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夜を歩む


今日は4月6日。
ミンギュさん、お誕生日おめでとうございます。


去年の今日は暖かい春の日だったな。
暖かい風に吹かれて胸にじんわりと熱が広がっていったこと、まだ鮮明に覚えてる。春はもともと好きな季節だったけど、きみが連れてきたからもっと好きだと思った。


永い夜

春が好きだと思っていたけれど、もしかしたら春が好きだというよりは、ずっと冬が終わったことを喜んでいたのかもしれない。多分、私は冬が少しだけ苦手なのだ。冬の夜は永遠を感じてしまうほどに長い。長い夜は、正直こわい。

子供の頃から鈍感の反対にいた。“気付く”というのは、良くも悪くも無意識の内の行動だ。
これまで気付けて良かったと思うこともたくさんあったけれど、気付かなければ傷付かず幸せなままでいられたのにと自分を恨んだことも数えきれないほどある。側からみれば、あるいはまやかしの幸せだったかもしれないけれど。ただ、知らなければそれは時に真実になる。

気付き、傷付くことを恐れると、どうも前に進めない。でも世界は止まってはくれないから、前に進んでいるフリをするのが上手になった。周囲も自分も騙していれば、大抵の人とは良好な関係を築けるし、自分が傷付くこともない。そうしていたら自分の気持ちにも鈍くなっていって、「悩みがなさそうでいいね」とまで言われるようになった。
誰も私が止まっていることには気付かない。隠しているくせに、そんなことを思う自分が気持ち悪い。


嘘みたいな本当

そんなとき、きみに出会った。正直な人だなというのが初めの印象で、感情のままにころころと変わっていく表情をいいなと思った。他国のアイドルという距離感が心地よかったし、なんとなく興味を引かれるのも予想外という程ではなかった。

ただ、結論から言うと、キムミンギュは全くの予想外だった。素直で快活な人なのに賢くて頭の回転が早い。クールもキュートも心から楽しんでいる。まるでフィクションみたいなのに人間味に溢れていて、わけが分からない。困惑、困惑、困惑。

嘘みたいな本当の人だ。

どうしよう。あり得ない。嘘みたいだって思うのに、本当なんだって魂が叫ぶ。そうして、まばゆいほどの輝きに猛烈に目を奪われて、暗い夜を照らされてしまった。そうして必死にまなざしているうちに、自然と夜がこわくなくなった。

毎日ではないけれど、暖かい春の風がそよぐ夜の道を穏やかに進んでいける日がある。嫌なことがあって落ち込んだ日も、陰に溶けて消えてしまいたいような日も、きみのせいで明日にわくわくする。
明日のきみのことを今日より愛しいと思える予感がする。明日の私のことを今日の私よりちょっとだけ好きになれる予感がする。

なんてこった。困ったものだ。勝手に希望を見い出して明日を生きようと、きみは責任をとってはくれない。私の人生の責任は私のものだ。
ただ、せっかくならきみがくれた今日を楽しんでみようか。



明日は何をしようか、明日のきみはどんなかな。
そんなことを考えながら眠りにつくなら、いい夢がみられそうだ。



追伸

ミンギュ、私は今日きみのことを大事に想う人たちと、きみの生まれた日をめいっぱいお祝いしてくるよ。これもきみがくれた今日だね。


2024.4.6

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