私の髪の毛は元から茶色い。
このことは昔からお気に入りであり、コンプレックスでもある。

小学生の時、担任の先生に怖い顔で
「髪、染めてる?」
と聞かれた。

「染めてません。」
と答えると、特に咎められることはなかったが、
自分の容姿を気にし始める前の幼気な少女は、
初めて自分の髪の色が人と違うことに気付いた。

一人っ子の私は親からの愛情を一身に受けていると思う。容姿に関してもそうだ。
髪の毛について、母は
「茶色くて、パーマをかけなくても良い感じにウェーブがかってるのが良い」
と褒めてくれた。

たしかに、同性の友達にはよく羨ましがられるこの髪を私は気に入っている。

それでも、人と違うことを気にしてしまう年齢で、
中学でも私は先生から髪の毛を染めているかどうか聞かれてしまったのである。

小学生、中学生のときのその経験は私の心の奥底でまだ燻った感情を残しているように思える。



なぜ、こんなことを今日書いたのか。
それは、久しぶりに髪色のことを他人に言われたからだ。


部活の男の先輩たちの近くを通りすぎた。
挨拶をして、部屋を出ようとすると、

1人の先輩が小さな声で
「髪の毛、茶色くない?」
と言っているのが聞こえた。
私の入っている部活は、髪を染めることが禁止されている。

もちろん、私は髪を染めていない。
地毛が茶色いだけ。

堂々としていれば良いのに、
ルールを破っているような罪悪感が私を襲った。

黒髪だったら、そんな陰口みたいなこと言われないのに。
と思ってしまった自分が嫌になった。

言うなら、面と向かって言って欲しい。
そうしたら、私も堂々と
「これは地毛です」
と言えるのに。

面と向かって言えないなら放っておいてくれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?