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ペットとの別れ【たくさんのありがとうを添えて】

我が家では、2005年からずっと飼っていたワンコが居ました。マルチーズの「そら」と言います。長い間、我が家を明るくしてくれる大切な家族でしたが、2019年には「そら」との別れが待っていました。

ヌリア後のそらたん

僧帽弁閉鎖不全症

心臓の中にある弁がもろくなり、血液循環が悪くなることで心臓が弱ってしまう病気です。 小型犬の発症率が高く、特にチワワ、マルチーズ、ポメラニアン、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルでは、6歳を超えると急激に罹患率があがります。 治療方法には投薬と手術があります。

8歳頃に発病を確認

我が家の「そら」が発病したのは8歳のころ。病院で診察の際に先生から教えられました。今すぐに命の危険がある訳ではないものの、放っておくと良くないとの事で、それから病気の進行を遅らせるための薬を処方いただき、また定期的に病気の進行度をチェックしてもらう事になりました。

症状はほとんどなし

その後、心配していた症状である「発咳(せきをする)」や「呼吸困難」などの症状は全くみられず。しかし、定期的に見てもらうと、確実に病気は進行しているとの事。この病気は心臓の中にある弁がもろくなる事で、心臓内で血が逆流してしまうんですね。その逆流している血の量が少しずつ多くなっているとの事でした。しかし、毎日の生活では特に症状も無かったため、それほど深刻には考えていませんでした。

その時は突然やってきた

しかし、その時は突然やってきました。いつも通り仕事から帰宅、「そら」からの熱烈な歓迎を受けたあと、「そら」が急に反り返ったような姿勢になり、うめき声をあげながら倒れてしまったんです。その後、何とか立ち上がったのですが、見るからに元気がなく辛そうです。

その時は19時半頃だったので通常の動物病院はやっていません。そのため急いで夜間病院へ連絡。21時から診られるとの事で、準備をしてすぐに病院に向かいました。

心臓の大きさが約1.8倍に

病院に行き診断を受け説明を聞きます。すると「心臓の大きさが通常の1.8倍ほどになっている」との事。そのため、血中の酸素の量が少なくなっている事と、心臓の周りに水が溜まっている、という説明を受けました。高濃度の酸素室に入れ、利尿剤を使って様子を見ることに。病院が朝の5時までであったため、その5時前に迎えに来ることになりました。もし、事態が悪化した場合は連絡をいただけるとの事で、そらを置いて一旦帰宅しました。

病院からの連絡を待つ恐怖の数時間

帰宅したのが22時半から23時頃だったと思います。病院から連絡が来ることを覚悟しつつ、ひたすら時間が過ぎるのを待つ数時間。何もなければ、一旦病院へ連絡したのちに4時半頃に迎えにいく予定でした。

恐怖の数時間、本当に落ち着きませんでした。病院から電話がかかってきた場合は、最悪の事態を想定しなければならないからです。時間が過ぎるのをひたすら待ちます。幸い、病院から連絡が来なかったため、こちらから一旦連絡。すると「容体は落ち着いているので、迎えにきても大丈夫ですよ」との事。そのまま、病院へ「そら」を迎えに行った。

利尿剤により状況は改善

利尿剤が効いておしっこが出たおかげで、呼吸も随分と楽になっているとの事。このまま帰って、出来ればかかりつけの病院に朝一番で診てもらって下さいとの事。お礼を言って病院を後にする。ちなみに、夜間病院は治療費が通常よりかなり高く、この日は全部で6万円ほど掛かりました。

心臓のまわりの水が問題

その後、かかりつけの病院へ。やはり、心臓のまわりに水が溜まっており、それが心臓の動きを妨げている、という説明でした。どういう原理かは分かりませんが、たくさんおしっこが出る事で、ここに溜まっている水も減るらしい。そのため、毎日心臓の薬と一緒に利尿剤を飲ませる事になりました。

症状は一進一退

その後、おしっこをたくさんするようになり、症状は落ち着いてきました。普通に歩ける程度に回復。しかし倒れてからは、明らかに以前よりは元気がありません。「そら」は、食べるよりも何よりも「散歩が大好き」なワンコだったのですが、明らかに以前に比べて歩かなくなりました。歩けない、と言った方が正しいのかも知れません。

その後、半年近く頑張りました!

そんな状況ながらも、「そら」は懸命に生きてくれました。このまま、この状況が続けば・・・なんて考えておりましたが、やはり「その時」はやってきました。9月でしたから倒れてから半年後ですね。明らかに元気がなくなったため再び病院へ。しかし、この時先生ははっきりと明言してくれないのですよね。もしかすると「もう長くはない」と分かっていたのかも知れません。

点滴を借りて自宅と病院を往復する日々

そこからは、朝一で病院に「そら」を預け、会社帰りに迎えにいく日々。既に食事も出来なくなっていたため、「点滴をする機械」を貸してくれました。それから数日後、いつものように病院にそらを預けに行きました。その日は私は仕事が休みだったため自宅に居たのですが、何か「ゾワッ」とした瞬間、携帯電話が鳴ったのです。「虫の知らせ」って本当にあるんですね。

先生、最後までありがとう

病院からは「そらちゃんの呼吸が止まったから、急いで来て欲しい」という内容でした。妻へ連絡したあと、大急ぎで病院へ向かいます。病院へ着くと、既に心肺停止の状態で先生が懸命に心臓マッサージをしてくれていました。それでもそらの心臓が再び動くことはなく、妻も到着したタイミングで「先生、もう大丈夫です」と声をかけました。先生、本当に最後の最後まで頑張ってくれてありがとう。

安らかな死に顔でした

そらの顔は、苦痛に歪んだ顔ではなく比較的穏やかな顔でした。先生曰く「眠るように逝ったのではないか」との事。最後苦しまずに逝けてよかったね、そらたん。ゆっくり休んでね。

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感謝の言葉しかなかった

最後まで懸命に生き、半年間も長く一緒に居てくれた「そら」には、本当に感謝の言葉しかありません。「15年近く一緒に居てくれて本当にありがとう。最後まで頑張ったね。」最後に僕がそらにかけた言葉でした。もちろん悲しさで一杯だったけど、心の中は「ありがとう」の気持ちで溢れていました。

最後に

ペットを飼うと言う事は、その子が最後の瞬間を迎えるまで看取る覚悟を持つ事だと私は思っています。その覚悟が出来ない人は、申し訳ないけど飼わない方がいいと思う。いつか必ず「その時」はやって来ます。しかし、その日が来ることをただ悲観するのではなく、その日が来た時に後悔しないよう、たくさん遊んで可愛がってあげる。その時が来たら「ウチに来てくれてありがとう!」「今までありがとう!」って言って見送ってあげたい。私はそう考えております。

ペットを飼う事を迷っている方や、死ぬことが怖くて飼えない方もいらっしゃると思います。私も大切な家族の「そら」を失いましたが、それでもやっぱり言わせていただくと「ペットを飼うということは、失うものより得るものが遥かに大きい。そしてそれは、かけがえのない経験と思い出となる」と思います。

そらたん、またいつか一緒に散歩しようね!

ヌリア後のそらたん2


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