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「瑞希の笑顔は私だけが知っている」ネタバレ解説

こんにちは。むそしると申します。
先日ISF10で頒布させて頂いた新刊、「瑞希の笑顔は私だけが知っている」についての
こだわりやら解説をまとめてみました。
ネタバレ、裏話などを含みますので、読了した方のみどうぞ。


はじめに


まずは!読んでいただき本当にありがとうございました!
今まで振られ本は2冊出してきたのですが、
「もっとパワーアップしたストーリー漫画で、尚且つボリュームのある内容量で出したい〜〜〜!!!」
というふわっとした気持ちでスタートしました。
プロット(お話を文章で書き出す工程)がかなり難産で、そこで2ヶ月程かかってしまい、スケジュールが押しに押しました。
そこに転職と引っ越しが重なり、地獄!
間違いなく今までで一番地獄のスケジュール進行だったので、本当に完成まで持っていけて良かったです…。



テーマについて


実は最初この本は2冊セットで出す予定でした。
というのも、モブ女同級生(瑞希の笑顔は"私"だけが知っている)とモブ男同級生(瑞希の笑顔は"僕"だけが知っている)がそれぞれ主人公の本を1冊ずつ出したいな〜とふんわり考えていました。ポケッ◯モンスター 赤/緑 的な…。
それはスケジュール的にお蔵入りになったので、将来的にもう一冊出せたらいいなとは思っています。いつか。

で、1冊でいくとほぼ決めた上でテーマをどうしようとなったわけですが、
う〜〜〜〜ん…………

よし!!!アイドルと自分は絶対に釣り合わない!!!!!!!
絶対に手が届くことのない遠い存在であることを再度自覚&突きつける本にしよう!!!!!

えっ…最悪…???

ゲーム内のプロデューサーが、"アイドルから無償の愛を注がれているにもかかわらず、それを当たり前に享受している"という状況に本ッ当に腹が立っていたんですよね。
そこで私は問いかけたいです!!!!!!

我々(ユーザー)も果たして彼女たちにふさわしいのか?!?!?!
彼女たちの人生に対して最後まで責任の取れる人間なのか?!?!??!!?

そういうテーマに決定しました。
今回も読者の方々の脳を破壊していきます。



トラウマから同人誌を作るということ


そもそもなんでお前は一貫して振られ本なんか作ってんの?と疑問に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
それは、

過去の恋愛経験からくるトラウマを元にしてるからです!!!!!!!!!

ドン引きしないで!!!!
超自分語りになるのですが、私は学生時代「私が大好きな人は、大抵私のことを好きではない」という状況によくなっていて、それを拗らせて全身血だらけ(たとえです)になるレベルの大怪我をしたことが1回あります。
それから随分経って、瑞希ちゃんに出会い彼女のことが大好きになったわけですが、「瑞希ちゃんは私のことを好きじゃなくても、私は大好きだよ♡」という拗れた感情が爆誕しました!!!!
制作中は「ゆえに…なんです」を聴いて、「瑞希ちゃんにこんなに愛される人間が世界のどこかにいるんだ…」と涙を流していました。
手首を切り刻んで、そこから出た血で漫画を描いているイメージですね。
なにやってんの?



表紙のデザインと装丁


表紙ラフ


表紙と裏表紙

私は表紙が先にないとやる気が出ないタイプなので、最初に着手しました。
幸せな結婚をして、人生で一番美しい姿でこちらに微笑む瑞希ちゃん、これは絶対に揺らがないぞ!とラフの時点でほぼ固まっていました。
そしてオタクが大好きな花言葉です。
瑞希ちゃんが両手で抱えている、そして裏表紙の白い百合の花、花言葉は「純潔」です。純潔って…どういうことなんだろうね…。

帯っぽいものに書かれている、「私はあの子の"特別になりたかった」は、
この本で一二を争う象徴的な台詞なので、ここで引き込まれてほしいな、と入れてみました。

表紙はホロPPで華やかな印象にし、表紙裏はマットシルバーにすることで、結婚式をイメージしました。
それに対し遊び紙が真っ黒なのは、モブちゃんの人生を表現しました。
装丁を凝ったのは初めてだったので、本のイメージに沿った加工をするのはとても楽しかったし、満足のいくものになりました。



本編

モブ同級生女ちゃんについて


この本の主人公です。

初登場シーン

おい!!!どないな美少女やねん!!!といった感じですが、これには理由があります。
モブちゃんはとっても可愛いので、きっと男性から言い寄られることもあったでしょう。
普通にお付き合いをして、普通に結婚をして、普通に幸せな家庭を作る、そんな未来もあったかもしれない。
それでも瑞希ちゃんのことを好きになってしまった。彼女以外はただの石ころ程度にしか見えなくなってしまうくらい盲目的になってしまった。
という部分を感じ取っていただきたくて、このようなキャラ設定にしました。
ロングヘアーにしたのは、瑞希ちゃんと対照的な見た目にしたかったからです。
高校時代はモブちゃんがロング、瑞希ちゃんがショートなのに対し、卒業後は逆の髪型になっています。
髪型でも、二人の人生が交わらないことを表現してみました。

二人の対照的な髪型


感情の動き



冒頭の一目惚れシーン

モブちゃんの感情の動きは一番こだわった部分です。
冒頭の一目惚れは、モブちゃんの目から光が溢れて、それほど衝撃の出会いだった…という演出をしてみました。
目は口ほどになんとやら、なので、一冊の中で喜びや絶望を目で表現できたら…!と頑張っています。

そして、これから始まる高校生活が希望に満ち溢れているように、桜の花びらで華やかな仕上げにしています。
冒頭から中盤にかけては明るい画面作りを心がけ、後半はドロドロと黒い画面にすることで、読者の方がモブちゃんの心を垣間見ている気持ちになっていただけたらなぁという狙いで制作しました。

ドロドロとした黒い感情を溜めに溜め込んで、最終的に綺麗な言葉を吐きながらその感情を爆発させる。

これがやりたかった〜〜〜〜!!!
思ってもいない台詞を吐くモブ〜〜〜!!!!

人間って本音と建前が合致しなくても言葉を発せられるからすごいよね…。
そして、一番最後の台詞に繋がっていきます。
もう他の人のものになってしまった大好きな彼女、何も残らなかった自分への絶望。
破滅ですね!


総括


結局は言葉は永遠とは限らないし、どんなに恋焦がれても彼女には手は届かない。
彼女への気持ちが自分への呪いとなってしまった。
そういうオチなのですが、めちゃくちゃ胸糞の悪い仕上がりとなりました!(最悪)

彼女たちはもちろんゲームのキャラクターです。
でもそんな彼女たちだって、自分の意志があり、人生があります。
それを感じ取っていただけたら、私は本当に嬉しいです。

冒頭でも書きましたが、とにかく読者の皆さんの脳を破壊したく制作しました!!!
ちょこっとでもいいので、Twitterで感想を頂けたら飛び跳ねるほど喜びます!!!よろしくお願いします!!!!!

むそしるのtwitterアカウント

こんな長文を読んでくださってありがとうございます!
真壁瑞希さんは最高だ!!!!

むそしる


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