インボイス制度導入に伴う事務負担増大への対応

【インボイス制度導入に伴う事務負担増大への対応】

インボイス制度の導入により、事業者の皆さまには事務負担が増大することが避けられません。制度運用に伴う新たな事務作業が生じるためです。

そこで今回は、事務負担増大が見込まれる具体的な作業内容と、その対応策について解説します。適切な準備を怠れば、インボイス制度が事業運営の足かせとなりかねません。対策は事前に講じておく必要があります。

5.1 増大が見込まれる事務作業
インボイス制度導入で、以下のような新たな事務作業が発生します。

・インボイスの発行作業
・インボイスの受領・保存・管理作業
・取引先とのインボイスチェック作業
・書類の税務調査対応作業

これらの新規作業に加え、取引先との確認作業などもあり、事務負担は決して小さくありません。

5.2 IT化とペーパーレス化
事務負担を最小限に抑えるため、まずITの積極活用が有力な対応策となります。

・インボイス発行システムのIT化
・インボイス管理のクラウド化・ペーパーレス化
・EDI(電子データ交換)の活用
・RPAの活用

このようにIT化を図ることで、手作業を大幅に削減できます。ペーパーレス化も効果的な手段の一つです。

5.3 従業員教育と外注化
システム化だけでは対応は不十分です。新制度の理解を深め、適正な運用を行うため、従業員への教育も重要となります。
社内マニュアルの整備や研修の実施など、人的対応が必要不可欠です。

一部業務の外注化による負担軽減も選択肢の一つです。発行業務や書類の保管管理業務を外部に委託すれば、内部人員への負荷を和らげることができます。

5.4 人員増強
システム化と人的対応を組み合わせても、なお人手不足が懸念される場合には、人員の増強も検討しなければなりません。特にインボイスの発行業務や管理業務で、新規の人員配置が必要になる可能性があります。

事務負担増大への対応は、システム化と人的対応を二本柱として進めていく必要があります。
早期からの準備と選択肢の幅広い検討が欠かせません。経営への悪影響を最小限に抑え、事業の足かせとならないよう、適切な対策を講じましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?