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ひっくり返ったスウィンガーと、僕のギター改造の話

僕はギターを組み上げるのが好きで、いま部屋には両手足を使っても数え切れないほどの”作品群”が並んでいる。(ちょっと持て余してる)

中3の冬に初めて買ったエレキギターであるPlaytechの激安ストラトは僕の拙い改造によって無残な姿になった(ドリルと彫刻刀でFホールを掘ろうとして頓挫)し、
その次に買ったMavisのムスタングタイプはもとからP-90を搭載するつもりで買って、そのギターではんだごての使い方を覚えた。

ギターを弾くことより、ギターをいじっている時間のほうがおそらく長い。
僕の雀の涙のようなお賃金はその8割がギターのために消えていく。

たぶんこれは何らかの依存症の類で、そのため僕は四六時中『なにか面白いギターの改造ネタはないか』『オークションに出物のパーツは出回っていないか』という事ばかり考えている。

そんな前置きを置いたところで、本日の本題は新しい僕のギターのことと、そこに絡めて僕のギター改造の話なんかをできればなと。

ショートスケールのボディを探して

僕はここしばらく、ショートスケール(24インチスケール)のギターを探してオークションの海をさまよっていた。

というのも、ひょんなことから格安で1966年製のミュージックマスターIIのネックを手に入れて、長らく塩漬け(もちろん比喩)にしていたからだ。

66年ミュージックマスターIIのネック。かなり破格で手に入れた。
66年生まれであることの証左。ちなみに書いてて思い出したが僕の母親と同年同月の生まれだ。

それが見るからにいいネックだったので、早く使ってあげたいと思いつつも、中途半端なギターで消費したくもないしな、でもヴィンテージのボディなんてなかなか出ないしウーン・・・
って思っていたら1年弱の時間が経ってしまった。

最初はジャグマスターなんかいいのでは?と思ったけど、国産モノは相場がやけに高くて手が出ない。
そう思いつつ物色していると、オークションでハンドクラフトの、左右反転されたデザインのスウィンガーを時たま見かけるようになった。

それがなかなかカッコよろしい。しかも、都合の良いことに24インチスケール!
スウィンガーといえば、オリジナルはより短い22.5インチスケールなので、これはかなり都合が良かった。

最初に見たときは持ち合わせがなかったので泣く泣くスルーしたが、
落札されてしばらくするとまた再出品されていたりしたので、ジャグマスターを検討対象から外し、そのスウィンガーに照準を定めて再び出品されるのを待つことにした。

落札の時来たれり

時は巡って12月。つまりこないだ。
金木犀の香りが失せて、代わりに冬季賞与の香り漂う季節。
(こういうの書くと、浮世に縛り付けられているなあと虚しくなる。ほんとは賞与じゃなくてクソでか印税で暮らしたい)

エピフォンのレスポールSLサイコー!高いギターなんていらないわね!と思いながら2本目のSLを購入して改造の計画を立てていたところに、件のスウィンガーの再出品が来た。

『うわ、マジか、また持ち合わせないよ。惜しいけど見送るかー。』
『・・・賞与かあ』




かくして、僕はそのスウィンガーの落札に成功した。

終了10分前にすべてを賭けるべく沈黙を貫いていた僕を尻目に、終了n日前から競り合ってむやみに金額を吊り上げていたばかあほまぬけライバルたちとの死闘についてはまた今度会ったときにでも。

北海道からの発送とのことで、僕の住む大阪までは3日〜それ以上かかるとのことだった。
こんなに北海道を遠く感じたのは初めてだった。また行きたいな夏の北海道。

そして12/5、つまり僕の誕生日の前日にそいつはやってきた。

新ジャンル: リバーススウィンガー

開封即最高。ところどころ粗は見受けられるけど、雰囲気はバッチリ。
音も弾いてる感じそんな悪くない。というかエピフォンのギターを改造の末先日メインに据えた僕からしたらそんなもんどうとでもなるし。

まずスウィンガーを左右反転させるという発想が最高。
それもスーパーソニックみたくハイフレットの演奏性を考慮したものではなく、『どうせ18フレット以降なんか使わんだろ』という潔い思想(僕の妄想)のもとにそのままひっくり返しただけなのに、なぜかえらくサマになっているところが最高。

ちょっと前にリバースジャズマスター(スーパーソニックとは違う ギブソンへのあてつけのようなギター)というのがあったけど、あれに触発されたのだろうな。というデザイン。
最低限の範囲だけを保護するピックガードとパイン材の木目が透けた極薄ブラックフィニッシュ。
そしてFホール。そう、こいつはセミホローなのです。
これを嫌いな男の子はいないと思う。

吊るしのままでもぜんぜんいいぐらいなんだけど、ミュージックマスターIIのネックがギターになりたそうにこちらを見ていたので改造前の音をあらかた録って即バラす。

モディファイレポート

ここからがメインコンテンツ。
バラしながらこのギターのことを紹介していこうと思う。

まずはネックを外す。

まごうことなきパイン材。きれいに仕上げられている。
トップ材が貼られている事がわかる。トップ、バックともにパイン材。

ネックのジョイントビスを外す時、ネックからビスが外れてもドライバーのまわり方がキツかったので、容赦なくネジ穴を拡張する。

ネックのビス穴がガバガバになってしまう原因にもなるのと、音にもあまりいい影響はなさそうなので、ボルトオンのギターを買った時は必ずボディ側ビス穴を拡張している。

ボディのネックジョイント部のゆるさに文句を言う人が結構いる印象だけど、ネックにしっかりネジが入ってさえいれば接合は大丈夫だし、ネックポケットもキツすぎるよりゆるいほうが衝撃に強くなるし、たぶん音質面でも有利だと思う。後者はプラセボだし根拠もなし。

続いてブリッジ交換。

汎用的なフィクスドブリッジ。安っぽいので交換する。
手元にあったジュラルミンサドルを活用すべく、メルカリでテレギブ用ブリッジを調達して合体。
かなり雑なマーキング。売り物じゃないしこれぐらいラフでいい

外周をざっとマーキングして、ブリッジを外す。

センターズレとか気にしたことがないので、マーキングのだいたい真ん中に新しいブリッジを置いて、だいたいこのへんかな?って位置でネジ穴の印をつける。

はい完了。
もともとのネジ穴も目立たない感じに出来たので満足。

ちなみにこの後、弦を張った瞬間ネジ締めがゆるかったのかブリッジが浮いてきたのは内緒だ!
めちゃくちゃビックリした。

ポットとコンデンサーの容量は見えず。
ハイパスが仕込んであるのがわかる。

電装系も覗いておく。

製作者によると木部以外はノーブランドモノとのことだったので、ここらへんも総取っ替えすることになるか。
今回は時間もパーツもないのでいじるのは後日。

で、ネックを取り付ける。

ここらへんは写真に収めてなかったのだけど、ボディ側のジョイントビス穴が1点だけ66年ネックと合わなかった。
おそらく製作時にズレて穴あけされたのかなと思うけど、まあそもそも規格がUSAとJPNで違うのでそういうこともあるかもしれない。
今回は合わなかった部分だけボディ側のネジ穴を拡張することで対応した。

USAネックに合うインチ規格のビスが手持ちになかったので現状はちゃんと留められていない。
これは後日直しましょう。

ペグにはMJTのネックについてたレリックされたゴトーっぽいやつを使用。

本当はフェルナンデスリバイバル期のシングルラインペグがあればそれを使いたかったんだけど、残念ながら確保できなかった。

フェルナンデスリバイバル期ペグ採用例。ポストの形がかわいい。
このギターには使えなかったけど付属ブッシュもかわいいので気になる方は調べてみてね

このペグは見た目もいいしポストの素材もオリジナル同様ブラスで造られてるのでどんな高額なリイシューモノよりおすすめです。所有してるギターの何本かに採用してる。
未だに4000円〜6000円ぐらいの相場で取引されてることが信じられない。

完成&残課題

買って1日で改造するなんて、製作者に知られたら怒られそうなもんだけど、より永く使っていくための儀式だと思って大目に見ていただければ・・・。

ネック約5万・約ボディ5万でだいたい10万ぐらい。
このお値段で実用的な音が手に入るなら安いもん安いもん。

残課題としては、ピックアップの交換、電装系のブラッシュアップ、上述したようにペグの取付ビスの交換。

可能ならペグもリバイバルペグに交換したいなあ。
まあ、ここは好みの問題かな。

ピックアップはできればマグネットポールピースのやつがいいと思ってる。
手持ちにあるっちゃあるんだけどMade In Chinaだし、せっかくならいいやつを買ったほうがいいのでは・・・とか悩んでる。
あとフロントについては先日レスポールSLに載せたRoswellのステープルピックアップが相当よかったのでこれにも載せようか迷い中・・・。

P-90しかり安いシングルしかり、板マグネットに鉄ポールピース立ててるピックアップは音が埋もれがちというか、バンドの中で思ったようにサウンドメイクできないので苦手。

ビフォーアフター

ネック交換(とブリッジ交換)でどんだけ音が変わるのか検証してみたかったので。

マイク
 Blue HummingBird
  コンデンサマイク。
  これと言ってこだわりはないが
  使い勝手がいいので何でもかんでもこれで録ってる

エフェクター
 アンプモデリング:Strymon Iridium
  PunchアンプにCキャビ・・・要するにMarshallシミュ
  Bass12時・Middle0・Treble12時
  ※ミドルは間違って下げっぱなしにして録っちゃったけどさほど音に影響なかったのでヨシ!
 ブースター:Bondi Effects SickAs
  ゲインゼロ・ボリュームMAX・Bass12時・Treble3時ぐらい

比較

生音については、ぱっと聴き そんな変わんないかな?とも思ったけど、ネック交換後はゲインが若干だけど上がったように感じる?弾き方の問題かもしれない。

各ピックアップの音も、なんとなくだけど重心が下がったように聞こえる。
ただ単音弾きに関してはフレットが低くなった分弾きにくくて残念に聴こえるかも・・・これは僕の技量の問題だな。

あとがき

今まで改造の記録ってあんまり残さなかったんだけど、試しにブログ書いてみたらちょっとめんどいけど楽しかったのでまたやるかも。

レスポールSLなんかは割といろいろやったので記録残さなかったのはもったいなかったな。
二本目を本格的にいじるときにやってみよう。

次書くとしたらこのスウィンガーのピックアップ交換レポかな〜
P-90サイズで面白いピックアップがあれば教えて下さい。

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ネット上に自作曲を投げて、その再生数や感想を食べて生きています。

もしこの記事をきっかけに僕を知ってくれる人がいるのであれば、
ぜひ僕の曲も聴いていただけたら・・・。

陰キャラの心象世界を切り取ったような曲や、触れた作品の世界観を自分なりに再解釈してアウトプットしたような曲を書いてます。
ちょっとでも引っかかる所があればうれしい。

それじゃ今日はこのへんで。
読んでくれてありがとうございました〜。


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