【忘備録】0からはじめる夢本作り
夢小説と共に過ごして十数年。色々とお話を書いてきましたが、最近「あ~、せっかくだから本にしてみたいなあ」と思ったので、思い切って作ってみることにしました!
今回はその準備や手順等を、私と同じように「本を作ってみたいけど、何から始めたらいいんだろう」という方に向けてまとめてみました!
今回小説本を作るにあたり、【2020年版】磯野ー! 小説同人誌作ろうぜー!(ALBA LUNA-アカツキユウ様)のページを参考にしました。こちらのページはとにかく本を作るまでの過程を細かく紹介しており、とりあえず目を通して置けば間違いない!と言ったほど情報が網羅されています。
こちらの内容を参考にしつつ、Google先生と二人三脚でかき集めた情報をもとに作りましたので、その辺を掻い摘んで出来上がるまでの過程をご紹介いたします。
用意するもの
本を作る際に用意するものはたった3つ!それは、本文・表紙・資金です!やる気は「本を作る!」と思い立った時点であると思うので、できればあきらめない心をご用意ください。
1.本文を作る
<使用したソフト>
Evernote・・・主に本文作成に使用(無料)
Word・・・本文を冊子のかたちに起こすために使用(有料)
Acrobat Reader DC・・・PDFデータの仕上がりを確認するために使用(無料)
本の要とも言っていい、絶対になくてはならないのが本文です。本を作ろうと思われる方のほとんどは既にデータがあるので一から用意する必要はないかと思われます。
Evernoteはアカウントさえ作ればパソコンからでも、スマホ、タブレットからでも編集が可能なので、とても便利!
他にもテキストエディタのソフトはたくさんあるので、ご自身と相性の良いものを使用されることをお勧めします。
本文ができたら、次にWordを利用して小説っぽい形にします。
まずここでぶち当たるのが「小説っぽい形ってどんなやねん」と言った半ばキレ気味の疑問。思い浮かぶのは書店で並べられているようなハードカバーや文庫本……。
しかし、主に同人小説で主流となっている形はA5サイズや新書、文庫(A6)のようなサイズです。今回私は小説らしい形にしたかったので、文庫サイズ(A6)で作りました。
作るサイズが決まれば後は簡単!印刷所さんや有志の方が配布してくださっているテンプレートを利用して本文をそのまま流し込みます。今回は、株式会社 栄光 様で配布されているテンプレートを使用させていただきました。(配布ページはこちら)
あとは、フォントサイズや余白等を好みで微調整するのですが、結局どれがベストなのか分からないのでざっくりまとめ 「皆さんの文庫本設定を教えてください」(Togetterより)を参考にして色々といじるといいかもしれません。
ちなみに私の設定はこんな感じでした。
文庫本サイズ:105×148mm
余白:上下左右 15mm とじしろ3mm
行数:15 行
文字数:37文字
行送り:13.45 pt
字送り:9.05pt
フォント:源暎こぶり明朝 v6(8.5pt)
ヘッダー:8mm
フッター:10mm
上記の設定だとこんな仕上がりに。画像だと読みにくい気もしますが、実際本になると普通の文庫本とほとんど遜色ない仕上がりになっています。
さあて、本文もできたし次は表紙を作るかあ!……と行きたいところですが、ここで注意しなければならない点があります。
1.本文のページ数は2の倍数にしよう!
理屈を説明しろ!と言われても難しいのですが、本って1枚の紙に裏表、2ページ分印刷されますよね。つまり、そういう事です。(どういう事?)調べてもらった方が多分早いと思うので、説明は割愛します……。
くるみ製本(無線綴じ)の場合は2の倍数のページ数でOKですが、中綴じの場合は4の倍数でなければNGなところがほとんどです。
くるみ製本(無線綴じ)・・・ざっくり言うと、背表紙があるやつ
中綴じ・・・ざっくり言うと、ホッチキスで留められてるやつ
たぶん大体くるみ製本で仕上がると思うので、色々と調整しながらページ数は2の倍数にしておきましょう!
2.奥付は必ずつけよう!
奥付とは何ぞや……ってことですが、一般的に流通している文庫本などではページの一番最後にある、著者や出版社、発行年月日なんかが書かれているやつ。あれが奥付です。
奥付の必要性については、こちらの発行責任と奥付(同人誌作成上の注意-株式会社 栄光 様)を読んでいただけると分かりやすいと思います。
注意事項も守れたら、ようやくここで本文をPDF形式で保存して仕上がりを確認します。ページ不備はないか、ノンブルはあるか……等々。また、実際に自宅やコンビニで印刷をして誤字脱字チェックをしておくのもおすすめです。
ここまでできたら、とりあえず第一関門は突破!次のステップに進みましょう!
2.印刷所を決める
「え?表紙作らないの?」と思われるかもしれませんが、私の場合はここで印刷所探しをしました。何故なら、『本文はどの紙を使い、何ページ必要なのか』『表紙に使用する紙や装丁はどうするのか』を決めなければ作成すべき表紙のサイズが定まらないからです。
今回私が印刷所を探す際に条件として定めたのは
1.1部から発行が可能
2.カバー等はいらないので、最低限の装丁で安く済ませる
の2点です。特に一つ目は、同人誌印刷となれば最低10部からの発行でなければ受け付けてもらえないところもあるので、この時点でだいぶ印刷所は絞られました。
いろんなレビューを参考にしつつ、条件に合う印刷所を探した結果 ちょ古っ都製本工房 様を利用させていただくことにしました。
1部からの発行が可能でなおかつ安価。とりあえずフルカラーの表紙さえ作れればそれでOKだったので、条件にぴったりでした。
さっそく、自動見積もりを利用します。今回の注文内容は下記の通り。
冊子サイズ:A6(くるみ製本)
印刷部数:1 冊
本文印刷:モノクロ印刷
ページ数:54ページ(表紙除く、本文のみ)
表紙印刷:フルカラー印刷
表紙の種類:アートポスト紙 200Kg(白)
本文の種類:書籍用紙72.5kg(淡クリームキンマリ)
表紙加工:PP加工(クリアPP)
<紙の種類について>
本文:淡クリームキンマリ72.5kg
よく文庫本なんかで使われている紙です。紙自体にほんのり色がついているので、目がちかちかせず文字が非常に読みやすいです。紙の厚さはほんの少し厚みを感じますが、裏の文字が透けないので読みやすいです。多分、文庫本なんかで使われているのは50kgの紙ではないかと思われます。
表紙:アートポスト紙200kg
とりあえず厚めの紙を使いたかったのでこれにしました。お土産用のお菓子が梱包されている外箱よりも少し厚め……な感じでしょうか。
Q.紙の名前の後ろにある重さってなんぞや
簡単に言うと、重さが重いほど紙が分厚くなります。だから、ぺらぺらな本文の紙に比べて、厚みがある表紙の紙の方が重く、表記されている重量もより重たくなります。
<加工について>
今回表紙にはPP加工を施しました。オンデマンド印刷(今回の印刷方法)はオフセット印刷に比べてインクが禿げやすいらしいので、それを防止するためにもこのPP加工を施します。(特に角なんかが禿げやすいらしいです。)
また、PP加工にはいくつか種類があり、つやつやの表紙にしたい場合はクリアPP、マットな表紙にしたい場合はマットPPを選ぶといいでしょう。(もっとわかりやすく言えば、スマホのフィルムを想像してもらえると分かりやすいかもしれないです。)
※注意※
PP加工を施すと、表紙に反りが発生します。これは加工の性質上避けられないようなので、反りが気になる場合はPP加工を必要としない表紙のデザインにする必要があります。
長くなりましたが、自動見積もりをすると詳細な金額と一緒に入稿のサイズを教えてくれます。
今回のサイズは、本文は148mm×105mm。表紙は154mm以上 × 219mm以上になりました。
「え?本文のサイズ×2が表紙のサイズじゃないの?」と思われるかもしれませんが、表紙のサイズには背表紙や塗り足しが含まれるので、このようなサイズになります。
ここまでできたら、ようやく最後の難関!表紙づくりに突入です!
3.表紙を作る
<使用したソフト>
Canva・・・表紙を作るwebサービス(無料)
Acrobat Reader DC・・・PDFデータの仕上がりを確認するために使用(無料)
もうね、本文作るよりも表紙作る方が大変だった。だって、文章打ててもデザインはできないんだもん。なるべく商業誌に近付けたいって思っても、ムリムリ。私はプロじゃないから。
しかし、そんな悩みを一発に解決してくれる素晴らしいwebサービスがありました。それがCanva!!何が凄いって、表紙に使えそうなたくさんのテンプレートが用意されているので、自分でデザインを考える必要がない!もうこれに尽きる!
使用できるフォントも結構種類があるので、工夫すれば商業誌同様のおしゃれな表紙も作れちゃいます!ちなみに私の作った表紙はこれ。
背表紙と塗り足し含めてこんな感じになりました。うん、シンプルイズベスト……。
ちなみに、詳しい作り方は
こちらの記事を参考にさせていただきました。他にも参考になる記事を書かれているので、ぜひ読んでみて下さい!
あとは無料ツール・Canvaで同人誌の表紙をどうにかする(Togetterより)もおすすめです。
とにかく、無料でセンスなくてもそれっぽい表紙は作れるので、あきらめず頑張りましょう!どうしても無理なら、表紙を注文するのも一つの手だと思います。
表紙ができたら、あとは本文と一緒に入稿するだけ!
印刷所によって入稿方法が異なるので、しっかりチェックして不備がないように気を付けてから入稿しましょう!
おわりに
大分ざっくりな説明にはなりましたが、大体こんな流れで本を作りました。もちろん、今回書いた記事の内容だけでは本は作れません。例えば、本文一つをとっても目次はどうするだとか、ページの区切りはどうするかだとか、結構色々と勉強しなければならない点は多いです。
しかし、何事も初めてのものに挑戦する際は勉強は必須。完成するまでの道のりは遠く険しく、何度も諦めそうになりました。しかし、完成品が届いた時の喜びはひとしお。何なら、発注した時点でもう退路は塞がれているので、前に進むしかありません。そう、やるしかない!
夢小説を長いこと書いていましたが、自分の本を一冊でも作るのが長年抱いていた夢でした。小さい頃の夢は叶えられなかったけれど、大人になって抱いた夢は叶えられるんです!そう、本を作ろう!
頒布に関しては「やりたいな~」とは思っているのですが、販路や在庫、価格設定など考えないといけないことが多いので……すぐにはできなくても、いつかできたらいいかなあ。と思っています。いや、やりたい気持ちは滅茶苦茶あるんだけどね、現実問題いろいろとあるので。へえ。
とりあえず、全く本を作ったことのない私でも、ネットの情報を駆使しで作ることができたので、ぜひ皆さんも作ってみて下さい!以上です!
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