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“東大女子”のそれから|藤田優さん

日本の大学の最高峰「東京大学」に初めて女性が入学したのは1946年のこと。それから75年――。時代と共に歩んできた「東大卒の女性たち」の生き様とは。

会社員の藤田優さん(2020年教育学部卒)にお話を伺いました。/聞き手・秋山千佳(ジャーナリスト)

――藤田さんの卒業論文「東大インカレサークルで何が起こっているのか ―『東大女子お断り』が守る格差構造―」は、全国紙で取り上げられ、上野千鶴子名誉教授からも高く評価されましたね。東大の男子と他大の女子だけで構成される「東大女子お断り」のインカレ(インターカレッジ)サークルは、運動系サークルに多いとのこと。藤田さんはインカレサークルに所属する17人と学内サークルに所属する9人にインタビューして、インカレテニスサークルを2ヶ月間、参与観察したんですよね。卒論への同級生たちの反応はいかがでしたか。

藤田 ありがたいことに、同じ学科(比較教育社会学コース)の子たちの評判はよかったです。私の学科は女子の方が多くて、16人中11人が女子で、男子は5人で。

――女子が倍以上! 学部生全体で女子が2割しかいない東大では珍しいのでは。

藤田 そうなんです。私が卒論のテーマを決めた時から、特に女子は思うところがあったみたいで「絶対に書いてほしい」と応援してくれました。男子も卒論を読んで、「よく頑張ったな」とか「こんな男、本当にいるんだ、気持ち悪いな」と好意的に受け止めてくれました。

――「気持ち悪い」というのは、藤田さんが卒論で指摘した、次のようなインカレサークルの男子のことですよね。

(1)食事作りやお酌、練習後に行く飲食店のドアの開閉に至るまで、ご飯にまつわるものはすべて女子の役割、といった「男尊女卑ルール」がある

(2)東大男子だけが主要な幹部になれる「男子中心運営」になっている

(3)即席のクイズ合戦で東大男子から他大女子への「バカいじり」をするのが定番、という声が複数のサークルにあった

(4)東大女子を排除するのは「それが伝統だから」という声が多いが、「東大女子が入ると男子が実権を握りづらくなるから」という声もあった

藤田 はい。「こんな男、本当にいるんだ」と言った男子は文化系で、運動系のインカレサークルとは関わりのないタイプでした。一方で、私は学内のバドミントンサークルに所属していたのですが、サークルの男子の大半はこの話題に触れてこなかったです。インカレサークルと掛け持ちしている人もいたので。中には、「(女子が)棲み分けできているんだからいいじゃん」「こんなこと調べて意味あるの」と言ってきた人もいました。

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