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名将の若き日 越智光夫

文・越智光夫(広島大学長)

 昨年のFIFAワールドカップ予戦リーグ、日本対スペイン戦直前にスポーツジャーナリストの二宮清純さんからメールが届いた。「勝てば森保一監督は世界の名将ですね」。思わず頷いた。愛媛の同郷である二宮さんは広島大学の特別招聘教授で毎年、新入生に講義をお願いしている。

 ご存じのように、ドイツに続いてスペインを撃破。森保采配が一躍注目された。「サラリーマン監督のようだ」と揶揄された、試合中にメモを取るおなじみの仕草や、指笛を鳴らすスタイルも、一戦ごとに貫禄を増し、今や世界のマスコミから認められている。もとより日本中に彼を知らない人はいないだろう。

森保一監督 ©文藝春秋

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