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金、プラチナ投資

皆さん、こんにちは。
えむです。

私は約10年間以上、大手地金商の代理店として店頭でお客様と投資用金、プラチナ地金売買の取引を行っております。
現在も店頭でお客様と取引を致しております。

数年前より雑誌などにも取り上げられ話題の資産運用の金に関しての話をして参りたいと思います。

最近メディアでも
「金は高い!まだまだ上がる今が買い時」という記事もあれば
「金過去最高値⁉今が売り時!!」
という記事も増えています。

しかし実際の運用に関しての税金にまつわる話などは細かく書いておりませんので、この記事を読んで頂ければ金投資に関するメリット、デメリットのほぼすべての事が分かると思います。

また私は税務署でも地金商でもない中立の立場からお客様がどのように運用されるのが一番節税になるのかを常日頃よりアドバイス致しております。
ご参考にして頂ければと思います。

私が普段実務に当たっているのは現物売買が主なので、
今回先物、積立に関しては除外致しますので、よろしくお願い致します。


金、プラチナとは? 

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金の価値:人類がはじめて金を手にしたのは、今から6,000年前だと言われています。そして、今日に至るまで貴金属として愛されてきたのは、その輝きとともに、希少性の高さがあります。これまで金が採掘された総量はわずか約190,040トン。これは、国際基準プール約4杯分しかないのです。現在、金は年間3,000トン前後のペースで産出されており、その他、市場からの回収などによって供給される量と合わせて年間で約4,500トン前後の世界の需要がまかなわれています。

プラチナの価値:プラチナは、遠い昔、地球に飛来した隕石によってもたらされたとの説が有力で、採掘量が限られています。世界のプラチナの年間供給量は約200トン。これは金の約1/19です。
また、有史以来の総生産量も、約7,200トン(田中貴金属推定)。これは、金の約1/26の量。その希少性の高さは金を、はるかにしのぐのです。

引用:田中貴金属HPより引用

つまり採掘量は限りがあります。需要が高くなれば希少価値は上がり、需要が低くなれば、価値は下がります。

日本での金、プラチナ相場の決まり方

金は24時間世界中で取引がされています。

日本での金相場の価格計算は、
世界標準となっている金の国際価格を円建て計算したものになります。

世界標準は1トロイオンスを米ドルで発表された価格です。
1トロイオンスとは約31.1035グラムになります。

そして日本では1gの価格表示になる為
計算式としては
「国際金価格÷31.1035×ドル/円レート=国内金価格(円)」
となりますので、為替によっても金価格は変わります。

同じ国際金価格であれば

円安になれば金価格は上がります。
円高になれば金価格は下がります。

相場変動の要因

簡単に説明しますと、
購入が多ければ値段は上がり
売却が多ければ値段は下がります。
需要と供給のバランスです。

需要と供給


また相場に影響を与えるのは取引量の多い
アメリカ、中国、インドの3か国によるものです。

なので、上記3か国の貿易、経済、外交などにより相場への影響が表れることが多いです。
米国の金利が上昇すると金価格は下降、通貨が増加すると金価格も上昇するとも言われています。

そして投資家の動きにも左右されます。
株価が良い時は資産を株価の方に重きを置くようになり金を売却します。
また株価が不安定な時はあまり極端な変動のない金にしておくのです。
リスク回避の為の金の運用になります。

自国の紙幣価値が下落したり、価値が無くなったとしても

世界中で取引されている金、プラチナ製品は海外で売買することも出来ます。

なので有事の金やインフレに強いと言われています。

※日本の安倍首相が退任したから相場変動に影響があるかと言ったらさほど影響はありません。
しかし先ほど述べたように日本で売買を行う場合は為替の影響はあります。

金は儲かるの?

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金も相場商品なので、元本保証するものではありません。
よって金で儲けようと企んでいる方にはオススメは致しません。

金に関しては投資用とはいっておりますが、
相場変動は株のように激しくはありません。
投資として
「株は攻めの投資 金は守りの投資」
と言われるように短期間で儲けるという目的ではありません。あくまでも長期保管の運用方法となってます。

また金の資産運用とは保有するのに出費はないです。
安全資産と言われるのも株のように紙切れになるような事はないという点です。
それは金は世界中で取引が行われているからです。
日本円がだめになっても海外では同等の価値があります。

目安として総資産の1/10を金投資にする事が推奨されています。
現金預金、株式、不動産など数ある資産運用の一つとして金を選ばれることをお勧めいたします。

地金とはどんなものか

まず地金がどんなものなのかをご説明します。
地金は1g単位、金額単位で購入することが出来ません。

だいたい
金の場合は5g,10g,20g,50g,100g,200g,300g,500g,1000gという規格で作られています。
プラチナの場合は5g,10g,100g,500gでの作成になります。
(企業により異なります。上記は田中貴金属の場合)

次に地金の刻印についてです。
金地金に関しては国内、海外あらゆるところで作成されています。
が、下記の刻印はどこ製の地金であっても基本は入っています。

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引用:三菱マテリアルの公式サイトより

写真のように地金のバーには
・会社刻印
・重量刻印
・品位刻印
・製造番号
上記の刻印が入ります。

会社刻印
会社刻印は販売元もしくは製造元の刻印が入ります。
なので、自社で作成していない場合は販売元の刻印と製造元の刻印が入ることがあります。売却時にはこのどこの会社で販売されたものかが重要になってきます。
重量刻印
実際の重量の刻印です。購入時は目の前で実測重量が刻印以上あることを確認されることをおススメいたします。海外製の地金だと表示重量に満たない事があります。この場合は購入時は表示重量、売却時は実測重量での買取となります。
品位刻印
品位(純度)を表す刻印です。
金であれば999.9(フォーナイン)999.9%は金という意味。
プラチナであれば99.95という刻印が入ります。
製造上100%金というのは無理なので、世界基準でフォーナインが使用されています。
製造番号
製造番号は企業により異なりますが、50g~100gバーより重い地金にはすべて製造番号が入ります。こちらの製造番号は一つの地金に一度しか使用しません。なので、もし入手金額やいつ買ったものかが分からない時は販売元、製造元に確認することでおおよその工場の出荷時期がわかります。
そしてその頃の金相場でだいたいの入手金額の証明をすることが出来ます。

また万が一盗難、紛失してしまった際も警察に製造番号も合わせて届け出をしていれば全国の地金流通協会という地金商に品触れの通達が来るので、
もし他人が売却に持ってきた際にはこれは盗難届、紛失届が出ている地金というのがお店もわかります。そこから警察に連絡がいくようになります。

なので安心でもあり、逆を言えば個人の特定もできやすくなるという点があります。

また事項でも説明しますが、ネットで中古の地金を買ったりしてトラブルに巻き込まれてしまう可能性もわずかながらあります。

また金には地金流通協会という協会があります。
その協会の会員店、加盟店であれば全国、全世界どこで売買をされてもほぼ同価格での取引となりますので、ご購入の際はこちらで調べられた方がより安心です。
日本のほとんどの都道府県に加盟店がございますので、こちらをご参考にされてください。

地金流通協会公式サイト⇒https://www.jgma.or.jp/

売買時の注意点

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金、プラチナ製品は今様々な所で売買が行われています。
地金商、宝石屋、銀行、買取屋、ネットなどです。
以前は百貨店でも販売を致しておりました。

しかし価格も販売している地金の種類も様々です。

日本での金価格の発表がありそこから各企業の利益を引いて売買を行います。
そして決まりもありませんので、企業によっては値段が2倍近く変わってきます。
宝石屋やブッ〇オフなどの店頭の看板やPOPには当日の価格が書いてありますが、実際の買取価格となるとかなり安くなることがほとんどです。

ネットも最近は規制がかかってきてフリマアプリなどでは投資用の金、プラチナの出品は禁止になってきています。

金、プラチナの地金売買は地金商、地金商代理店など信頼のおけるお店での取引をおススメいたします。

また税金の項目でもお話致しますが、地金も様々な会社が作っており、国内だけでなく海外の地金も日本では流通しています。
購入時は価格が安いのをと買ったはいいが、売却の説明など受けておらず買取価格の安い地金だったり、税金を多く支払ってしまうことになったケースもあります。

購入の際に気を付ける事はこちら
・どこの会社の地金なのか?(国内、海外)
 地金流通協会の会員店、加盟店かどうか。
・再販売でなく新品かどうか。
・重量はちゃんと表示重量以上あるか。確認させてくれるか。
・購入時の納品書、計算書はくれるか。

取引に必要なもの

・購入時
現金、身分証明書(200万以上の取引時、後日納品の場合)
200万未満は現金だけあれば大丈夫です。(商品が後日納品になる場合は身分証の提示を求められることがあります。)
基本的に金の現物売買は店頭取引の際は現金、振込取引のみになります。

・売却時
現物、身分証明書、マイナンバー(200万以上の取引の場合)、通帳、キャッシュカード(買取代金を振り込みの場合のみ)
こちらは金額関係なく身分証の提示が古物法で定められています。
金の売却に関しては記録も必須となっております。
また1回の取引で200万を超える売却の際は現在マイナンバーも必要となっております。(マイナンバーは支払調書で使用する為)

地金の手数料について

地金には購入、売却時に手数料がかかります。
こちらも企業により多少の違いはあります。

(下記:田中貴金属の場合)

・購入(小売)の場合
1個当たりの別途手数料
500g・1kg :不要
100g・200g・300g :16,500円
50g :8,800円
5g・10g・20g : 4,400円

・売却(買取)の場合
1件当たりの別途手数料
500g以上:不要
100g以上~500g未満:16,500円
50g以上~100g未満:8,800円
20g以上~50g未満:4,400円
20g未満:2,200円

上記のように販売と売却で異なります。
購入の場合は1点当たりなので
例えば相場が6,500円/1gとして100gを5点購入した場合
100g×6,500円+16,500円×5点=3,332,500円
となります。

売却の場合は1件当たりなので
買取価格が6,400円/1gとして100gを5点まとめて売却した場合は
総重量は500gあるので
6,400円×500g=3,200,000円
となります。

購入の際は細かく買うより500g1点購入された方が手数料はかからなくなり
売買差が最も少なくなります。
ですがデメリットもあるので、事項で説明いたします。

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