見出し画像

そのままやるにはあれなインセプションデッキのすきなところ

この記事はインセプションデッキ Advent Calendar 2019の3日目の記事です。

インセプションデッキって

インセプションデッキは、10のタフな質問をチームで受け止め合うやつですね。それぞれが意見を出し合って手探りで無から形にしていく最初の取組みになることが多いのかなと思います。

はじまりの問い

インセプションデッキの最初の問いは「我々はなぜここにいるのか」

私、当日インセプションデッキやるとして、場づくりやらアイスブレイクやら放っておいて、いきなり始めちゃうのがすきです。なぜか?それはこの問いの重さがもたらす空気の変わりよう。

状況によっては「え?仕事だからじゃないの?」「アサインされただけだし」「そんなこといいから要件なに?」みたいな心の声が聞こえてきそうですが、このときのピリッとした瞬間は良いものです。

とはいえ、まあそれでも皆さん大人なので中断やハイジャックにあうことはなく、話には入れます。すくなくともその場がつくれてる時点でチームでプロダクトに向き合おうとする意思は共有出来てるわけですしね。

ハートに火をつけろ

議論の流れとしては発散→収束みたいなイメージを持っているとよいと思いますが、まず発散させるためには発火が必要です。

なので、最初は発火のために多少の介入をする必要があって、たとえば、自分がその場にチームとして入っている場合なら、先手を打って自分の私的な思い入れを強めにしてでもここにいる意味を大げさに話します。広がりと奥行きで表すとしたら広がりの範囲を大きめに示す感じです。

そうすると、「あ、ここってそういう話をする場なんだ」「してもいいんだ」というのが伝わって、その後の議論がしやすくなります(と思ってます)

ある意味、ここで狙ってるのは返報性の原理みたいなものです。ぶっちゃけるとぶっちゃけられやすいというあれです。

ひとつ制約があるとしたら、最初に自分の想いを語る形となるので、「何を」だったり「誰と」だったりで自分がそれを語れるような状況にないと難しいですね。要はだいぶ限られます。

とはいえ、若い方が多いチームだとこういった介入すらいらないこともままあります(あくまで経験的にですが)

いい感じの火加減に

あとは想いを言える感が醸す非日常さが持続するよう、あるいは熱が下がるようなら、ときおり自分の発言で調整します。

それでも自分が話してばかりは良くないので(だってこれはチームの会話なのだ)、発言量はつねにバランスをみる必要があります。イメージは連打しないとゲージが減っていくようなシステムのゲームで1-2割をキープする感じです。

そうした結果、みんなの発言(意思かな)が混ざって境界がわからない形でチームのステートメントが出来上がると、いい感じのできあがりです。

チームビルディングとしてのインセプションデッキ

と、書いてておもいましたが、自分は良くも悪くもプロダクトの方向づけとしてのインセプションデッキというよりもチームビルディングとしてのインセプションデッキに重心をおいてるのかもしれないなと思いました。

最初にやるのはエレベーターピッチ、パッケージデザイン(のコピー)、やらないことリストまでが多く、ここまでやるとおおよそチームのカラーが浮かび上がります。議論の流れもそうだけど、言葉の選び方とかかな。

やらないことリストは意識的にガイドしないとプロダクトのスコープとしてのやらないこと以外にもチームの活動のスタンスとしてのやらないことが出やすいです。で、今はそれでいいと思ってます。そういう意味でも、チーム寄り。

インセプションデッキって、最初の共通体験にもなるし、いろんな側面があってあらためて良いプラクティスですね。たいへんだけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?