学びのコミュニティは、なぜ衰退するのか? ~あるワークショップに参加して

今日は、数週間前に参加したワークショップについて書こうと思う。(そのコミュニティには多くの友人や知り合いがいる。彼らへの敬意を持ちつつ、あえて言わせてもらう)

そのワークショップは、自分のようなHR(人材開発)系のコンサルや、OD(組織開発)系のコンサルならば、絶対に知っているコミュニティ。そこの中部支部の有志が運営したワークショップに参加した。

仮にそのコミュニティをFとしておこう。

そのワークショップは、11月の土曜日、名古屋郊外のお洒落な大学キャンパスで開催された。午前中は名古屋ではODで有名な大学の教員、午後は場所を変えてFの有志がファシリテーターを務めた。

まず、このようなワークショップを開催したことに感謝したい。中部支部として、多くの人に対して、学びを提供しようとした意欲にも深い敬意を払いたい。

しかし・・・

結論から言うと、そのワークショップが本当に酷かった。。。当然ワークショップの設計はFのコミュニティのメンバーだろうが、「おいおい、君たち○○の団体なんでしょう?それは無いんでないの?」レベルの酷さだった。

・午前のワークは、まずはワーク(個人の意見を出して、グループで振り返り)その後に、その教員の大学の十八番の解説。ただ、時間が短いうえに、個人の発表を次々しただけなので、「その発表の間に、グループで何が起きましたか?」って言われても・・・・(愛知の皆さん、権威ある大学の人だからって、絶対服従しなくていいんですよ~)

・午後は、短いセッションごとに、ファシリテーターが意味なく交代し続ける。午後の時間で3人か4人は変わった。。。

・(そのワークショップのテーマに関する)自分の課題をA4に書いて、その内容が近い者同士でグループづくり、場所狭いし、人数多いし、テーマの幅が広すぎて近い人が見つからないww

・さらに、ワークの意味や意図がわからない。参加者の中には「何をすればいいんですか?今」状態の人多数。しかも質問したら、「どっちでもいいですよ」と。(いいのかよ?本当に、、、)。他の人にも聞いたら「○○に焦点をあてて考えて下さい」と。(おいおい( ゚Д゚)、どっちやねん)

・ワークとワークのつなぎがよくわからない。研修でもよくありがちだけど、接続詞がよくわからない。

・ワークが多すぎて、1つのワークあたりの時間が短い。15分ぐらいでテーマ決めて、みんなの前で寸劇出来る状態に、、、、出来るかっ(笑)

・途中、ファシリテーターの人達が運営を巡って、内輪で相談をし始める(笑)その時、受講者の間で、微妙な空気が流れる。。。

実は、自分は東京で仕事あって、終了1時間半前に退出したんだけど、東京に用事無くても、逃げ出したいぐらいの酷さだった。(一応言っておくけど、その後の事は知り合いから聞いたんだけど、予想通りの展開)

よくある痛~い、、素人ワークショップ(+_+)、、、

正直、人間失敗はある。当たり前だが、自分にも多くの失敗がある。ただ、今回は酷過ぎる。よく考え抜いて開催したとは到底思えない。

ワークショップに参加した5時間で、「F、終わったな、、、」と心の底から思った。関係者の友達がいっぱいいるんだけど、近年退出者が続出しているとのこと。

ワークのことは(どうでもよくないが、)どうでもいい。大事なのは、その後だ。

事後にフィードバックされたら、気づく。されないと気付かない。

だけど、(自分も含めて)誰もフィードバックなんてしない。

F(少なくとも中部支部のイベントを見る限り)は完全に「単なる承認欲求得たい人達の集まり」「なんかわかんないけど、意識高くやってますっていう人達の集まり」になっちゃってる気がする(これって、組織の凝集性が、学びのコミュニティなのに、『学び』ではなくなっているってことだな)。そういう人達は楽しそうにやってるからフィードバックしづらいし、求めてない(フィードバックをすると、「攻撃してきた」「じゃあ、お前がやってみろ」「嫌なら参加するなよ」「嫌なら辞めれば(会員は辞めてる、3年前に)」とか低レベルの反論がありそう。)。そもそも、僕的にそのコミュニティがどうでもいいと言えばどうでもいいから、言う動機が無いし。

こういうコミュニティで一番ヤバイのは、結局離脱者が黙って(発言せずに)離脱しちゃう、って言う事なのだろう(まあ、これはハーシュマンが元ネタ、詳細に知りたい方は『離脱・発言・忠誠』をお読みになって~)

そのコミュニティで、その質に満足できない人はまず離脱。残った仲良しでワイワイガヤガヤやる(フィードバックが無いから進歩が無い)。そのうち、学習して成熟度が上がって、満足出来なくなった人は離脱していく。

離脱する人が多くなれば多くなるほど、内部で発言する人は少なくなっていく。。

そして、その学びのコミュニティはずるずるとレベルを下げながら衰退していく。

あっ、これは組織も同じか、、、


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