安房地域医療センター総合診療科での3ヶ月 (2024年2-4月)

安房地域医療センターでの総合診療科ローテーションの振り返り

 2024年2月から4月にかけて、安房地域医療センターの総合診療科でローテーションを行いました。初期研修医の時からこの病院で過ごし、病棟管理を任されるのは研修期間中これが最後と考えると感慨深いものがあります。明らかに僕にとってのHome Hospital です。ありがとうございました。
 今までnoteの振り返りは1人で行っていましたが、今回はChatGPT4oに問われ、答え、また問われ、と、振り返りを手伝ってもらったら意外と良かったです。GPT4oとの対話のまとめて共有します。

こんな感じで始まっていきました。
答えると、さらに追加の質問がでてきます。

★多彩な症例と学び

感染症
 感染症の症例が多く、特に肺炎、尿路感染症、皮膚軟部組織感染症が主でした。細菌性髄膜炎の患者ではショック状態に陥り、最終的には救命できませんでしたが、その緊急対応の経験は非常に印象深かったです。また、壊死性筋膜炎の患者を高次医療機関に迅速に転送し、救命することができたのも貴重な経験でした。抗菌薬の選択においては、世界標準に合わせて、アンチバイオグラム・地域の耐性菌出現率・グラム染色結果または予想される細菌・患者の状態・標的臓器からできるだけNarrowに攻めることを心がけ治療を行っていきました。感染症専門医の先生からもフィードバックをいただきながら使い分けていくことは大きな学びでした。

脳血管疾患
 脳血管疾患の患者さんについては、幸いにも軽微な後遺症で済んでいる方が多く、リハビリテーションにおいても大きな苦労はありませんでした。この経験を通じて、早期の介入と適切なフォローアップの重要性を再認識しました。

心不全の患者
 心不全の患者さんの管理は非常に難しく、特に体液バランスの維持や感染症との戦いが大変でした。何度も入退院を繰り返した患者さんが最終的に亡くなった際は、心不全の管理の複雑さと厳しさを痛感しました。

血液疾患
 一見よくわからない貧血の症例が、実は血液疾患によるものであったこともありました。造血能を調べていく過程で、多発性骨髄腫が疑われ、外来での検査により確定診断に至りました。この経験から、貧血の原因を探る際の包括的なアプローチの重要性を学びました。

終末期の悪性腫瘍患者
 終末期の悪性腫瘍患者さんとの関わりでは、特に患者さんとご家族との話し合いが難しい場面が多くありました。患者さんは自宅で最期を迎えたいと望む一方で、家族がそれに反対するケースもありました。一方、最初は無理だと思っていても、家族のサポートを続けることで最終的には在宅診療を導入し、患者さんの希望を叶えることができた経験は、医師として大きなやりがいを感じました。

摂食障害の患者とのコミュニケーション
 摂食障害の患者さんとのコミュニケーションは非常に難しく、少しのミスでも信頼を失うことがありました。この患者さんに対しては、病院全体でどのように対応するか、治療のゴールを明確にすることが難しく、多職種のスタッフとともにカンファレンスを開き、共有と連携を図ることの重要性を学びました。

★診療スキルの向上

今回のローテーションで最も上達したと思うのは、インフォームド・コンセント(IC)が挙げられます。患者さんやそのご家族に対して病状や治療方針を説明し、理解と同意を得るプロセスは非常に重要ですが、同時に非常に難しいものでした。

がんの告知、終末期のケア、移行期ケア、複雑困難事例への対応、Difficult patientへの対応など、様々な部分で医師としての姿勢が問われる状況がありました。入念に準備を行い、患者さん・家族との関係性を構築し、他職種と共同し、IC中の空気を敏感に感じ取って進めることが試されており、スキルアップができたと思います。

病院から在宅医療に移行する際に必要なケアについても、具体的なイメージがつかめるようになりました。患者さんが自宅で安心して過ごせるようにするためには、医療チーム全体での連携が欠かせません。訪問看護師や介護スタッフとのコミュニケーションを密にし、必要な医療機器や薬剤の手配、生活環境の整備など、多岐にわたる準備が必要で、そのために僕らが動くタイミングにも注意が必要でした。

★多職種連携の重要性

 摂食障害を抱えた複雑困難事例における多職種カンファレンスは、医療倫理の4分割表を用いて患者を取り巻く状況を整理し、他職種が持つ情報を補い合う場として機能しました。全てが混沌としていた中で、一つの方向性を決めることができるようになり、ストレスが溜まりつつあった病棟全体の雰囲気も変えられたと思います。また、全員の結束力も強くなりました。

 他職種との良好な関係を築けたことで、職場の雰囲気も和らぎ、心理的安全性を保って働くことができました。一個ずつこのような経験を重ねていき、少しのことでも相談しやすい顔の見える関係が築け、互いにサポートし合う文化ができてくると思います。

 360°評価では高い評価をいただき、一緒に働きたいと思ってくれる方々が多かったことは、自分にとって大きな励みとなりました。この評価を通じて、自分の強みとして、他職種との連携やコミュニケーション能力が評価されていることを実感しました。同時に、さらに改善すべき点として、より迅速な意思決定や、より広範な知識の習得の必要性も感じました。

★自己評価とフィードバック

 今回の経験を通じて最も成長したと感じるのは、未分化で不確実、複雑困難な事例にどのように向き合うか、そして他職種とどのように連携するかという点です。これまでは一人で問題を解決しようとする傾向がありましたが、他職種と連携することでより多角的なアプローチが可能となり、最適なケアを提供することができました。

 終末期のケアにおいては、患者さんと向き合い続けることの重要性と難しさを実感しました。特に、家族との調整にそれを感じました。患者さんの家族との良好な関係を築き、コミュニケーションをとることで、最善の最期を迎えられるように調整することは重要だが難しく、やりがいを感じる部分でした。自身の正義や価値観とむきあうことにもなりましたし、メンタリティも変化し、より深い人間理解と共感の重要性を学びました。

★将来のキャリアに向けて

 診療所コースで働いていますが、病棟でのチーム医療も自分にとって非常に楽しく、やりがいのある仕事であることを再認識した気がします。また、病気そのものを学ぶことの楽しさを改めて実感しました。


GPT4oと対話を重ねることで、結構スムーズに頭の整理ができたと思います。ぼーっと1人で考えるよりもよかったです。ここまでまとめてから指導医の先生との振り返りを行うと、より素晴らしいものになるかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?