稽古考36
■ 2005/01/18 『回転投げ(裏)軸足』 考
狭いから仕方がないとも思う。が、注意は必要だろう。広い所で稽古をしても同じ捌き(癖)が出る。回転投げ(裏)』の軸足である。
崩した受けの後方に踏み込んだ足を軸とし、転換しながら投げる。投げに移る時、この軸足を替える稽古生が多くいる。中心軸を移し、ひどい人になると投げの時(投げにとらわれるあまり)バランスを崩し受けの後方に踏み込んだ軸足を前に出してしまう、いわゆる「押し投げ」である。これでは中心軸が定まらず、自らの回転軸、その外周に受けを導き回転さす事が出来ない。肝要なのは『回転投げ(裏)』なのである。
狭い道場で多人数で稽古する場合、ぶつからないよう、或いは、畳(ウレタンマット)の外側に放り出さないよう気を遣いながら空いている場所に投げる。その際、足の踏み替えをよく行っている。狭い道場では仕方のないことだが、それが習慣となり、捌きとなってしまうと困る。軸足が違っているのである。
確かに表技の時は、軸足が違う。しかし「押し投げ」は、表技ともまた違うのである。回転投げ表技は、始めから軸足が表にあり、裏技のように受けの後方に軸足を進めない。従って、表にある足を軸にして重心を表に展開、しっかり腰(腹)を捻り、相手を回転させ、投げる。
この場合もやはり表に回転させているので、前述の「押し投げ」とは異なる。我々の稽古はもっぱら、中心軸をしっかり保つことに重点を置く、回転投げ(裏)稽古はうってつけだろう。