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稽古考13

■ 2002/06/22   「上級者稽古」考

何年か稽古を続けてくると型そのものは出来てくる。技もそれなりに形となる。 次の段階に進もう。技全体の流れではなく、技そのものに重点を置いた稽古をやっていると、どうしても相手を極める、投げると言う事に稽古の比重が置かれ、細かなテクニックのみが優先されているように思う。 

例えば、四方投げの稽古。四方投げは、自分の中心軸をしっかり意識し回転しながら、相手と離れず、しかも相手の崩れを維持したまま投げに移る。結構これが難しい。

どうしても相手の腕の下をスルッとくぐり抜けてしまい、相手との腰の距離は大きく離れ、相手の手首を極めあげてしまう。これでは手首の柔な人は投げられても、日頃鍛えている人は投げられない。全ての技に言える事ではあるが、流れを重視する事だ。捌きから入り身へ。それをもう一度吟味し、自らの技を検証すべきだと思う。

もう一つ、天地投げ。これも投げの部分が意識過剰になるのか、上体のみが相手の方へ傾き足、腰、腕の統一した動きが出来ず、ちぐはぐな動作になっている。天地投げは、相手との腰の密着があった上での重心移動がなければ、相手を自在にもってゆけない。投げにばかり気がゆくと、両手を掴みに来る相手を天と地に崩す事すら疎かになる。充分に相手を踏み込ませ、踏み込んで来ない場合は、自らの入り身により天と地に相手を崩す。腰の密着による、捻りを加えた重心移動を行う。この重心移動した腰が相手に深く食い込めば、それだけ投げは鋭いものになる。もう一度基本にたち返り、天地投げの稽古をしたいものだ。

相手の呼吸(意識)を自らの呼吸(拍子)に合わせる。この流れの研鑽は呼吸法の最たるものではないだろうか。  故に、きわめて難しい。


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