エレファントマン11/16夜感想

ついこの間始まったかと思えば残りあと1週間を切りましたね。本当に楽しい時はあっという間だよ〜〜〜〜〜。残りもみんなが健康でいられますように。ということで今回も感想をちょこっと。ネタバレ含みますのでご注意ください。


サンドイッチさんのシーン。サンドイッチさんが悲鳴をあげて出て行って、慌てて追いかけるトリーヴズ先生に対してマイペースなメリック。ここのシーンが大好きすぎてもう何度も書いてるけど、改めて観てみると昼食ありがとうと呑気なメリックを見てきょとんとしてるトリーヴズ先生が凄く可愛い。いつもメリックばかり観ていたからトリーヴズ先生の方をちゃんと観るのは初めてだったけど、このシーンの頃はただただ善良な医師だなぁと分かるような表情だった。


救貧院にいた頃の話をするシーン。調べたところによると実際には母親に入れられたわけではないみたいなんだよね。幼い頃は母親の愛情をうけて育ってるし(メリックが11歳の頃に病気で亡くなっている)公立学校を卒業して就職して、でもどんどん奇形が酷くなって離職して、義母と折り合いがつかずに家を離れ、拾ってくれた伯父にも迷惑がかかるからと17歳の時に自らの意思で救貧院に入ったみたい。ただそこでの暮らしが酷すぎて見せ物の仕事を始めることを決意して出ていくわけだけど。

戯曲だと3歳の頃に母親に入れられたと書かれていて、なのにあんなに母親を想っているメリックに心が苦しくなる。母親に入れられた、3歳という幼さでひとりぼっちになった、そんなに幼い頃から酷い日々を過ごしてきた、とメリックの過去を想うともういたたまれなくなるね。だから余計にクビになったウィルの子供たちを心配するメリックの心情が際立つし、理事長やトリーヴズ先生の言う慈悲深いという言葉の意味に違和感を感じる。


ケンダル夫人が初めて訪れるシーン。改めて観るとメリックめっちゃ喋る。言葉が勝手に出ちゃうって本人も後で言ってるけど本当にそんな感じ。次から次へとぽんぽん喋る喋る。のぞむちゃん自身が持つ純粋さがそうさせるのか、本当に自然と言葉が溢れ出て止まらないような、メリックが初めて夢中になってお喋りしている様子を上手く表現しているな凄いなと圧倒させられた。


一幕ではお互い「メリック」「先生」と呼び合っていたのが二幕になると「ジョン」「フレデリック」との呼び方に変化する。ケンダル夫人も。そうやって呼び方ひとつ取ってもメリックがどんどんと普通の人になっていく様子が分かるね。


最後にメリックが亡くなったのを見つけたスノークが放つ「エレファントマンが死んでる!」の一言が物凄く残酷。直前まで本人には「メリックさん」て呼びかけてとても親切だったのに、結局のところ咄嗟に出てくるのはエレファントマンなんだ。どんなに本人の前で愛想良く親切にしてくれてても心の中ではそう思ってたのか。人間の嫌な部分を突きつけられたような気がしてとてつもなくショックを受ける。どれだけの人が心からメリックのことを普通の人として見てくれていたのかな。そしてメリックは周りの人の胸中をどれだけ分かっていたのかな。賢いメリックだからきっと勘付いていたのかな。つらいなぁ。

それとメリックが亡くなってからの理事長の態度もまた辛い。亡くなったら終わり。もう終わったこと。冷たいなと思うけど経営者としては必要な部分なのかな。ただ途中途中トリーヴズ先生がメリックのことについて口を挟むのに対して全く興味がなさそうにするのはしんどい。


他の方の感想をいくつか拝見して、セットのパネルが時に照明によって影を作り格子状(檻のよう)に見えて、結局メリックを閉じ込めているように表現されているのではないかと。確かにそう見えるシーンがあって驚いたし面白いな〜と思ったしそれに気付く方も凄い。いろいろな方の視点を参考に様々な見方をするのが本当に楽しい。私自身大学生の頃に1年間舞台照明の授業をとっていたけどかなり難しかったし奥が深いなということがとてもよく分かったから、今回の舞台照明は物凄く感動するし圧倒される。


12日と比べてのぞむちゃんの髪型が少し変わったような気がするんだけどこれは気のせいかな?どうだろう?少し襟足がすっきりしたように見えるしシルエットがまるくなったような印象を受けたんだけど。まぁその時のセットの具合にもよるのかもだけど、ちょっと気になったので備忘録として。


さて、残すところあと6公演。もう何度も書いているけど願掛けとして。どうか無事に千秋楽を迎えられますように。みんなが健康でいられますように。どうかあと6公演、完走できますように。