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横並びの距離
横並びに座るのが好き
飲食店ではカウンター、車では助手席、家ではソファなど
言葉に加えて、気持ちをより深く相手に伝えることができる気がする
久しぶりに人と横並びに座った。
前職の数人のメンバーで集まった飲み会で、尊敬する上司の隣だった。
電車都合で遅れての参加だったため席を選ぶことができなかったが、合流すると上司の隣が空けられていた。
嬉しさで舞い上がる気持ちと久々に会う緊張を悟られないように明るく挨拶を交わす。
確かに考えてみるとこういったカジュアルな飲み会で、一番上の立場の人の隣に率先して座るというのはなんとなくハードルが高いような気がするし
後から合流する人の席を空けておくとなると、その席を空席とする気持ちも分かる。
各々隣にいる人との会話が中心となって場が進んでいった。
名前の通り、人をよく見ていてその人に合った仕事や言葉を与え
怖いぐらいに人の気持ちを汲み取る、人間力に溢れた人だった。
数ヶ月ぶりに話をしてもそれは変わらず改めて尊敬する気持ちを実感した。
しっかり見ていてくれ、興味を持ち話を聞いてもらえる。
存在を当たり前に肯定してもらえる安心感を久しぶりに感じることができ
この数ヶ月間のどの時間よりもあたたかい気持ちになった。
交差する視線、微かに伝わる体温、真っ直ぐ響く言葉
袖触れの距離で見上げた上司が笑った
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