インボイス制度:問合せの多い項目5選

1. 登録申請の手続き方法
2. 適用の範囲と例外
3. インボイスの記載事項
4. 電子インボイスへの対応
5. 事務負担増大への対応

1.登録申請の手続き方法

登録申請の具体的な手続きは以下の通りです。

① 「インボイス制度の概要と手続のご案内」(国税庁ウェブサイト)を確認し、必要書類を準備
② 「区分記載請求書発行者登録申請書」に必要事項を記入
③ 添付書類(登記事項証明書、印鑑証明書等)を用意
④ 主たる事務所所在地を所管する税務署に書類一式を提出または郵送

登録申請から登録までには1か月程度を要しますので、余裕を持った対応が賢明です。

2.適用の範囲と例外

インボイス制度は、課税資産の譲渡等と課税仕入れに係る取引が原則として適用対象となります。
ただし、一定のものは適用が除外されています。主な例外は以下の通りです。

・非課税売上(輸出・公共料金等)
・免税売上(社会保険診療報酬等)
・インボイスの記載が困難な取引(個人向け現金売上等)
・適格請求書等を発行できない者との取引

対象か否かで取り扱いが異なるため、自社取引の適用範囲を確認することが重要です。

3.インボイスの記載事項

インボイスには以下の事項を適正に記載する必要があります。

・売手と買手の登録番号
・課税資産の譲渡等に係る書類である旨の記載
・課税資産の譲渡等を行った年月日
・対価の額(税抜)
・消費税額等

記載事項の一部が不備の場合、一定の経過措置の対象となる場合もありますが、原則として適正な記載が求められます。

4.電子インボイスへの対応

2028年4月以降、一定の事業者には電子インボイスの発行が義務付けられる見込みです。
対応が必要となるため、電子インボイス発行ソフトやクラウドなどのITシステム導入を検討する必要があります。
電子インボイスには一定の技術的要件を満たすことが求められるため、システム要件を確認し、導入に向けた準備を進めましょう。

5.事務負担増大への対応

インボイス制度導入に伴い、以下のような事務作業の増大が見込まれます。

・インボイス発行事務
・インボイス保存・管理事務
・取引先とのインボイスチェック事務

この事務負担増を最小化するため、以下の対策が有効でしょう。

・インボイス発行システムのIT化
・インボイス管理のクラウド化・ペーパーレス化
・社内マニュアル整備と従業員教育
・一部業務の外注化や人員増強

6.経過措置の内容

インボイス制度の導入初期における主な経過措置は以下の通りです。

・インボイス合理化期間(2023年10月~2024年9月)
一部記載事項が不備でも一定の場合に仕入控除可
・みなしインボイスの特例(~2026年9月)
登録事業者でない者からの請求書でも一定の場合に仕入控除可
・インボイス情報通信技術基準の特例(~2028年3月)
一定の場合、電子インボイス以外でも仕入控除可

移行期の混乱を避けるため、これらの特例措置の要件等を確認し、有効活用することが重要です。

次回から上記1~5の内容を深堀した記事を掲載予定。

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