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ハイパーインフレーションの話【ジンバブエで何が起きたのか】

(最終更新日:2022年2月2日)

皆さんこんにちわ!まっきーです。

今回も経済の話をしていきます!今回は「ハイパーインフレーション(以下ハイパーインフレ)」の事を話していきます。

一緒に勉強していきましょう!

ハイパーインフレーションとは何か?

ハイパーインフレーションとは、一体どんな状況を指すのでしょうか?

マンガの「北斗の拳」のような世紀末世界を想像して欲しいのですが、あのような世界になると、モノやサービスを提供する人は殆ど存在せず、お店も恐らく存在しません。

お金を持っていても何も買えない」という状態になります。こうなると、もはやお金はまさに「タダの紙くず同然」ですよね。

つまりお金とは、その対価としてのモノやサービスが安定的に供給されるこそ、安心して持てる訳ですね。

東日本大震災のとき、一時的にコンビニやスーパーから食べ物や飲み物が消えましたよね。

あれは物流が一時的に止まったことが原因でしたが、あの状況がしばらく続けば、恐らくかなりの混乱が生じます。

供給能力が一時的に毀損し物資が不足したことで「需要と供給のバランス」が崩れた訳ですね。

この事から分かるように、ハイパーインフレとは「供給能力が圧倒的に不足することで生じる経済現象」と言えます。

大事なのは「お金」か「物資か」

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ハイパーインフレでは、お金の価値が極端に下がります。別の言い方をすると、モノやサービスの価格が急激に跳ね上がります

極端なインフレになると「大量の札束をお店に持って行っても、飲み物1本すら買えない」という凄まじい状況に陥ります。

お金も当然大事ですが、上記のような状況に陥れば、圧倒的に「物資」を持っている方が安心ですよね。

震災の時にも同じような事が起きて、コンビニやスーパーから食料が消えましたよね。

しかも、目の前で次々に食料が無くなっていく様子を見たら、みんな不安に駆られて我先にと食料を買い漁り始めるはずです。

インフレではそういった状況が慢性的に発生します。

ハイパーインフレの例から読み解けるのは、我々にとって本当に必要なのは「お金」ではなく「物資(モノやサービス)」という事実です。

国が安定しているから安心してお金を所持できる

ただ、日本の社会情勢は非常に安定していますから、震災などの特殊な状況に陥らない限り、そんな不安を感じる事は殆どありません。

皆さんの周りで「今持っているお金が紙屑になったらどうしよう!」なんて思っている方はまず居ませんよね。

しかし、情勢が不安定な国では、こういった不安が常につきまといます。

実はある国で、とんでもないハイパーインフレが過去に起きています。それがアフリカの「ジンバブエ共和国」です。

ジンバブエで何が起きたのか

初代首相、2代目大統領を務めたロバート・ムガベは1980年のジンバブエ共和国成立以来、37年の長期に渡って権力の座を保持し続けました。

しかし、その強権的な政治手法が指摘され、2017年11月の国防軍によるクーデターで失脚しています。

このムガベ大統領の時代に、とんでもないハイパーインフレが発生しています。

このムカベ大統領時代、2008年7月にインフレ率「2億3100万%」という、既に理解不能なレベルの数字を叩き出しています。

ちなみに、インフレ率100%で100円で買えたものが1年後に200円と2倍の金額になります。

上記のインフレ率ではおよそ231万倍になるため、100円で買えたものが、1年後には2億3100万円になったという事。

元々は100円ですよ?ジンバブエの異常さが理解できると思います。

もちろん、これでは国民は健全な経済活動を維持出来ません。

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どうしてハイパーインフレになったのか?

「需要と供給のバランス」の話をしましたが、「供給されるモノやサービスの総量が少ない」時に「流通するお金の量を増やした」場合、確実にインフレになります。

そのため、そのような状況に陥った場合は、政府はお金の供給量を減らすよう増税などの「緊縮財政」を行いインフレ率を下げる必要があります。

しかし、ジンバブエは愚かなことに「お金を発行し続けた」んですね。

要するに現金の供給量を異常に増やし続けてしまった訳です。そしてインフレがどんどん悪化し、異常なレベルでハイパーインフレになったわけです。

デフレの時とは全く逆の現象

では、デフレの場合はどうでしょう?

デフレの場合は「供給されるモノやサービスの総量が十分にある」状態なので、相対してお金の価値が上がり、流通するお金の量が減ります。

「モノを買うより現金を持ってた方が得だ」って考えるんですね。

これってインフレの真逆ですよね。インフレは「供給されるモノやサービスの総量が少ない」状態になり、お金の価値が下がる

だからみんな物資を買い漁る。全く真逆の現象が起きている。

ジンバブエの事を言えない日本

インフレなのかデフレなのかにより、当然実施される「財政政策」も真逆の政策になるんですね。

ところが、日本はデフレであるにも関わらず、ずっと増税したり公共事業を減らしたりと「それってインフレ対策でしょ?」という政策を延々と実施しています。

政策を見誤り火に油を注いている状況は、まさにジンバブエと全く同じ。同じ穴のムジナってやつです。

ちなみに、同じ穴のムジナの「ムジナ」ってアナグマちゃんの事です。画像貼っておきますから、しばしアナグマちゃんで癒されてください。

同じ穴のムジナ

このように経済が不安定にならないよう、適度な状態(インフレ率2~3%程度が適切と言われています)に物価の調整をするのが、本来の政府(日銀)の役割です。

当然ながら、ジンバブエも日本もそういう意味では見事なまでに「調整を失敗している」わけですね。

ハイパーデフレーション」という言葉

最期はこれで締めくくります。

ハイパーインフレがあるなら、ハイパーデフレもあるのでは?と思った方いますかね。一応あります。

定義は「AIやロボットなどの進歩によって、生産性が過剰に向上することで、結果として物価が下落すること」らしい。

ハイパーデフレは「生産性が過剰に高くなる」事で起きる、という捉え方で良いと思います。

そういう意味では、日本では既に「すさまじい生産性向上」が発生していると思うんですよね。どんどん効率化されて、もう機械でガンガン商品が量産されていく感じですね。

「技術」と「ノウハウ」は日本の宝

技術やノウハウは、かつての日本人たちが弛まぬ努力を積み重ね技術を磨き、研究を重ね、失敗の連続の上に作られた「日本の宝」ですよね。

それって、何より守るべき価値があるものだと思いませんか?

大切なのはお金そのものではなく、それによって手に入れられるモノやサービスであり、さらに言えばモノやサービスを生産するための「設備・技術・ノウハウ・人材」こそが、その源泉です。

それこそが我々が守り、継承していかなければならない「日本の宝物」だと思います。これが毀損しない限り、日本経済は絶対に復活できると私は信じています。

最後までお読み頂いて本当に感謝です!もし良かったら、次回も一緒に勉強していきましょう!よろしくお願いいたします<(_ _)>

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