<事業は人なり⑥・・・経営者からの言葉>

(はじめに)
「緊急事態宣言は緊急事態になってから発したのでは遅い」とテレビでコメンテーターがしきりに言っていました。
この言葉の意味をどのように解釈すればいいのかまだよく考えが整理できていませんが、いずれにせよ、今週は新たな段階に入ってくるのだと覚悟を決めて、落ち着いて日々を過ごしたいと思います。

(経営者からの心に残る言葉・・・・意識・実践していること)
僕は創業社長ではないので、自身が「社長」になってからも「オーナー」からさまざまなお叱りを受けたりアドバイスを頂いたりしてきました。

その中で特に心に残っている言葉、今も自身の経営・仕事の判断・行動の軸になっている言葉を紹介します。

①「未熟であってもいい、本物であるならば」
事業成長と共に社員数が増えていきます。新卒・中途どんどん入ってきます。
急成長フェーズにおいては、必ずしも年齢が上の人間が優秀だとは限りませんし、以前からいる人間が仕事ができるとは限りません。上司とメンバーで年齢が逆転しているケースも珍しくありませんでした。
こういう環境下で、どのように人材を配置・評価・処遇していくかはとても重要な経営判断になってきます。

そこで言われたのがこの言葉です。
「ちゃんと人を見なさい」と言うことだったと思います。

・既存社員であれば、在籍が長くある程度仕事への習熟度合いの高い人を
 頼りがちになるのを戒めている言葉です。
・中途採用の場合は過去の経験値が違いますから、入社して即業務をこな
 せる人がいます。周囲も新鮮な緊張感もあって上手く流れていくような 
 感じがあるのですが、しばらくすると様々な課題が浮き彫りになってき
 たりすることがあります。
・新卒も覚えのいい子・そうでない子の差が最初は目立ちますが、そのこ
 とだけに気を取られていてはいけないという意味が含まれています。

似たような言葉を別の方からも言われたことがあります。
「大人と小人の区別ができるようになりなさい」

表面に現れるパフォーマンスだけでなく、それを支えているその人の人間性や、スタンスについてしっかり見極める努力をしなさいという「本当に難しいけど、極めて重要な言葉」だと今でも思っています。

②「自分が得てきた以上の機会・責任を与えなさい」
今の自分の立場・役割は自分の実力だけで掴んだものではありません。
その実力を試す「機会」が与えられたからこそであり、そこで「責任」を持つことの意味を知ったからこその成長だったはずだということです。

自分が上に立つと、メンバーを昇進・昇格させていく際についつい「足らない部分」が目について、完全に任せることを躊躇いがちになります。
「少々できないことあるかもしれないし、失敗するかもしれないけれど
とにかくやらせてみなさい。きみもそれで育ってきたんでしょ」

決してベテランを軽視するつもりはありませんが、「若い人中心に組織を作る」ことで活力を生み成長力を加速させるのだという僕の想いは、この言葉に因っていることがとても大きいと思っています。

③「早く決めろ、3ヶ月待ってもどうせ同じ決断になるんだから」
自分では意思決定は早い方だと思っていますが、それでも常に「遅い」と言われていました。
その時に毎回言われてきたのがこの言葉です。
事実、「3ヶ月様子を見ます」とか「もう少ししたら、状況変わるかもしれないので」などと判断を先送りした結果、結局同じ判断をするに至ったと言うことが何度もありました。

「3ヶ月損したな」

強烈な嫌味ではありますが、グーの音も出ませんでした。
さらに、「早く決めておけば、仮に失敗しても早く修正できただろうに・・・・・どのみち正しい判断かどうかなんかはやってみなければわからないんだから。早く決めることが一番正解に近づくコツなんだ」と言われていました。

経営判断力・決断力の重要性を骨の髄まで染み込ませてくれた言葉だったと思います。

他にもたくさんの言葉を頂いて、今の自分がるのだと思いますが、こうして何度かに分けて振り返ってみることで、改めて気づいたことがあります。
それを記してこの項を締めたいと思います。

「事業は人なり」は真実で、それを確固たるものにしていくために自分がこれまでに得てきたものをきちんと言語化して、メンバーや組織に伝えていくことが自分の役割である

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