幸せなのか?
「幸せそう」「苦労知らなさそう」「それ以上何を望むの?」
悪意たっぷりで向けられた言葉。私の胸にはこれらの言葉が未だに深く深く突き刺さっている。
両親はお金に糸目をつけず私を育てた。
幼少の頃からありとあらゆる習い事、小学生にはもったいないくらいの大人用の服、持ち物。進学塾。県内有数の中高一貫校。ブランド物のカバン。欲しい服。新しい家。自由に乗っていい見た目だけで選んだ外車。
したいことは基本的にさせてもらえたし、欲しいものは粘れば買ってもらえた。
容姿だってそう。小さい頃から色々なことを試した。パーマやパーソナルカラー診断。3ヶ月に一回の縮毛矯正、2ヶ月に一回のカラー。ジェルネイル。新しい服や靴。
全てお金があるからこそ許された。
お金があるからこそ綺麗になれた。
だからって、幸せなわけではない。
もちろん私よりお金持ちの人なんていくらでもいるし、私より綺麗な人もいくらでもいる。
冒頭で書いた言葉を浴びせられた時、いつもそう思う。
人間は無い物ねだりする生き物だから私なんかに羨む人がいて、その私が羨む人がいて、その人がまた羨む人がいる。
結局完璧になんてなれないから今の自分を少し磨くことしかできない。
全人類ダイヤモンドの原石だなんてありふれてチープな言葉私は大嫌い。
石ころはただの石ころ。磨いたって慣れるのは綺麗な石ころ。
だから今の自分で満足してください。お願いします。
悪意をたっぷり染み込ませた視線でこっちを見ないで。言葉を投げかけないで。
私は私のこと嫌いだから。
人に自分の「幸せ」を押し付けないで。
なんて考えながら今日もお酒で喉元のイガイガを飲み込むね。