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鬼滅の刃への思いの丈メモ(※ネタバレ有)

完結を見届けた「鬼滅の刃」への思いの丈が凄まじいので、とにかくただただ書き連ねたい…となった記事です。完全に独り言です。

※本誌のネタバレをバリバリしています。

【全体の展開】
いや、よかった…本当に…
終盤〜話の畳み方まで全部ひっくるめて大好きな漫画って実は個人的にそんなにない。これだけ話題作だから作者の意志に反して引き延ばされたりしないだろうかとそこだけが気になっていたんだけど、そんなことなくてよかった。本当によかった〜!!
話の進め方とかキャラクターのセリフとかに作者のエゴみたいなものが殆ど見えなくて そこがストレスフリーでよかった。よく言われているけど台詞回しがとても良いですよね。あとキャラクターの性格や関係性の描写がとても巧妙なのと、表情の描写がめちゃめちゃ良くて素晴らしかった…大好きな漫画になりました。出会えてよかった!!

【最終回】
未来のとにかく平和な日常という感じの205話…ああいう展開にすると当然賛否両論だろうけど、私は凄く良かったと思いました!現代に話が飛ぶことで、皆が必死に守ったものがちゃんと繋がって平和な未来がきたんだよというのを示したんだなと受け取った。この「なんてことのない退屈な日常」がどれだけ彼らに願われていた尊く有り難いものかと思うと沁みる…。単純にキメツ学園で学園モノへの耐性が付いていたのも 、現代という時間軸や制服のキャラクターたちをすんなり受け入れられた一因かもしれない笑
大正時代のみんなの死をダイレクトに描いていなかったり、誰と誰が結婚したかをハッキリ描いていなかったり(でも察せるようにはなっている)、そのへんも個人的には好きでした。あと青い彼岸花に触れてくれてよかった!!個人的に未回収だなと思ってたほぼ唯一のポイントだったから。「昼間だけ咲く」か。そりゃ鬼が見つけられないわけだね…
現代に出てくる可能性があるとしたら愈史郎と輝利哉さまかな と思ってたら2人とも出てきた嬉しかった!二人とも 戦友たちの死を全部見送ってきたんだろうから悲壮な顔をしてるかもしれない…と思っていたけど、そこらへんもあえて描かれてなかったのが良かったなぁ。穏やかに過ごしてくれてるといいな。愈史朗は絵描きになっているのも良かった。理にかなってるよね、後世にも残せるものね…
色々なものが 漫画のテーマ通り「継承」されている中で、そういえばヒノカミ神楽は?耳飾りは引き継がれてるけど…なんて思ってたけど、そういえばもうあれを使って倒すべき無惨はいないんだから、継承されなくてもいいんだなぁ。じーん。

【キャラクター達への思いの丈】
・竈門炭治郎
いい子だったなぁ…まっすぐで一生懸命で大好きですね…頼もしくて格好いい瞬間と、可愛くいじらしい瞬間がどっちもあってどっちの面も好き!鬼狩りとしての才能はもちろんあっただろうけど、善逸や伊之助と比べると平凡だったんじゃないかと思ってるんですけど、そこが好きだった。その分を努力でコツコツ補える子だった気がして…対して「鬼の素質はピカイチ」という点、なんだか好き。ハリポタで「ハリーにスリザリン適性がある」設定が好きなのと同じ気持ち。
そういえば 基本的に絵に描いたような良い子だった分、たまに(刀鍛冶の里編とかで)悪そうな顔するの超好きだった。ぐっときます。

・我妻善逸
本当に肝心な時にしか格好良くなくて笑う。普段の徹底して格好悪い様、読者に媚び売らない感じがあって良かった。にしてもここまで見事なコントラストのギャップは久々に見たので、爽快なまでにその落差で風邪ひかされて好きになってしまいました。(彼は一番好きなキャラの一人) アニメの霹靂一閃格好良くて何度も見たわ。「へきれきいっせん」という言葉の響きもめちゃいいよね。基本技を極めた結果が一撃必殺と化した雷属性の居合術の使い手なんて、己の内なる少年心が見過ごさないよそんなのみんな好きでしょうよ!!ずるい!!
獪岳戦はとてもよかったですよね。怒りが恐怖を上回って自分の欠点を克服するというのがよかったし、漆ノ型をあみだしていたというロマンは最高だった、けど状況が色々とあまりにも切なく遣る瀬なくて うぅ…全体に暗く悲しげで、その薄暗さの中に火雷神の存在が燦然と輝いているようなイメージのお話だった。切なくて好き。愈史郎の登場も凄く良かった。結局は生き様の差が彼らの明暗を分けたのだ…
あと最終局面で炭治郎を鼓舞するの、凄く印象的だったな。彼の芯の強さと優しさが真っ直ぐ出てましたね。こういうところが魅力的だね…普段どんなに格好悪くとも!笑
そういえばかまぼこ隊で一番お兄ちゃんなのときめきます。あとシティボーイなところとか。

・嘴平伊之助
話が進むにつれてどんどん好きになっていった。愛しいです…。野生の動物みたいだった子が人間らしくなっていく変化、丁寧に描かれていて良かったですね。吾峠さんはキャラクターの為人を書き表すのが自然で上手だなぁ本当に。勘のようなものが鋭いというか、時と場合によっては一番大人びて見えたりそういうところも好き。母性に弱い感じがするの、可愛いけど色々思いを馳せてしまう…琴葉さん。。
最後、年相応(もしくはちょっぴり幼め)になってたのを見てジンワリした。いとしさが込み上げてくる〜(ほわほわ

・冨岡義勇
一番好きなキャラの1人ですが、感情移入しすぎて終盤の彼のシーンはほぼ泣きながら読みましたね…もう彼の人生が過酷すぎて。。炭治郎が鬼になった時 泣きながらどうかこのまま死んでくれと願うシーンは あんまり可哀想でなんてことするの(泣)と思ったなあ。最終回、(恐らく)転生した姿で錆兎・真菰と一緒に居てくれて泣いた。本来の彼の姿であろう穏やかで優しげな表情だったのにも泣いた。彼は元々ああいう 押しの弱そうな、弱気そうな弟気質の男の子だったんだよな…彼の少年時代と大人の姿の顔つきの差を見てると 「千と千尋の神隠し」で釜爺がハクについて言った「目つきばかりだんだんキツくなって」という言葉を思い出す。キツい目つきになっていく道しかなかったし、強くならざるを得なかったんだよな。最終局面で「水柱として恥じぬ戦いを!」と心の中で言っていたのもジーンとしてしまった。こうして自分をある程度認められるようになるまで一体どんな自責と後悔の泥沼の中を踠き苦しみながら這い回ってきたというんだ…そんな最終局面でも たまに本来の「少し弱々しく情けない表情」をするのが凄く良かった、素が出てる感じで。そういえば 彼の剣技が「流麗」と評されているの、イメージ通りでメチャときめきました。

・煉獄杏寿郎
フルネームを打ってみて「なんて本人にぴったりな名前なんだ」と感動したことがあるのを思い出した。堂々としながらも品の良さが香るような。彼も一番好きなキャラの1人で、8巻は一番読み返してる そういう人多いだろうけど。やっぱり一番好きなお話は無限列車だな〜〜映画楽しみすぎですね。彼の好きなところは一言で言うと生き様なんだけど、もう言葉が追いつかないなぁ…一番好きな場面は人間の儚さ美しさを切々と語るところですね。ああいう 一見根明そう!脳筋そう!な人に 落ち着いたトーンであんな話をされたらもう好きになっちゃうわ。あといろんな場面で見受けられる指揮力・指導力の高さも好き。格好いい上官ですね。「集中」も「待機命令!」も大好き!そして 魘夢の夢の描写がとても印象的でした。棘みたいな悲しみが心に刺さったまま それでも前を向いて進んで行く人なんだなというのが分かる。他人を否定しないところも凄く好きだな〜 千寿郎くんのことも槇寿郎さんのことも…猗窩座に対してすら「君とは価値観が違う」だもんな。お前は間違っている!とは言わないんだよな。人格者ぶりが出ているなと感じます。
炭治郎が彼に影響されながら生きていくという描写が何度も出てくるの、物凄く良かった。外伝めちゃめちゃ楽しみ。

・時透無一郎
彼もまた一番好きなキャラクターの一人。弱いのよねこういう「早熟の天才」とか「歳や見た目の割に腹も肝も据わってる」とか「自頭が良い」とかそういうの。刀鍛冶の里編は無限列車の次に好きな話で 14巻もめちゃめちゃ読み返してる。物凄く映像で見たいのでどうにかこうにかまたアニメ化しないかな。霞の呼吸や 要所要所でのイチョウが舞う演出や 彼の記憶がハッキリしてくるシーンなどがどう映像化するか勝手に色々妄想してる…
20巻が壮絶だったし多分次がもっと壮絶だけど(※この部分は経緯は知ってるけどまだちゃんと読めていない)、辛くとも早く見たいな。しっかり見届けたい。(ハンカチをスタンバりながら

・胡蝶しのぶ
正直ここまでキーパーソンになるとは思ってなかったなぁ死してなお。冨岡にも言えるけど、先んじて登場していた柱2人が実際かなりの重要人物だった感。こういうところも上手いな〜
本来のキツめでキビキビした性格と、カナエさん死後のあの雰囲気、凄く段差があるように見えてちゃんと地続きであるというのが 童磨戦のモノローグとかで感じられて巧みだな〜と思いました。母性溢れる微笑みが心に刺さるシーンが何度もあった。あと アニメでのしのぶちゃんのテーマ曲(蝶ノ舞〜戯れ)が強く切なく美しくてとても好きで、漫画での 天国で花びらが散る中家族に再会するあのシーンもとても好きなんだけど、映像化したらあのシーンにあの曲のメロディーが重なるのかもと思うともうそれだけで涙腺をやられてしまう。。

・不死川実弥
後半一気に大好きになったキャラクターでしたね。キメ学の世界線だったらガチ恋してるわ…あと204話のあれはずるい
彼も冨岡同様「なにもここまでしなくても(涙)」となったキャラクターですね。(21巻で泣かされるんだろうな…)もしかしたら生き残るほうが地獄の苦しみかもしれないこの2人が生き残るというのがまたなんとも。。でも最後微笑み合う仲になってよかった。彼も戦いが終わると憑き物が落ちたように穏やかな顔になりましたね。あれが本来の顔つきなんだろうな… 生死の狭間の描写も凄く良かったな、両親とのやりとり。あの父親の行動の真意はわからないけど、なんにせよ「憎い父親に追い返された結果、奇しくも生き残ってしまった」んだな。生きることを強いられたんだな実弥は…むごいとも奇跡的とも取れるこの複雑さ、いいな。生きるとはそう単純なものではないんだな。
兎にも角にも小説版で彼の話が読めるの凄く楽しみ。

・継国縁壱
格好良かったですね彼は!あの継国家の双子のどうしようもない人間くさい蟠り、大好きですね…(オタクはみんなああいう拗れが大好きなはずだ) 神に特別に作られた超人的な身体に ごくごく普通の人間の精神が備わっている感じが良い。望むものは小さな些細な幸せなのに、どうしても波乱の人生を免れなかった感じが切ないですね。お兄ちゃんと遊びたかっただけなのにね。妻と子供と細やかに暮らして生きたかっただけなのにね…美しい夕暮れ空の下ですみれを抱き上げるシーンは号泣してしまった。
それでもなお「この世界は美しい」と思う彼の感覚が大好きですね。圧倒的に穏やかで繊細なんだろうな…なんだか炭十郎さんにも似た感想を抱いていたけど、大いなる流れに身を任せて 至極自然に人間として生きて死んでいった人という印象。結局(無惨のように)いくら自然の摂理に逆らったところで、そういう人には絶対に敵わないんじゃないかなと思いますね。試合には勝てても勝負では勝てないというか、初めから土俵が違うというか。精神的に最初から負けているみたいな。

・鬼舞辻無惨
清々しいまでにブレない悪役でしたね。徹底ぶりがすごかったなぁ。悪役としてはかなり好き。あと美しいんだ顔が!おしゃれだしね!でもその他は全部嫌い!!そういうボスキャラだった。
あそこまであの性格を貫いてたので 最後の最後に改心なんてしたら逆にガッカリしちゃうな〜と思っていたら 見事な徹底ぶりで大喜び(ドン引き)でした。「思いは受け継がれる」に感動して涙したのはおそらく本心だろうというのがもう如何しようも無さを決定づけているな…あろうことかあのタイミングでおそらく初めて「炭治郎」と親しみを込めて呼びかけたりとか、最後は縋り付いたりとか、もう本当に詮方無いですね。主人公に「お前は存在してはいけない」とまで言われるだけあるわ…
生まれた時からずっと死の淵ギリギリのところにいたというのは なんだか皮肉が効いている感じで良かったし、太陽をあそこまで恐れるわけだね…でもな〜 貴族の生まれで不自由はなかったろうし、天寿は短くとももっと別の生き方がいくらでもあったはずなんだこの男は。やっぱりそれを無理やり 他人を踏みにじってまでして捻じ曲げようとした時点でもう彼が鬼殺隊に勝ち続けることはきっと無理だったんだな…。みんなの思いが脈々と命を繋いでいる現代において、千年も生きたはずのこの男の存在感は塵一つもないよ。


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