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サトシ・ナカモトが正体を明かす日

「衝撃」は溜め込む時間が長い程強くなる。そんなことを改めて考えさせられた出来事が年始早々にあった。

1月2日、この日は毎年決まって高校の部活動の新年会が開かれる。毎年の恒例行事だ。卒業してかれこれ10年近く経つが不思議と参加率が落ち込むことはない。今年も変わらず8割以上の仲間が参加した。20代後半ともなれば当然話題に上がるのが結婚。ここ数年は毎年必ず新たに結婚報告する人が現れ、今年もまた何人かの嬉しい報告があった。

その中で、会の話題を一気にさらった人がいた。彼は高校時代から女性の話題に疎く、大人しい性格だった。もちろん、そんな彼が先んじて結婚したことにみんな驚いたが、それ以上にその場を沸かせたのは、彼が7年もの間その妻と付き合っていたことだった。「え~っ!」その場にいた全員が、彼を見て口を大きく開けてそう言った。

彼はこれまでの新年会にも参加していたのに、なぜ誰も彼女がいるということすら知らなかったのだろう。会話の流れで「今彼女いるの?」くらいの質問はあったはずである。恥ずかしさから言うタイミングを逃しただけかもしれない。しかし、敢えて言わなかったとしたら、何て秀逸なことか。「7年も溜められたら勝てねえよ。」それまで会話のマウントを取っていた人がぼそっと口にした。

サトシ・ナカモトの正体は未だに明かされていない。BitcoinSVコミュニティの筆頭であるCraig Wright氏のようにサトシ・ナカモトを自称する業界人もいるが、私が本人であればそんな軽率な名乗り方は絶対にしない。彼は歴史に名前を残すべく正体を明かすタイミングを今か今かと伺っているのだ。今年でビットコイン生誕10周年となる。「まだ、まだ早い。」不敵な笑みを浮かべながら、まるで自分が神様であるかのように業界の行く末を静観している様子が頭に浮ぶ。

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