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稽古考17

■ 2002/12/11   「礼について」考 その2

稽古が始まってから道場にくる(要するに遅刻)。10年程前、三松禅寺に稽古に来ていたアメリカ人の道場生がいました。現在は、アメリカで師範から道場を任されインストラクターになっています。彼は遅れて道場に来た場合、必ず道場長の許可が出るまで、畳には上がらず、道場の敷居の外で正座を崩しませんでした。恐らく、彼のアメリカの道場はそうであったのでしょう。

私達が彼から学んだ事のひとつです。稽古が始まっていれば、指導者が合図するまでは道場に入らず、「待つ」の姿勢は、武道にとって必要な「礼」ではないでしょうか。一般社会でも、会社に遅刻して出勤した場合、挨拶もなしに仕事場に入って行けるだろうか。勿論、許可が必要な訳ではないが。

余談ですが、彼が何年かぶりに来日、昨年三松禅寺道場に稽古に来ました。道場長が「君はアメリカでインストラクターになったんだから・・・・」と言っても、「私はここでは以前と同じ三松禅寺道場の練習生です」。とキッパリ。 「礼」ではないが、謙虚(謙譲)は我々以上に日本的。


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