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プライマリーバランス黒字化目標という妄想に憑りつかれた財務省

(最終更新日:2022年1月25日)

皆さんこんにちわ、まっきーです!

皆さんはニュースなどで「プライマリーバランス黒字化目標」という言葉を聞いたことがありますか?

この「プライマリーバランス黒字化目標」ですが、実は非常に問題のある目標なんですよね。

なので今回は、財務省が掲げている「プライマリーバランスの黒字化」について話したいと思います!

「プライマリーバランス」とは何か?

プライマリーバランス(以下、PB)とは、税収・税収以外と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いに充てられる費用)を除く歳出との収支の事です。

簡単に言えば、その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけ賄えているかを示す指標です。

つまり、PBを黒字化するとは「歳出を切り詰め税収を増やすこと」を意味します。

日本政府は、この「PBの黒字化」を小泉内閣時代から目標に掲げています。しかしこれは、明確に誤った目標であると私は思います。

では、一体何が問題なのか?一緒に見ていきましょう!

ミクロ視点で国家経済を見ている

まず、マクロ視点をミクロ視点のように捉えている事が問題です。

マクロ経済は「収支のバランス」よりも、国全体として経済活動が円滑に行われているか?が最も重要な視点です。

このプライマリーバランスの黒字化目標のために、国民の経済活動が阻害されるような事が本来あってはならないのです。

しかし実際は「PB黒字化」を達成するために、デフレ下において「増税」をしたり、支出をケチってコロナ禍であるにも関わらず、国民に対して十分な補償をしない、なんてことが起きています。

また、デフレ下において増税を実施すれば、デフレは更に悪化し、結果的に税収は更に減っていきます。

国民を貧困化させてまで、果たしてPB黒字化は必要なのでしょうか?しかも税収が減るのでは、そもそもやる意味がありませんよね。

余談ですが、日本経済がどのように不況に陥っていったのかについては、興味のある方は下記の記事を読んでみてください。

財務省の目的は一体何なのか?

財務省の財政制度等審議会は「平成29年度予算の編成等に関する建議」の中で、次のように述べています。

「財政健全化には一刻の猶予も許されない。政府は2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化」目標にコミットしており、この目標は引き続き遵守されなければならない。」
引用元:財務省HP 平成29年度予算の編成等に関する建議 より抜粋

財政健全化には一刻の猶予も許されない」といった主旨の記載がありますね。そして財政健全化とはPB黒字化を意味します。

これはつまり「このまま放っておいたら財政破綻する!だからPB黒字化は必須なんだぞ!」と、何も知らない国民を脅している訳ですね。

しかし、財務省がその目標を遵守しようとした結果、日本経済は20数年以上にわたるデフレ不況に陥り、我々から所得や豊かさを奪い続けてきました。

国民を豊にする事こそ、本来財務省に求められる役割のはずです。しかし、実際には国民を貧困化させています。

つまり「PB黒字化目標は経済成長の手段として明確な誤りである」という答えは既に出ているはずなんですね。

しかし、国民が何も分からない事をいいことに、上記のような尤もらしい説明をして、彼らは国民を貧困化させてまでPB黒字化を固辞し続けています。

本当に許しがたい行為ですね。

しかし残念ながら、殆どの国民はその事実を知りません。だから私はとにかく1人でも多くの方にこの現状を知って欲しいと思っています。

では、もう少しPB黒字化について深堀していきます。

「経世済民」の意味を忘れた財務省

この「PBの黒字化」は、簡単に言えば国民からの税収(収入)を増やしつつ、国民へ使うお金(支出)は出来るだけ抑える、という経済政策です。

そして「国の借金問題」を言葉巧みに使うことで、それが正しい政策かのように国民に見せかけている訳です。

しかし、先ほども触れたように、デフレ下において必要な支出をせず、増税を繰り返せばデフレが悪化、国民は貧困化し、それにより税収は更に減り続けます。

もしかすると、国民を貧困化することが財務省の目的なのでしょうか?財務省は「経世済民」という言葉を忘れてしまったようですね。

PB黒字化で経済は良くなるのか?

さて、では政府の目標である「プライマリーバランスの黒字化」を達成したとき、日本の経済は一体どうなるのでしょうか?

他国の事例を見れは、その「未来」が見えてきます。

実は、この「プライマリーバランスの黒字化」を見事に達成した国があります。その国とは「アルゼンチン」と「ギリシャ」です。

この国名を聞いてピンときた方は素晴らしいですね。そう、どちらの国も過去にデフォルト(財政破綻)をした国ですね。

では、この2国では一体何が起きていたのでしょうか?

この2か国が財政危機に陥った際、IMF(国債通貨基金)に救済を依頼したところ「プライマリーバランスの黒字化」をIMFから融資の条件として提示されたんですね。

で、2か国とも数年以内に見事にプライマリーバランスの黒字化を達成したのですが、その結果2国とも財政破綻しています。

・・・冗談みたいですが、これ本当の話なんです。

実はこれ、マクロ経済を知っていれば非常に簡単で、ごく当たり前の話なんですよね。

プライマリーバランスの黒字化」とは、政府の借金を減らすために、支出を減らして税収(政府からみれば収入)を増やす事にあります。

皆さん「誰かの支出は誰かの所得」という言葉を思い出して下さい。これ、マクロ経済を知るうえで非常に大事な言葉です。

※忘れた方は以下の記事をお読みくださいね!

政府が支出を減らし収入を増やそうとすれば、反対側で国民の収入や資産が減ります(赤字が増大する)

その結果GDPは減少、政府の税収までもが更に減り、結果として借金が増え続け財政破綻したという訳です。

果たしてIMFは何がしたかったのでしょうか?助けたかったのか、財政破綻させたかったのか。あまりにもお粗末過ぎる支援ですね。

この事実を日本の財務省が知らないとは、とても思えません。

それにも関わらず、未だにPB黒字化を目標にしている財務省。どうして彼らはPB黒字化目標を盾に、国民を貧困化させ続けているのでしょうか?

本当に不思議でなりません。

日本ではなぜ財政破綻しないのか?

実は日本でもアルゼンチンやギリシャと同じような事が起きています。しかし、日本では財政破綻はしません。これからも財政破綻する事は恐らくないでしょう。

なぜなら、上記の「アルゼンチン」と「ギリシャ」と、日本とでは状況が全く異なるからです。

アルゼンチン」と「ギリシャ」は外資(外国から)の借金であった事や、ギリシャのように自国通貨ではない(ユーロ加盟国のため)などの理由が挙げられます。

しかし、日本は100%「円建て」の借金であり、しかも借りている相手の殆どは国民です。

日本円で借金を返せる限り、その通貨である「円」を発行できる日本政府が財政破綻する訳がないんですね。

むしろ、どうやって財政破綻するのかロジックを教えて欲しいですね。

それに、この借金はそもそも返済する必要がありません。先進国のほとんどの国では、政府の借金が増え続けており、別に日本に限った話でもありません。

そのうえで「PB黒字化」などというバカげた目標を掲げている国は、日本以外には存在しません。

再三話していますが、政府が借金を減らしたければ、本来ならGDP(国内総生産)を増やすしか方法はありません。

本来、財務省が目標にすべきは「需要を拡大しGDPを増やす」ことです。

つまり政府がお金を使って需要を増やし、民間の需要を喚起する政策(一般的に「財政出動」と言います)をしなければなりません。

なぜ、財務省はわざわざ真逆の事を目標にしているのでしょうか?

目標はGDPを増やす『経済成長』であるべき

財務省はデフレ下の日本において「PBの黒字化」という目標を掲げ、国民を貧困化させ続けています。

このままデフレ不況を放置し続ければ、日本のGDPは減り続け、国民はさらに貧困化し、間違いなく日本という国は衰退していきます。

財務省は「GDPを増やすための目標」にコミットすべきです。

しかし現実はそうなっていません。

財務省は「国の借金問題」で国民を脅しつつ、PB黒字化を正当化し増税などで国民が貧困化する政策を実施し続けています。

そして、デフレ不況が悪化することでさらに税収が減る。そうするとまた「このままでは財政破綻するぞ!」といって増税する・・・というループに陥っています。

果たして、財務省の存在意義とはなんなのでしょう?

だから一人でも多くの国民が財務省の欺瞞を知る事が、現状を打破する第一歩だと思います。

皆さんは、ここでそれを知る事ができました。次は、周りの方にこの事実を伝えてあげてください!

それが、やがて大きな力になるはずです。

最後までお読み頂いて感謝です!少しでも日本経済に興味を持っていただけたら本当に嬉しいです!

もし良かったら、次回も一緒に勉強していきましょう!よろしくお願いいたします<(_ _)>

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