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和歌山大会準決勝(対関西王者)

▼和歌山大会3日目 
 昨年に引き続き、今年も最終日まで残ることが出来ました。昨年の雪辱を期すといういう意味では優勝を目指してと言いたいところですが、決勝の相手はタイガースカップの覇者湊ヤング、目の前の一戦に集中するのみです。継投関西王者との対戦を前に監督からかけられた言葉は「攻めていこう」、選手達に臆する様子はなく本気の関西王者に挑みます。

▼和歌山ホークス対湊ヤング
 ホークス先攻の初回、いきなり試合が動きます。1番上田がレスト前ヒット、さらに相手のスキをついて2塁をおとし入れる好走塁で無死2塁。さらに2番浦野が送りバントをラインぎりぎりに転がしオールセーフで無死1・3塁。プレイに攻めの気持ちが感じられます。続く3番中山が先制のタイムリー、なおも2死1・3塁の場面で6番堂本が2点タイムリースリーベースで初回に3点を先制します。


 あまりプランにはなかった3点リードからの試合展開、気持ちが守りに入らないよう注意が必要です。ホークスの先発は上田、三振・ショートゴロ・三振と3人で打ち取る上々の立ち上がり。ストライクゾーンに投げ込んでいれば、今のところまっすぐは通用しているようです。


 2回表、トップバッターの9番田宮がレフト線にツーベースで無死2塁。きっちり返しきりたいランナーでしたが、積極走塁が裏目に出て追加点を奪えず。さらに2回裏の守り、先頭打者を四球で歩かせて送りバントの処理をあせってオールセーフ。流れを自分達で手放してしまいます。ここを見逃してくれないのが強豪チーム、1死1・2塁からタイムリースリーベースをあびて2点を返されます。
 3回表、大会中好調を維持している4番木下がセンター前ヒットで出塁するが、後続が続かず。7番中本にも単打が飛び出すが、効果的に攻めることが出来ず無得点。そして3回裏の守り、1死から再び四球、ダブルプレイのチャンスでミス、1死1・2塁から3盗を決められてセンターに犠牲フライで同点。無安打で1点を奪われ同点とされます。勝負を仕掛ける場面を見極める力はさすがです。


 初回の3点のリードは3回で無くなりました。知らずのうちにリードを守り切ろうという心理が働いていたのでしょう。これで試合は振り出し、点を取りに行かなければなりません。4回表、先頭の9番田宮が2本目ヒットで出塁、2死2塁となるが3番中山がタイムリーツーベースで再びリードを奪います。なおも2死2塁で好調木下の場面でしたが、申告敬遠、後続は続くことが出来ず1点止まり。4回裏は上田が3者三振で締める好投を見せ後を託します。
 5回表、湊クラブは投球数制限もあり小刻みな継投、3人目の左投手に翻弄され三者凡退。5回裏、ホークスの2番手は中山ですが、先頭打者をヒットで出塁をゆるし、さらに死球で無死1・2塁。ここで、痛恨のミス。送りバントを悪送球で1点を与え、なおも無死2・3塁。すかさずセンターへの犠牲フライで逆転を許します。なおも1死3塁の場面でしたが、中山の粘りの投球、冷静なランダウンプレイもあり、1点差でしのぎます。


 時間制限のことも考えると最終回になる可能性もある6回表の攻撃。1死から1番上田がライト前ヒットで出塁、2番浦野がショートへの内野安打、1塁送球の間に上田が3塁をおとし入れて1死1・3塁のビッグチャンス。3番中山の場面でスクイズを試みるも失敗、2死1・3塁となって4番木下を迎えるが、2打席連続の申告敬遠。意地を見せたい場面でしたが、5番山本は三振に倒れ、1点ビハインドのまま6回裏の守りを迎えます。


 6回裏の守り、先頭バッターを四球で出塁を許すが、ピッチャーゴロ・三振でツーアウトとなり、あと一人打ち取れば7回の攻防に進む場面。次の打者をツーストライクと追い込んだところで無情にも、制限時間いっぱいで試合終了のアナウンス。なんともやり切れない幕区切れとなりました。

▼新たなルールとプレイヤーファースト
 残念ながらこの試合では選手達に納得のいく結末を迎えさせることはできませんでした。不完全燃焼の要因として時間制限・申告敬遠などの新たに導入されたルールも少なからず影響しているように感じます。を
 木下は好投手陣との対戦を非常に楽しみにしていましたが、勝負どころで2つの申告敬遠。投球数制限・申告制になったことで敬遠を選択するのは戦術として至極まっとうな気はするのですが、プレイしている選手や見ている人達をドキドキさせる力と力のぶつかり合いの場が減っていくことは寂しく感じました。
 あと一人打ち取って何とか最後の攻撃につなげようという場面で、アナウンスで試合が突然打ち切られた時の選手の感情の行き場はどうすれば良いのか。野球本来の最後のアウトを取るまでは何が起こるか分からないという醍醐味が、公式戦では味わえないという現状もあります。
タイブレイク・給水タイムなど、選手を守るための取り組みが今後も増えていくと思われます。新たな枠組みの中で、様々な意見があるのは当然です。一個人としての持論を選手に押し付けるのではなく、選手達が納得のいく試合が出来るようにするために、普段からの指導、試合の中での選択をしていく必要があるなと感じました。
 選手を守るための取り組みが、選手の完全燃焼する機会を奪うことにならないように。
 

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