見出し画像

北村滋 山口組マフィア・サミット計画 外事警察秘録10

宅見勝のボディーガードが怒り出すと、係官は一瞬にして組み伏せた/北村滋(前国家安全保障局長)

 1992年3月から95年2月まで、在フランス日本国大使館に一等書記官として勤務した。3月2日に着任し、前任の五十嵐邦雄一等書記官(後に皇宮警察本部長)と引継ぎを済ませると、すぐさま、めまぐるしい日々が始まった。4月28日からは、宮沢喜一内閣総理大臣の訪仏もあった。

 警察庁から派遣された一等書記官は、フランス大使館では内政班長を務める。その分掌は、治安・警備にとどまらず、フランスの国内情報の収集や、政治情勢の分析だった。最大のカウンターパートは巨大官庁、内務省だ。

ここから先は

8,502字 / 3画像
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju

文藝春秋digital

¥900 / 月

月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…