、あんまり美味しくなさそうですね」と相槌をうっ人になり下がってはいないか。
熱を出して魔法が使えなくなったら、すべてを投げ出しやしないか。
誰かに応援されるほど頑張っているのか。

自分の「頑張り」について振り返るきっかけになりました。

そして、「キキのように頑張ろう!」と元気になるのです。

落ち込んだりしたときに、また観たいと思います。


(ちなみに、『魔女の宅急便』は地方から都会に出てきて頑張っている女の子のためにつくった作品だそうです、、、!が、ご存知のとおり、男の子も感動です!)




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