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MILLION C@STING02"エンダー/ゲーム"感想と考察

※ネタバレ全開です。ご了承の上ご覧ください

指定のテーマのドラマのメインキャスト5人の座をかけてプロデューサーたちの投票で競い合うアイドルマスターミリオンライブ!の投票企画第4段MILLION C@STING。その第2テーマ「生き残りゲーム」題名を「エンダー/ゲーム」。そのドラマが収録されたCDが発売されました。
今回、自分が担当している舞浜歩が初めて役を獲得したこともあり、今までで一番楽しみにしていました。と同時に、満足できるかどうか一番不安でもありました。

良かった……!

ドラマそのものへの満足感と、勝手に感じていた不安の払拭による開放感でいっぱいです。
というわけでここからは考察を交えながら褒めちぎっていきます。


①事前に示されていた情報からのミスリード

まず、「やられた……!!」ってなった所。

全人類待望、アビーちゃん分からせ

 デスゲームの実況・配信をしていた伊吹翼演じる闇桜アビーちゃんが突然プレイヤー扱いに格下げ、連れていかれる下り。ゲーム内で先行してそのビジュアルが公開されていたこともあり、そういう顛末を辿るのだろうと思っていました。
 ところがドラマを聴いてみるとこのシーンが存外早く、唐突にやってきます。
 多少の違和感こそあれど初見ではやはり「これで退場か」と処理していました。
 か    ら    の再登場!テンプレのような逆転劇!絶対に映像化出来ないスプラッタな音と迫真の悲鳴!!
 分からされたのはいち視聴者の自分の方でした。

感情が揺れ動けばそれはもう「感動」と言える訳ですが、このドラマで一番「感動」したのはここのアビーちゃんの下りだと思います。アビーちゃん黒幕説自体は投票期間中の妄想ストーリーでも度々見かけましたが、公式から先に分からせシーンを見せられたことで勝手にその選択肢を消し去っていたことに気付かされた訳です。お手本のようなミスリードでした。

しかしながら、ここの一時退場がなくても話自体は成立しますし、少し無理して差し込まれたシーンに改めて聴くと感じてしまう所もあります。そんなことを考えているうちにひとつの結論にたどり着きました。

ミスリードをやりたかったよりも、意地でも分からせを入れたかったのでは……?

もうひとつ考えた可能性については後述しますが、この「やりたい!」に全力な姿勢のミリオンライブが大好きです。

②イベントコミュと照合して見えてくる部分

 1回まっさらな状態でドラマを聴いて、その後ゲーム内でのイベントコミュを見返してからもう一度ドラマを聴くと気になる部分がちょこちょこありました。
イベントコミュではあったリイチがチトセに「勝負師向いてるぜ」と訂正するセリフがないまま進行してエピローグでチトセが「賭け事には向いてないらしいからな」と悪態つく流れに変わっていたり、イベントコミュで翼と星梨花ちゃんの2人で読み合わせをしていたシーンがまるっとカットされていたり。特に気になったのがココ。

ドラマを聴く限りここのやり取りは5人揃って同じ場にはいないっぽい?

 最終ゲーム前の「間引き」のシーン。ドラマではちょうど後半に差し掛かるシーンですが、イベントコミュを見るとこのシーンから撮影が始まっていること、この一幕での麗花の演技をきっかけにスタッフの認識が変わろうとしていたことが分かります。このシーンは本来ならもっと悲壮感ただようシーンだったとのことで、そのパターンでの撮影も行った上で協議の末に、先に撮ったアツい方のパターンが採用されているようです。

 ドラマ初見の際に一番引っかかったことが、序盤に撒かれたリイチの心情描写。
心の中でカナエとチトセを小馬鹿にするようなことを呟いたのに、終盤には2人を完全に信頼しきっている様子だったのがめちゃくちゃ気になりました。勿論話の中でそういう心情の変化が起こりうるのは分かるのですが、さも意味ありげに挟んだ心情描写を後の展開に繋げていかないのは正直不自然だな……と初見で感じました。
 そしてイベントコミュを見返して、ひとつの可能性を考察。

「間引き」以降の脚本が変わっている……?

 あくまで個人の感想ですが、リイチの心情描写を挟むなら「リイチの裏切り」が入る方が自然だと今も考えています。そしてこの「間引き」のシーンはもっと悲壮感が漂うハズだったそうなので、素人の浅知恵ではありますが、

このシーン直後のアビーの一時退場がマジに退場→地震でカナエが脱落→チトセ・リイチのペアで鞠音に勝ち賞金を獲得したタイミングでリイチが裏切る

みたいな展開になっていたのが、麗花の演技を受けてそもそもの展開が変わった可能性は大いにありそうだなーと思います。あくまでゲーム内の世界の話であって、実際には提示されているストーリーは変わってはいないと思いますが。

 実際のストーリーで、カナエと別れた後テーマ曲「エンダーエンダー」のoffvocalをバックにチトセとリイチが今際の際みたいな会話をしていた訳ですが、このシーンが一番のお気に入りです。疑念を前提にしたコンビが悪態つきながら信頼し合う描写は大好物です。

 ドラマ単体でも十二分に楽しめましたが、イベントコミュを踏まえるとこんなに考察の余地が広がるんだなぁとこの記事を書きながらしみじみ感じています。某ゾンビ映画を撮影する映画を初めて見た時に近い体験をしているな〜……


③音楽で楽しむドラマ

 そりゃそうだろ!!とツッコまれても何も言い返せないんですが!
 特に今回繰り広げられているのがあくまでもアビーちゃん主催のエンターテインメントとしての「ゲーム」なこともあり、話や声の重さ(アビーちゃんを除く)から作られる空気とそこで流れるBGMに大きなズレがあって、それが基本的に修正されないまま進行するからか、そのズレが逆に気持ちよく感じました。
 BGMは話への没入感をプラスするための演出として使われるのが基本ですが、こういう使い方もあるんやな〜と。勉強になります。

 それともうひとつ。表題曲"エンダーエンダー"のインストに乗せて繰り広げられるラストゲーム。アビーちゃんの一言が挟まる一瞬を除いて綺麗に1曲の間にカナエが走り出す瞬間から目的を果たすまでを入れる演出。痺れました。あれってやっぱり収録の段階で示し合わせてるんだと思うんですけど、凄いですよね……。
 ここの一連の下り3分50秒くらいは話としてはクライマックスなこともあり、オタク的にはopが流れ出したら勝ち確みたいな気持ちもあり、高揚感が凄かったです。このシーンの主役がカナエで、話の主役であるチトセを差し置いてクライマックスで一番頑張ってるから話自体の主役もカナエだったような錯覚を起こしてしまうのは玉に瑕ですが。


④いち担当Pの視点でドラマを聴いて

 歩Pの一人として、「どうしても今回こそ歩に役をあげたい!」と思っていた今回の投票。色んな方の頑張りと風向きもあって、この願いは成就されました。改めて、いち歩Pとして、歩を応援して下さった全ての方に感謝します。ありがとうございました。

 自分の中では、1回は歩にアウトローなキャラを演じて欲しいと思っていたので、今回の「ギャンブラー」の役はまさにそれでしたし、無事にこの役を射止めてくれてとても嬉しかったです。
 そして、このテーマでギャンブラーならやはり一度誰かと組んだ上で裏切って欲しいと思っていました。結局裏切らないまま終わったのは少し心残りではありますが、配信者アビーちゃんのあの立ち回りよりもギャンブラーのリイチが裏切るルートで端的にかつ面白くできるシナリオは自分には浮かばないので、そこまで気にしてもいません。
裏切りこそなかったものの、チトセ・カナエ・リイチの3人で話を回しているシーンで積極的に話をひっかき回したり、ちょいちょい人の良さが滲み出るシーンがあったりと、ちゃんと役としての見せ場があったので良かったと思います。
 そして、これはミリオン劇中劇の醍醐味なのですが、普段のアイドルとしての歩では見ることの叶わない演技が見れたのがやはり一番嬉しかったです。特に「馬鹿野郎ハイリスクハイリターンだろ!」ってセリフは絶対に歩の口からは出てきませんからね。歩……ギャンブルはやめとけ……
チトセ・カナエ・鞠音ほど元のアイドルとの乖離があったとは言えないですが、今回に関しては自分は十分に満足しています。

ドラマ自体もハッピーエンドで終わってくれたのは個人的にはありがたかったです。ビターエンド・バッドエンドが悪いとは言いませんが後味スッキリの方が終わったあとのダメージが少ないのと、その後の与太話を妄想しやすくなるので。
自分探しの途中で変なことさせられてる中でリイチに再会してめちゃくちゃ笑われるチトセとか、カナエの夢のリスタートとか、見たくないですか?自分はめちゃくちゃ見たいです。二次創作ドシドシお寄せください!!!(他力本願)


⑤終わりに

 担当アイドルに初めて役をプレゼントできたドラマ。嬉しかったし面白かったし、考察のしがいもあって本当に大満足です。全力の演技をしてくださるキャストの皆様、最高のエンターテインメントを提供してくださる制作スタッフの皆様、投票の時から盛り上げてくれたプロデューサーの皆様……このエンダー/ゲームに関わった全ての人に感謝を。ありがとうミリオンライブ。

エンダー/ゲームの最後の供給にあるであろうリリイベ、行きてぇなぁ……





おまけ

今になって見返すと「そんな描写あった!?」ってなる矢印がちょいちょい。アテにならないな!?


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