見出し画像

#A面打破 のつくりかた

自己紹介
は飛ばします

この記事ってなに

この記事では、私が運営で参加させてもらっている #A面打破 というDJmix配信について、ちょっとだけ丁寧なDJmix配信をさせてもらっていることについての説明を書かせてもらう予定です

DJmix配信ってなに

DJした様子を録音してた音源(mix、mix音源と言ったりします)を配信の主催や運営者が集め、順番に再生していくライブ配信のことを指します。

A面打破ってなに

イベントの開催概要には下記のように書かせていただいてます。

A面を打破したいDJ/VJ陣がお送りする
ノンタイアップ中心A-POP楽曲mix配信イベント

A-POPとは、いわゆるアニソンを中心としたゲーソン、声優楽曲なども含む大まかにオタク向けの音楽カテゴリ―のことです。
(定義は雑なのでここの定義について石やマサカリの投擲はご遠慮ください)

とはいえその性質上、アニメやゲームなどのコンテンツのタイアップ楽曲が一般的なイメージになるのは何となく共感いただけるのではないでしょうか。

今回取り上げるA面打破は、(絶対NGではないですが)ノンタイアップを中心に選曲されたDJmixをお届けするDJmix配信です。

なお、フライヤーにあるイラストはmenaguro先生に描いていただいております。

中々直接お礼を申し上げることができず大変恐縮です。
この場を借りて御礼申し上げます。

想定されること

このイベントを実施するにあたっては下記のようなポイントが難点となりました。

1:ノンタイアップを中心に流すこともあり、そもそも視聴ユーザーが知らない曲ばかりが流れることを覚悟しないといけない

2:さらにノンタイアップなので(使用することの是非はともかくとして)PVなどの存在が期待できない、公式映像というものそのものがない可能性があるためVJは基本的に汎用素材を中心に組み立てるしかない

やるべきこと

こんな感じになります。

1:曲/アーティスト名に関しては再生に合わせて表示できるようにしておかないといけない

2:(使用の是非は置くとしても)MVの類がないのでクラブVJで40分のmixをどうにかする必要がある。

たぶんこの辺が頑張ってること

上記のやるべきことを踏まえ、下記のようなことをやっています。

1:プロバイダの障害以外の原因で、予定スケジュールをずらしたことがない

mixの長さが40分ちょうどでない(なんならややオーバーということもあり得る)ことが普通のため、微妙に開始時刻を前後して再生することで全mixがほぼ予定時刻で開始されるように調整されています。

あくまで狭い観測範囲での理解ですが、一秒単位でずれてなくて普通というレベルでの配信管理は他だとそうそう例がないと思っています。

2:VJ映像とmix音源、及びDJ名と曲名表示が用意されている

実際の配信画面はこんな感じになっております。

画像1

左がTwitchのTL、
右側は、
一番上にmix提供者、
中央にVJ映像、
下段の水色の箇所がTwitterの反応、
一番下が曲名とアーティスト名、
という並びになっています。要素多いね

とはいえ配置は割と整理したんじゃないかと自画自賛してまして、曲名やアーティスト名が長いものはスクロールで表示されていますし、その場合もコメントが重ならないようにできています。

画像2

※ちゃんと斜めになっている箇所で消えるようになってるんですね

上手く作ればきれいに情報を並べることができますし、何より一体感が出ますので真似してみてください。地味にめんどくさい仕掛けですけど(後述)。

ちなみに、結構私の配信だとこういった斜めの要素を多用します。
これは四角い要素だけで画面を組み立てると複数の要素が別個に置いてあるだけに見えてバラバラの要素を置いてあるだけに見えるからなんですね。

Vとかの配信でチャット欄を角丸に切りぬいたりしてるのも多分同様にデザイン的な事情があるものと勝手に思っています。

3:毎回ちゃんとエンディングを作っている

これも珍しいめの話だと勝手に思っているのですが、エンディング用の動画を毎回作っております。
各mix提出DJの名前とセトリをここで振り返ることができるようになっています。
また、告知タイムも兼ねておりまして、提出くださったDJのお知らせもここでやっています。(僕の告知もやっています)

余談ですが、この時のエンディングテーマはアニメタイアップシングルのB面曲を使用する、という個人的な縛りをしています。

4:映像不具合、TL管理不具合、いずれも配信の停止無しで修正可能な機器構成

映像に問題が発生した場合でも、各種タイムラインの取得に失敗した場合でも、配信を止める必要はないですし映像に問題があれば映像のみ修正を、TLに問題があればTLだけを再起動させるなどの手段が取れるようになっています。

今のところ起きたことはないですが、これは不具合対応においてものすごく有効に働きます。

つまりなにをどうやってるのか(機器構成)

基本的に皆さんが配信される場合、動画やTwitchコメントなどの合成は配信用のPCでOBSを立ち上げ、そこですべての要素を合成すると思います。

A面打破ではこの辺もかなり気を配っていまして、配信用の端末は原則キャプチャユニットとして使われているATEM miniで入力された音声と映像をエンコードする以外の作業をさせていません。

じゃあ映像の再生やコメント表示はどうやっているのか、という問題なのですが、下記のような構成になっています。

画像3

配信PC、マジでこいつ配信しかしてない

順番に説明します。

a:VJ映像やmix音源、曲名表示など仕込めるものをとにかく仕込んだ動画用PC

まず、VJ映像やmix提出者、曲名表示(あとmix音源)はすべて連動していた方がいいので、一つの動画として書き出しています。
このmix動画は書き出し時点で尺の調整もやっており、この仕込みによって秒単位での時間管理ができるようになっています。

再生はVDMXを利用しており、mix映像が再生終了すれば自動的に次の動画が再生されるようになっています。

b:仕込み切れなかった配信に対する反応を取り込む用のPC

かくしてVJやmix音源など仕込めるものは解決したものの、事前に仕込みようがない配信に対する反応各種は別のアプローチが必要になります。

そのためPCでOBSを立ち上げてStreamLabのブラウザやTwitterのハッシュタグを読み込む機能を呼び出して背景画像と合成、完成したものをOBSのモニター出力で送り出しています。

c:合成用のATEM mini

ATEM miniですが、今回の構成において非常に重要な役割があります。
それは、複数のPCからの映像を「内部で合成してから」配信PCに送り込むという役割です。

今回の配信において必要な画面上の要素をここまで二つのPCに分けて作ってきたので、これを合成する必要があります。
合成イメージをgifにしておきました。

合成確認用コンポ_2

配信上は一枚に見える映像をこんな感じで重ねています。

この構成の何がいいのか

これにより、TLに問題があればTL読み込み用のPC、ないしOBSの再立ち上げで済みますし、映像は映像でVDMXないしPCの調整で済みます。
(しかも、配信PC側からバックアップ画像を代わりに差し込むことでトラブル自体を悟られない形で修正することも可能)

例えばTLに不具合があった場合

1:ATEM miniのChをOBSからの映像入力からPCの画像に置き換える。
2:OBSの再立ち上げをするなどして復旧する
3:代わりに差し込んでいた画像の代わりにもう一度OBSの映像に戻す

という手順で配信に影響することなく復旧できるんですね。

つまりなにをどうやってるのか2(VJ動画の作り方)

VJ動画はめちゃくちゃ手間かけてるなとおもいながら、下記のような手順でやっています。

1:VJ用の映像リスト作成
2:VJ動画収録
3:曲名/アーティスト名合成
4:書き出し

順に説明します。

1:VJ用の映像リスト作成

まずは皆さんのmixをひたすらに聞きつつ、手元の素材リストから映像を一つ一つ展開に合わせてチョイスしていきます。
いい感じのを思いつくまで3周程度で済むのはいい方で、細かく細かく聞き込んでは素材を探す作業をやっていきます。
40分のmix一本につき3時間くらいは使ってるんじゃないかな

画像5

最終的にこんな感じのリストになる

2:VJ動画収録

リストが作れれば、それをもとにmixを収録します。
これに関しては、あまりエフェクトに頼らずカットとフェードだけで丁寧に当てていく形で対応しています。

3:曲名/アーティスト名合成

最後に、VJの動画とmix音源、曲名表示を合わせた動画を編集します。
曲名表示に関してはそもそもタイムコードに合わせて曲名を打ち込んでいくだけでもまあまあ骨が折れるので、mix提出時にタイムコードの記入をご協力いただくなどしています。

ここでもちょっとだけ頑張っている箇所があります
前の方で「地味にめんどくさい仕掛け(後述)」と書いていた内容になります。

「つまりなにをどうやってるのか(機器構成)」の項でもお見せしたVJ映像なんですが、こんな感じの画面構成になっています。

画像7

緑の箇所をグリーンバックとして抜くことで、下に流しているチャットコメントなどがうまく重なるようになっているんですね。

で、本当に地味なんですが、ちゃんと端っこで白の傾斜に合わせて消えるようになってるんですね。

画像6

これにより、この白の領域が曲名+アーティスト名表示の場所であることがはっきりしますし、コメントの邪魔にもならなくなります。

ちなみに、このまま普通にグリーンバックで抜いた場合実際の配信時には困ることがあります。ただこれは機材を使いこなせば解決しますしやってみる方向けの宿題とします。頑張ってね。

4:書き出し

全部終われば書き出しです。
といってもこれが7人分あるんですが。

このVJ動画の何がいいのか

映像がずれる、曲名がずれるということはおきません。
また、尺が確実に読めていますので時間もずれません。
しかも、このVJ動画を書き出す時点で尺の調整を終わらせておりまして、当日は順次再生し続けるだけでオンスケジュール配信ができるという仕掛けになっています。

おわりに

次回は2022/02/02にやる予定です。みてね


おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?