エレファントマン千秋楽(11/23夜)感想

ついに約1ヶ月に渡る舞台エレファント・マンの幕が閉じましたね。本当によかった。最後まで出来て本当によかった。キャスト、スタッフのみなさんがどれだけ気を配って努力してこの日を迎えたのか、もちろんお客さんも。あと二週間何事もなく過ぎますように。さて、ゆっくり考察するのも一旦これで最後です。配信見たらまた書きたくなるかもだけど。ネタバレ含みますのでご注意ください。


トリーヴズ先生の講義のシーン。先生の説明に合わせてゆっくりと身体が歪んでいく様子は何度見ても引き込まれるし、先生から杖を渡された瞬間少し苦しそうな呼吸音が聞こえだすの。ジョン・メリックが現れた瞬間。物凄く鳥肌が立つ。


メリックにとって救貧院の記憶は相当辛いものなんだろうね、トリーヴズ先生に話をする時に涙が溢れてた。公演によって他のシーンは目が潤んでいるだけのところもあったけど、救貧院のところは私が見た公演はほぼ涙が溢れてて辛さを物語っていたな。


ケンダル夫人が初めてメリックの部屋を訪れるシーン。部屋に入る前にトリーヴズ先生と最後の挨拶の練習を繰り返していた夫人だけど、実際にメリックと話をした後は練習で見せたのとは全く違う、優しくてメリックをしっかりと思っている声のかけ方でぐっとくる。その後夫人とトリーヴズ先生が出て行った後に泣き出すメリックの姿を見るとさらに胸が苦しくなる。物凄く切ないけどメリックの心情を丁寧に演じているのが分かる大好きなシーン。


天国を信じるかという会話をするメリックとトリーヴズ先生のシーン。メリックが先生を煽るかのように喋って先生がブチ切れるんだけど何度も見てきたはずなのに今日先生がキレた瞬間ビクッてなった。それくらい物凄い迫力だった。

その後ケンダル夫人は多分戻ってこないと言われたメリックが目にいっぱい涙を溜めてるの本当に切なくて苦しい。メリックを守っているようで実際はメリックから愛を取り上げる先生が憎いとすら思う。


最後にトリーヴズ先生がゴム理事長に何を言おうとしていたのか、結局のところ私には分からないんだけど近藤公園さんはどう思っているのかな。聞いてみたい。


カーテンコール、二回目からは客席全体でスタンディングオベーションでした。キャストのみなさんが揃ったところで小瀧座長が演出の森さんを呼んで、森さんからご挨拶がありました。3年前に亡くなった作者のバーナード・ポメランスさん、今回の舞台のためにアイルランドから作曲に携わって下さったダニー・フォードさん、そして100年前に生きたジョン・メリックへの敬意を表す言葉でした。ジョン・メリックと小瀧望が巡り合ったことを嬉しく思う、と小瀧座長と握手をされていて本当に嬉しくて涙が止まらなかった。パンフレットにて、のぞむちゃんを紹介されその爽やかさと気品を目の当たりにした瞬間「俺のエレファント・マンがいた!」と思ったと語られていたことを思い出して余計に涙が出てきたんだよね。

そして小瀧座長からの挨拶。キャスト全員揃って千秋楽を迎えられたことは奇跡だと思う、と感謝の気持ちを伝えてくれました。ホッとした表情ももちろん含まれていたけどそれより満ち足りたような、とても落ち着いていて頼もしい姿がかっこよかった。はけるタイミングがよく分からなくなってキョロキョロしてキャストのみなさんと笑いながらはけて行ったのは可愛かったけど。

最後にもう一度一人での登場。全31公演を支えてくれたみなさんへの感謝の気持ちを伝えていました。こちらこそ、本当にありがとうだよ。最後はちょっと照れくさそうな可愛いいつもの笑顔を見せてくれた後、綺麗な深々としたお辞儀で幕が閉じました。


森さんがパンフレットにて「実際のメリックの気持ちは、僕らにはほとんど窺い知ることができませんが、小瀧君ならばその核となる部分に奇跡的に触れられるような気がしています。」と語っていたんだけど、31公演を終えてどうだったんだろう。のぞむちゃんの話を聞いてみたい。たくさん語ってほしい。聞きたいことが山ほどある。


今回キャストのみなさんがベテラン揃いで女性陣しかほぼSNSを更新されていなかったり、ご時世的にも稽古後に飲みに行ったり出来ないしで、座組みの雰囲気や座長の立ち位置、キャストのみなさんとの関係性がわりと謎に包まれてるんだよね。きっと可愛がってもらっていたんだろうなとは思うけどそのお話もいつか聞けたらいいな。


こういうご時世だから千秋楽まで完走出来るのかみんなが不安だったと思うし、常にとても気を張っていただろうね。こちらが想像するよりもずっと気を配っていただろうし我慢することも多かっただろうし、しんどいことも大変なこともいっぱいあっただろうな。千秋楽まで頑張ってくれて本当にありがとう。最後まで見届けることが出来てとっても楽しかった。私なりにたくさん考えてたくさん勉強してパンフレットも戯曲も何度も何度も読み込んでずっと真剣にエレファントマンについて考えた1ヶ月だったな。

大忙しの年末に突入するからゆっくり休むことは出来ないかもしれないけど、大きなお仕事をひとつやり遂げた達成感と経験値は宝物になるよね。必ず将来に繋がる素晴らしい活躍ぶりだったよ。俳優小瀧望の姿をまた近いうちに見ることが出来ますように。

全31公演、本当にお疲れさまでした。