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【センメルヴェイス反射】誤りを認める勇気

皆さんこんにちは!まっきーです。以前経済の勉強をしているときに「センメルヴェイス反射」という言葉を知りました。非常に興味深い内容でしたので、今回記事にしていきます!

1.センメルヴェイス反射とは

センメルヴェイス反射とは、通説や常識から外れたことを、それが「事実」であるにも関わらず、その事実を受け入れられない、きちんと検証もせずにその事実を拒否する精神状態のことを指します。

2.「センメルヴェイス」は実在した医者の名前

オーストリアのウィーン総合病院産科に勤務していた医師『センメルヴェイス・イグナーツ』は、産褥熱(さんじょくねつ)が今日で言う接触感染が原因である可能性に気づき、その予防法としてカルキを使用した手洗いを提唱します。

しかし、センメルヴェイス医師が存命中は、その方法論が理解されずに医者たちから大きな排斥を受け、不遇な人生のまま生涯を終えた人物の史実に由来します。

※以下の絵はセンメルヴェイス・イグナーツ (1818~1865) 

センメルヴェイス

3.産褥熱とは

産褥熱(さんじょくねつ)とは、産褥期(出産後、母体が回復するまでの期間。通常6~8週間)に起こる発熱性の感染症のこと。分娩(ぶんべん)の際に生じた傷に細菌が感染して起こる。オーストリアの病院で妊婦が次々に産褥熱で亡くなっている状況で、センメルヴェイスは医師として「接触感染」に気が付いた、という事ですね。

4.都合の悪い事実

なぜ、人の命に関わるセンメルヴェイスの訴えた「事実」は広まらず、他の医者から猛反発を受けたのか。これには「患者を殺していたのは、実は不衛生な医師の手であった」という事実が、医師たちにとっては受け入れがたい事実であった、という側面があると思います。

この話の医者たちのように「たとえ事実であっても、自分にとって都合の悪い情報は受け入れない、認めない」行動のことを『ゼンメルヴェイス反射』と呼ぶようになったんですね。

皆さんも同じような経験はありませんか?事実を突きつけられても、自分にとって都合の悪い事実であれば、全力でその事実を否定する人たちを。これは、ある種の自己防衛本能なのかも知れないですね。

5.元祖センメルヴェイス反射

さて、この話を聞いた時に真っ先に思い浮かんだ人物がいます。そう有名「ガリレオ・ガリレイ」ですね。

ガリレオ・ガリレイは、当時(西暦1600年前後)は「天動説(地球は宇宙の中心にあり静止していて、全ての天体が地球の周りを公転しているとする説)が一般的な常識と考えられていた時代に「地動説地球はほかの惑星とともに太陽の周りを自転しながら公転しているという学説)」を説いた人物ですね。

※以下の絵はガリレオ・ガリレイ (1564~1642) 

ガリレオ・ガリレイ

当時は、天動説が常識と考えられていたため、ガリレオは宗教裁判にかけられます。裁判の結果「地動説」は異端であるとされ、地動説を広めることを禁止されました。

それでも学者として研究を続けたガリレオは、2度目の宗教裁判にかけられます。その判決で「地動説は間違い」と誓わなければ死刑と宣告されガリレオはついに無理矢理誓わされてしまったんですね。

この裁判の最後に「それでも地球は回っている」と、ガリレオ・ガリレイがつぶやいた逸話は皆さんも一度は聞いた事があると思います。

6.誤りを認める勇気

今回の「センメルヴェイス反射」は、誰でも陥る可能性がある事象ではないかと考えます。

自分が常に正しいと妄信すると、人間はそれを確かめる事を怠ります。異議を唱えた相手が自分より目下の人間であった場合は、この「センメルヴェイス反射」はより顕著になるものと思われます。

自分が正しいと思っていた事が実は誤りであった、そのことを素直に認めるのは確かに勇気が必要かも知れないですよね。

しかし、自分の誤りを素直に認め前に進める人こそ、本当に成長できる人間なのだろうな、と思います。自分もそうでありたいと、このエピソードを知って感じました。

※本件について、別の記事でも取り上げています。もしよかったら、併せてお読みください!


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