看板のピン。
もう二十数年前か。初めての社会人経験をした会社(ファミリーランドの店員)で、入って半年で偶々運良く社員旅行の連れてって貰える機会をもらい、人生初の社員旅行が人生初の飛行機で人生初の海外って言う、貴重な経験をさせてもらった。
で、初めての飛行機、しかもおおよそ8時間だったか、これが行きも帰りも、もう恐怖でしかなくて。一睡も出来なかった。
そんな中で、機内でやってた放送で「日航名人会(乗ってたのがJAL)」って言う落語チャンネルがあって、そればっか永遠往復16時間ずっと聴いてたら、一席話の内容を覚えちゃってw
それがタイトルの「看板のピン」。
流石に細かいディティールは忘れてるし、どなたの演目かも覚えてないけど、概要はこんな感じ。違ってたらごめんw
主人公は、仲間とサイコロ博打に興じていたが、賭け金の動きがショボくて面白く無い。そこに親分が現れる。主人公たちは親分に胴元になってくれる様にお願いし、親分はそれを引き受ける。
親分が威勢よくサイコロを振って壺に入れて見せるが、上手く入らず外に1の目を出したサイコロが。親分はそれに気づくそぶりを見せず「さあ幾らでも張ってこい、壺ん中の賽の目で勝負だ!歳をとってもお前らには負けん」的な威勢。
主人公達は「モウロクはするもんじゃねぇな」と言わんばかりに1の目にお金をかける。
「全員出揃ったな?」と親分が言ったところで、
「そんじゃぁ、この<ピン>は引っ込めるとして」とおもむろに壺に入らなかった1の目のサイコロを取り上げる。主人公達が「えぇぇえ!!」ってなると、
「こいつは<看板のピン>だ。言ったろ?壺の中の賽の目で勝負だと。ついでに言えば、俺の見立てじゃ中の賽の目は<グ(5)>だ。」
と言って壺を開けると親分の言う通り賽の目は「5」だった。主人公達は親分に有り金巻き上げられる。
親分は「博打ってのはどんな汚い手を使ってくるかわからん、こう言う事もあるもんだ」的な話をし、一旦は巻き上げた金を全部返して、「これに懲りて博打なんてやめるんだな」と言いその場を去る。
で、「格好いい!」ってのと「なるほどぉ!」ってなって主人公が同じ様な事をやろうとしてすったもんだするって言うお話なんだけど、
なんか最近、世間の色んな出来事を見てると、もしかしてそれ、「看板のピン」なんじゃないの、、?
的な感じに思う事が割とあって、無闇に目先の事に囚われない様に注意しないとなーっとか、
看板のピンも、中のグも、全部親分が操作して出せる目だったとしたらこえぇなぁっとか、まあイカサマ出来るくらいだから賽の目の操作くらい操作もない事なんだろなぁとか、
思ったり、思わなかったりします。
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