モテるって幸せじゃないです

正直に言えば私はモテる。

でも、決して幸せではない。

「モテる」は男目線で言えば「イケそう」「俺に気がありそう」

女目線はもっともっと色々なしがらみ、感情が私をまとわりつく。


モテるって別に気持ちのいいものではない。

一時期話題になった「好きでもない人に向けられる好意ほど気持ち悪いものはない」という言葉に尽きる。これは私にとっても本意だ。


たしかに、軽そうな女、好意を持っていそうな女を演じてしまっている。

しかし、私はそれ以外の生き方を知らない。


10年間女子校に通っているためあまり男性とのかかわりはなかったが、容姿についてやありのままの私自身について揶揄されることは多々あった。

その記憶が私の脳裏にこびりついて離れない。

特に悲しかった3つの出来事を話したい。

ひとつは、3年前の推しが私に対してだけ非常に扱いが雑だった。

「心を許してくれているんだよ」って励ましてくれる友人もいたが、私はただ邪険にしてもいいと思われたことが悔しかった。

そこから約二年推したがずっとずっと苦しかった。


ふたつめは、当時仲良かった友人に誘われ相席屋に行った時のことであった。

そこで同席になった男性が私を邪険に扱った。

「大福みたい」「峯岸みなみに似てる」と言われた。

ただ丸顔だけなのに全く似ていない芸能人を言われるのは屈辱だった。

尚且つ、私を誘った友人は私が容姿コンプレックスが強いことを知っているのにも関わらず隣で爆笑していた。

顔立ち自体は私の方がよいのに攻撃されるのは私だった。


最後に大学1年生の新歓でのことだ。

友人と私、男の先輩2名の合わせて4名の席だった。

誰も話さないから沢山話した。気を遣った。

しかし、私が席を立った時、先輩二人は友人に向かって言ったそうだ。

「あの子に気使っているの?」


この事実に悲しんだし、それを私に伝えてきた友人にも驚愕した。


その辺りから私は私じゃなくなった。

あざとく、したたかに、みんなが私にやさしくするように

私をからかうのは「いじらしいから」が唯一の理由になるように。


それから悪意がある嫌味やいじりは格段に減ったと思う。

しかし、幸せではない。

結局本来考えていることではない言葉を並べているから。


田中みな実さんも言ってた「あざといは付け焼刃」

本当にその通りだと思う。

幸せじゃない。

男の口から発せられる言葉も、女から向けられる敵意や嫌な視線も。

結局私という人間をすり減らしていくだけ。