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人をわかるってどういうことですか?①

豊田徹也さんの作品『アンダーカレント』に出てくる山崎という人物が「人をわかるってどういうことですか?」と主人公かなえに言ってるのにわたしまで不意打ちのパンチを喰らったような感覚になるとは思わなかった。

映画を観たのは確か今年3月ごろだったと思う。U-NEXTで配信されていてポイント余ってるし気になるし観ようとそんなに何も考えずに選んだ。観終わってから俳優さんたちの演技よかったなあ、挿入歌も良かった、なるほどなあ、原作漫画なんや、うんうん、読みたい!となって買って読んで、映画はそんなに内容変えられてないんやと、読了後は1本の映画をしっかりと見終わったような小説も一冊読み切ったような感覚で、登場人物たちのことを考えたりしてアンダーカレントおもしろかったなあとなってた。



そして現在、わたしは離婚することになった。なんで突然離婚話し?!となるかな。いやでも言いたくて。ここに書いておきたくて。わたしの人生おもしろくて話したくて。だからそんな悲しい、どうしよう、もうなんでわたしってこんなことになるの?もおおおお最悪!ズーーンってことはなくて今はほんまにわたしの人生っておもろいな〜って感じで、なんやったら文章打ちながらちょっと笑ってるところもある。ある意味ちょっと聞いてよ奥さん!的なノリで話たいくらい。だからここに書いてるのよね、奥さん。

アンダーカレントでは主人公かなえと悟は4年交際して結婚して4年一緒に生活してたけど、ある日突然夫が荷物も何もかも置きっぱなしで家に帰ってこなくなった。それでなんやかんやありまして、かなえは探偵の山崎に出会うわけです。かなえは山崎の質問に答えたり悟がどんな人かと話します。「人当たりがいい、面倒見がいい、責任感ががある」山崎には話を聞いていても悟のパーソナリティが見えないと言われたり本質を周囲に見せまいとする隠蔽作業を続けていたという絵しか浮かばないと言われ、かなえは腹が立ち悟と会ったこともないのに決めつけるなと言いますが、ここで山崎のあの言葉です。

『人をわかるってどういうことですか?』

これでかなえは何も答えられなくなってぼーっと固まってしまいます。

山崎は終始ちゃらんぽらんでテキトーな感じなんですが、ちゃんと核心をついてくるタイプのキャラでちゃんと腕の立つ探偵です。映画ではリリー・フランキーさんが演じてらっしゃいます。ぴったりすぎでした。
物語終盤、かなえは山崎さんのおかげで悟と会って話ができるんですが、悟は髪が伸びて髭も伸びて一緒に過ごした頃の感じとは別人になっていてという、わたしが久しぶりに夫と向き合って話した時もこんな感じの印象で、こういう感じ、受け取る感覚?空気感?のことを人はなんと言うんでしょうね。

久しぶりに会った2人の間合いもまさにぽくて、かなえが最近のことを話した後に「ぼくはうそつきなんだ」と悟が語り出します。自分のことをつらつらと話していき「僕はその人が何を信じたがっているか何をいってもらいたいかが手に取るようにわかるそしてそれを与えることができる」と言います。

なるほど。

わたしが経験したことと被りすぎてて白目剥きました。
夫と話し合って冷静になってから自分のことを客観的に見てみると、あれ、なんかこの話知ってるぞとなって、記憶を辿ると案外最近に見覚えがある。あ、アンダーカレントやん!え?あれ?うそ?と、もう一度漫画を読み直しました。
うわこれかなえの夫って私の夫やん、ヒョへーーーー!となってるのが今です。不意打ちのパンチです。

つづきます→

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