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稽古考21

■ 2003/05/31    「天行」考

「天行」を長い間「天仰」だと思っていた。正しく天を仰ぐ様から、「天仰」だと、数年前に道場長に確認するまでは、そうだと思いこんでいた。

三松禅寺道場。 田中利明道場長は10年前道場長に就任してからも、長い間「天行」を稽古の始めに行っていた。最近は、これをすることが少なくなっている。が、三松禅寺道場は長くこれを実践してきた数少ない道場のひとつであろう。恐らく「天行」を行っている道場は少ないのでは。大阪では住吉道場がいまも続けているように思う。

元々合気会にこれはなく、大阪合気会故田中万川先生が始めたものだと聞いている。18年程前から、稽古の始めに行ってきたもので、呼吸法の一環、呼吸技の稽古法だと私は認識している。

自らが先に動き、呼吸はずっと吐き続け、最後に「あぁ~」と言う気合で残りの息を吐き終わる。交差取り入身投げに近い「型」だが、転換が多く、最後は両手が「天にむかう」。天に自らの呼吸を解き放つ。そんなイメージの稽古であった。

呼吸法(技)の稽古法はいろいろあるが、故田中万川先生が提唱した「天行」が、三松禅寺道場で受け継がれ長く稽古されてきた事は、この10年で特筆すべき事のひとつである。


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