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Ink,Mountains and Mysteryを語りたい(「両儀」編)

Twitterでバズってる呟きで知ったスマホゲームの「Ink,Mountains and Mystery」にめちゃめちゃはまってしまいました。こういう 絵画が動いた!みたいな映像はいつでも求めてて、「THEそれ」みたいなものに久々に出会えました嬉しい。iPhone勢は今すぐやってくれ〜〜

【「Ink,Mountains and Mystery」はこんなゲーム】

画僧である青年「一修」が不思議な少年「墨言」と共に、絵師「妙山」の絵画の中を旅して絵の道を極めてゆく…みたいなストーリーです。まず“絵の中に入って”の時点で「ハイこれは好きなやつ」と思いましたロマンが過ぎるぜ…。集めたアイテムや出会った登場人物についてのバックストーリーが見られる機能があり、これを読み進めると物語がより深く分かってくるのですが、ここで私は沼を深めてしまったのでした。とりあえず今一番好きなお話、第三章の「両儀」についてベラベラ喋らせて!!!


【第三章「両儀」のあらすじ】

散らばってた設定文をどーにかまとめてみました(長い)。だいたいあってるはず。せっかくなので読んでみてほしい。

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神獣の「夫諸」と女仙の「女魃」は人間たちの戦いに加わったため天界を追放され、地上に堕とされた。2人は己の強大な力を制御できず、夫諸は行く先々で水害を、女魃は旱魃をもたらしてしまう。人々に疎まれそれぞれに転々としていたが、やがて長く落ち着ける地を見つける。それは世にも珍しい陰陽が交わる聖地で、鯢仙(神になったオオサンショウウオ)が守っていた。
夫諸は笛が上手く、女魃は歌と踊りに長けていた。2人は音楽を通して意気投合し、互いの逆境を慰め合い、無二の友になった。しかし2人が親しくするごとに互いの強大な力は食い違い、穏やかだった聖地の陰陽を乱し大地は荒れ果ててしまう。
ある日夫諸に天罰が下る。雷が落ち、彼の角が片方折れてしまった。鯢仙はこのままでは世間にこのような災いが齎され続けると女魃を説得する。善良な女魃は 人々のため夫諸のため、涙を飲んで夫諸から距離を置くようになる。女魃に失望した夫諸は彼女を待ち続けたが、やがて自分の持つ笛を彼女の眠る木の前に残して去る。女魃が笛を手に再び彼の元を訪れるのに賭けたのだった。
二人はこうして会わなくなって久しいがそれでも天災は収まらない。二人の距離の置き方が十分ではなかったのだ。地位が低いため2人を諌められない鯢仙は 耐え続けたがもう限界だった。そんな折、一修と墨言(主人公たち)が現れたのである。
鯢仙は折れた夫諸の角を女魃に届けるように一修・墨言に頼む。届けられた角を見た女魃は鯢仙の考えを察し、悲しみにくれながら舞を舞う。そして一修・墨言に 夫諸の笛を彼の元に戻すように託す。
夫諸は一修・墨言が持って来た自分の笛を見て全てを悟る。女魃自らが笛を持ってこなかったということは、この地と人々の平穏のためにこの先も永遠に夫諸に会わない決断をしたということだった。夫諸は最後に一度だけと笛を吹き、女魃はそれに応えるようにもう一度舞った。すると大地が動いて緑が蘇り、二人の友情を犠牲にこの地は今度こそ平穏を取り戻したのだった。この先、女魃は孤独と自責の念に駆られならがら生き続けるだろう。夫諸はこの世界への怒りを深めながら もう二度と吹くことがないであろう笛を自ら折ってしまった。

はい。プレイ自体は一修・墨言が現れたところからなので、壮大な前段階は後から知ることになるんですが…ねえ切なくないですか!??!私はこれを寝る前に読んでウアーっとなって眠れなくなってしまいました。

【ここが好き①:中国神話に基づいている】

夫諸と女魃が関わった人間の戦いは「涿鹿の戦い」と言って、中国神話にある有名なお話らしい。確かにwikiの関連記事には 人間だけでなく魑魅魍魎も巻き込んだ戦いだったことが書かれています。しっかりした元ネタがあると物語が厚みを増す気がしてすごく好き!!因みにこの戦いにおいて、夫諸と女魃は立ち位置的には敵同士だったんだよ…。

【ここが好き②:夫諸のビジュアルがめっちゃ好き】

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夫諸は白い雄鹿の姿をした神獣とのことなのですが、ゲーム内で主人公が会う時は人の形をとっています。これが、めっっちゃ神々しい美青年なんですね…大好き…(ミーハー) 突然知らない人間たち(主人公たち)に眠りを妨げられたりそもそも女魃に失望している最中なので ずっと険しい表情で苛立ったような口調ですが、本来の性格はおっとりおだやかだそうです。おっとりだって!!すき!!女魃ちゃんは女魃ちゃんでスーパー美女でアップの描写でホア〜!!となります。あとどこまでもどこまでも善良で、うぅ…女魃ちゃん…

【ここが好き③:二人の絆は恋愛でなく、友情】

この設定が個人的にはめっちゃ好きだったんです。男女の仲じゃないんよ、友情なのよ!!なんだかこの話においてはその方が 離れがたいと思う気持ちがより切実さを増す気がするというか…おつらい。

【ここが好き④:旅の終わりの一修・墨言の表情】

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一番初めお話を理解しきれないままプレイした時、一番不思議だったのがこれ。演出的に 最後聖地に平穏が戻るのはハッピーエンドだったし、めでたしめでたし!てな空気だったんだけど、一修・墨言は浮かない表情なんです。
お話を理解したあとだと自然とわかるのですが「世の平穏のために 2人の仙人の友情が犠牲になった」ことを知った表情があれだったんです。しかも、二人の気持ちは食い違ってるんだそうです。曰く、一修は「世の平穏のためならば個人の友情の犠牲はやむを得ない」、墨言は「世の平穏のために2人の友情を引き裂いたのは間違っていたのではないのか」だったんです。それを踏まえると 一修は切なく諦めたような顔をしているし、墨言は悲しく納得のいかない顔をしてる…ような気がしてくる!この差があり、しかし二人とも確実にここで精神的に成長をしてるの、とても良い…じーん
因みに 妙山先生はこの結末について「もたらされた世の平穏は 友情の犠牲に見合うものだったのだろうか?いつも自問している」と書き綴っています。これもまた良い…じーん


という感じで「両儀」への思いの丈を盛大にひとりごちりました…。今書きながらもう一回プレイしてたけど音楽がまた 美しく切なくて良いんですね。好きだな〜〜〜(涙)!!他の章も全部好きなのですが まだ未回収のアイテムがあったり理解しきれていないポイントがたくさんあるので引き続きモグモグしたいと思います。

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