見出し画像

QUIC(Quick UDP Internet Connections)って何?パフォーマンス×セキュリティを向上させる高速ネットワークプロトコルをわかりやすく!

インターネットが遅い…
セキュリティが心配だ…

この手の悩みはいつの時代も尽きる事がありません。
しかしこの度、ある通信仕様が新たに標準化されました。

その名もQUIC(クイック)

といっても、そもそも「くいっく」って何?
というわけで今回はQUICについて可能な限りわかりやすく説明したいと思います!

■QUICの歴史

 QUICはWebブラウザへの通信(HTTP通信)をより高速化するための通信規約(プロトコル)として2013年にGoogleが開発を公表しました。

 現在までインターネットの通信規約(プロトコル)にはUDPTCPの2つが存在しています。それぞれの特徴を簡単に言えば、以下の通りです。

UDP (User Datagram Protocol):ちょっとくらい通信内容(データ)が失われても高速な通信を優先したい場合

→動画再生などリアルタイムが優先される場合に使われます。

TCP (Transmission Control Protocol) :通信内容(データ)を順番通りきっちり届けたい場合


→文書のように内容が壊れると困る場合、確実にデータを届けたい場合に使われます。

Webブラウザへの通信(HTTP通信)はTCPを用いて通信を行っています。

■TCPの問題点

 TCPはデータを確実に順番通り送信すること、そして送信できたことを確認することなど、待つ仕掛けが多く実装されています。この仕掛けが遅延に繋がる原因となります。

 TCP自体に高速化の仕組みを実装しようと試みもありましたが、TCPが誕生してから40年近くがたつ中で、TCPの仕組みを見直そうとすれば世界中にあるネットワーク機器の仕様を見直す必要があり膨大な時間と労力がかかると言われていました。

 またWifiから4Gに切り替わるときなど、TCPはデータをきっちり確実に順番通りという特性上、必ず通信接続が途切れてしまうなどの問題もTCPの仕組みが原因となっています。


■QUICで解決できること

 特徴として大きな点はUDPをベースにしているという点です。
また一定のデータをまとめて確認をとることから待ち時間が削減されます。

 UDPの優れた点を活かしながら、データの信頼性を担保するための仕組みをTCPとは違った形で実装しているという点です。

 しかもその仕組みは目新しいものではなく、既存技術の組み合わせで高速化を実現している点が大変優れていると言えるでしょう。

 またQUICはTCPとはちがった番号でデータ通信を管理しますので、Wifiから4Gに切り替わるときなどの通信切断を回避する事ができます。

 すでにGoogle Chromeのユーザーのうち、25%以上。Facebookも独自のアプリケーション仕様により約75%以上の通信でQUICが使われています。今回、QUICが標準化され、ますますWebサービスは進化していくと思います。

 今回は1,000文字程度で簡潔にまとめさせていただきました。詳しく知りたい方は是非下記の参考文献をご参照ください!

参考文献:

Google、高速プロトコル「QUIC」をChromeとモバイルのデフォルトに

高速プロトコル「QUIC」、IETFが標準として承認

なぜQUICなのか

進化する通信プロトコル - QUICとHTTP/3で何が変わるのか

HTTP/3の基盤となる「QUICプロトコル」の標準化プロセスが完了、IETFの「RFC 9000」として

QUICの実装はTCP並みの効率を実現できるか? Fastly奥氏らがベンチマークを紹介

TCPが遅すぎる?QUICを使おう!

進化する通信プロトコル - QUICとHTTP/3で何が変わるのか -日本語版-(動画)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?