国債は政府が発行する貨幣
皆さんこんにちわ、まっきーです!前回は「インフレギャップとデフレギャップ」という内容を説明させて頂きました。今回は「国債」とは何か?というテーマで経済の勉強を一緒にして行きましょう!
国債って何だろう?
みなさんは、この質問に対して正しく答えられますか?正直なかなか難しいですよね。ニュースなどで言葉自体は聞いたことあるけど、そこまで深く考えないかもですね。一言でいうなら国債は「政府が発行する貨幣」です。
「貨幣」は通貨=「お金」のこと
貨幣とは、政府が発行する通貨、つまり「お金」の事です。つまり国債を発行するというのは、お金を発行するという事。何もないところからお金を創造する訳ですね。普通の国の中央銀行なら、元来持っている機能です。
この貨幣には、担保となるものが何もありません。あえて言うなら、その国の供給能力が担保って感じでしょうか。
供給能力が足りていれば、政府が新たに貨幣を発行しても何も問題ありません。しかし、供給能力が低い状態でそれを上回る貨幣発行をしまくると、インフレになってしまいます。
ジンバブエがその典型例
前に別の回で説明したジンバブエが典型例です。国内の供給能力が圧倒的に足りていないのに、貨幣をどんどん発行し続けた結果、年率でとんでもないインフレーションになってましたね(詳しくは下記記事参照)。
その為、安直に国債を発行することも正しい政策とは言えません。
国債とは政府の借金(純負債)のこと
政府が国債を発行すると、対になる金融資産(=担保)がないため、一方的に「政府の純負債(債務超過)」が増えます。しかし、それ自体は何の問題もありません。
なんせ、政府が純負債を増やした分、我々国民の財産(純資産)が増えることになるのですから。この政府の純負債(債務超過)の金額が大きくなることを「国の借金が~!」と、さも重大な問題のように煽る報道をよく見かけますが、実は国民が豊になっているだけなんですね。
つまり、借金が増える事自体は何ら問題ないのです。実際、どこの国も負債を増やし続けています。次に日本の借金の推移を見ていきましょう。
政府の負債額は明治時代の3973万倍!
2019年度末の日本政府債務残高は、名目(金額)ベースで1872(明治5)年末比でなんと3973万倍。実質ベースで1885(明治18)年末比で564倍です。それでも日本政府がデフォルト(破綻)する気配は全くありません。
経済が成長し、規模が拡大すればそれに伴い貨幣発行量が増えていく(つまり政府の純負債が増える)のは世界的に見ても、ごく当然のことなのですね。日本が財政破綻するという人は、負債が一体幾らになったら破綻するのか説明して欲しいですね。
では、どういう負債なら財政破綻するの?
とは言え、条件が変われば債務不履行(デフォルト)になる可能性はもちろんあります。実際にギリシャやアルゼンチンは財政破綻しました。もちろんそれには理由があります。主な理由は下記のとおり。
①外国(外資)からの借り入れであった
②通貨発行権がない(ユーロの共通通貨がそれにあたる)
①については海外(外資)へ借金を返済できなければ普通にデフォルトします。また②についてはユーロ加盟国で起きる(ギリシャで起きた)のですが、共通通貨では加盟国の都合で貨幣発行ができません。
通貨が発行できない以上、外国からの借り入れと実質同じ事なので、普通に破綻します。
※ユーロはドイツにあるECB(欧州中央銀行)が通貨発行権を持っている。
100%円建て政府負債によるデフォルトはあり得ない
お分かりと思いますが、日本はどちらの条件にも当たりません。100%円建ての負債のため、その気になれば通貨を発行して負債をチャラにする事も可能です。
しかし、普通はそんな事はしません。する必要がないからです。では、際限なく貨幣(国債)を発行出来るの?と思いますが、もちろんそう言う訳でもありません。何事も限界はあります。
国債発行の限度は供給能力
冒頭でも述べましたが、その国が持つ供給能力をはるかに上回る貨幣発行を行えば、必ず深刻なインフレになります。
逆にデフレになっている(デフレギャップが生じている)場合は、貨幣発行しても全く問題は起きません。むしろデフレギャップが埋まり、デフレ脱却が可能になります。
そのためにも本来なら財政支出を増やすべきです。なお、デフレギャップについては、下記の記事を参照してくださいね!
まとめ
①国債とは政府が発行する貨幣(通貨=お金)である。
②日本政府の負債は100%円建ての負債であり問題にならない(債務不履行に陥る可能性はゼロ)
③現在の日本は本来の供給能力(潜在GDP)より名目GDP(総需要)が少ないデフレ状態のため、貨幣(国債)を発行するタイミングとしてはむしろベストのタイミングである。
今の日本は需要を喚起するための「財政支出」が必要な時期です。国債を発行して、インフラ整備を積極的に行うべきです。在りもしない「国の借金」問題を理由に財政支出を拡大しないことが、いかに愚かなことなのかがよくお解り頂けると思います。
最後までお読み頂いて感謝です!少しでも日本経済に興味を持っていただけたら本当に嬉しいです!もし良かったら、次回も一緒に勉強していきましょう!よろしくお願いいたします<(_ _)>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?